更新日: 2021.07.02 家具・片付け

片づけの美学100 モノの置き場所決められない。決断力で便利な収納をつくる

執筆者 : 奥野愉加子

片づけの美学100 モノの置き場所決められない。決断力で便利な収納をつくる
家が散らかる理由に、「モノの置き場所がわからない」「ベストな場所がわからない」という悩みを聞きます。
 
家のレイアウトや持ち物、生活スタイルが家庭によって違うので、収納の「正解」は1つではありません。だから、余計に迷ったり、悩んだりするんですよね。
 
そんな中でも、しっくりくる「正解」を見つける方法はあります。収納の「方向性」を決めることで、「モノの置き場所」を決めるという解決方法です。
奥野愉加子

執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

「方向性」の設定方法

「方向性」を決めるには、家族構成・生活スタイルなどの「暮らし方」が大事なポイントになります。
 
例えば、1歳くらいの子どもやペットがいる家庭だったら、『小さなモノ・危ないモノは高い場所に置く』『転ばないようにモノは床に置きたくない』という方向性が出てきます。
 
ほかにも、忙しい大人の家庭(子どもはいない)だったら、効率性が何よりも大事だったり、効率性とおしゃれさを両立したいという希望が出たりと、好みが細かく分かれてきます。
 
このように、暮らし方を見極めると、「置き場所の方向性」が決まってきます。その方向性に合わせた収納を用意することで、「モノの置き場所」を決めることができます。
 
家全体を同じ「方向性」にしても良いですし、キッチンだけ・リビングだけと部分でわけてもよいでしょう。
 

「方向性」を決める手順

家族の1人が方向性も置き場所も決めてしまうと、他の家族が分からなくなって、余計に混乱することがあります。家族と「どこに置くと便利かな?」と話し合うと、みんなの意見を取り入れたベストな置き場所を決めることができます。
 
置き場所をみんなが把握できるので、「どこに置いた?」「見つけられない!」というトラブルを減らすこともできます。「決めていくうちに、よくわからなくなった」という状況を避けるために、メモをとるのがおすすめです。
 
例えば、

キッチン:便利
リビング:おしゃれ隠す収納をメインに
洗面:便利

など。
 

まず、不要なモノを取り除く

使いたいモノの置き場所が決まらない原因に、不要なモノ・使っていないモノが「便利な場所」に置かれていることがあります。
 
第1に、不要なモノを取り除くことがとても大切です。なにも「捨てる」必要はありません。今は使っていないなと思うモノを別の場所に移動させてみましょう。
 
捨てるのがつらい・時間がない時などは、ガサっと集めて、紙袋に入れたり、段ボールに入れたりするだけでも問題ありません。もちろん分別して、捨てる・残しておくを分けることができれば一番良いと思います。
 

モノの置き場所の決め方

置き場所を決める時に大事なのは、「あるべき場所」からの解放です。
 
「文房具だから、ペンは全部まとめて置くものだ」とか、「子どものモノだから子どもゾーンに置くべき」という思い込みでは、最適な場所は見つけられません。使う場所の近くにモノがあることが何よりも大事です。
 
例えば、毎日キッチンで使う油性ペンが食器棚に入っていても良いですし、マスクが靴箱の中に入っていても、使う人が良ければ、それが正解なのです。
 

作業のケーススタディー:洗面所の便利を最優先(子どもがいない家庭)

例えば、洗面所を片づける時、便利さを最優先にするなら、「シンプル」「モノは少ない」が大切な要素です。
 
右が夫、左を妻に置く。ドライヤーや歯ブラシ・歯磨き粉のように共通で頻繁に使うモノは、一番使いやすい場所に置く。夫・妻だけのモノは、よく使うモノを2番目に取りやすい位置に置く。時々使うモノは高い場所など少し不便な位置でOK。
 
ストックは夫婦のモノを合わせて収納1つ分に入れる。入る分だけをストックとして購入するルールにすれば、買いすぎや二重買いを防ぐことができます。
 

思い込みを捨て、便利を取る

「モノの置き場所がわからない」を理由に困っている場合、家族が使っている動線・行動を確認することが近道です。思い込みを捨て、便利な場所を見つけると、楽しくなって、どんどん便利な場所探しをしたくなるかもしれませんよ。
 
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表