更新日: 2023.01.17 その他暮らし

「若者の車離れ」は購入費用の負担が理由? 車の維持費は「年66.4万円」という結果に

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「若者の車離れ」は購入費用の負担が理由? 車の維持費は「年66.4万円」という結果に
「若者の車離れ」と言われて久しい昨今。「若者は車を買わない」「車に興味がない」と耳にすることもありますが、実際はどうなのでしょうか。
 
ソニー損害保険株式会社は2022年11月、2002年4月2日~2003年4月1日生まれの人を対象に実施した「20歳のカーライフ意識調査」の結果から、実態を見ていきましょう。
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20歳の6割以上が車の免許を持っている。運転免許保有率は上昇傾向

調査対象者で普通自動車免許を持っている人の割合は61.2%となりました。また、「現在、教習所へ通っている」は5.6%、「時期は決まっていないが、取得予定」は23.0%で、運転免許をこれから取得する予定の人は28.6%でした。これを見ると、9割の人が免許を持っているか、取得したいと考えているようです。
 
運転免許保有率は男性62.0%、女性60.4%とほぼ同じですが、都市部では49.1%であるのに対し、地方では64.5%と15.4ポイントも高いことがわかりました。都市部では公共の交通機関が発達しているため、運転免許がなくても事足りるのでしょう。
 
また、運転免許保有率は2021年調査では51.3%であったのが、2022年では57.2%、2023年では61.2%となっています。若者の車離れと言われていますが、20歳の運転免許保有率は上昇傾向にあることがわかります。
 

20歳の2割が自分の車を持っている。地方の方が都市部より車を持っている人が多い


 
20歳で既に「自分の車を持っている」と答えた人は19.6%でした。また、「自分の車を購入する予定がある」(12.0%)、「購入する予定はないが、いずれは欲しい」(44.8%)を合わせた56.8%が「車が欲しい」と思っていることがわかりました。
 
自分の車を持っている割合は地方では22.8%、都市部では8.3%で、地方が都市部より14.5ポイント高くなりました。一方、車を購入予定または購入意向がある人の割合は、都市部で62.9%、地方で55.1%と逆に都市部が7.8ポイント高くなっています。
 
自分の車を持ちたいと思った理由については、「移動が楽だから」が59.0%を占めトップでした。
 
次いで、「買い物の際に便利だから」が46.1%で、買いだめや大きいものを買うときに車があると便利だという人が多いようです。「通勤・通学で必要だから」は33.5%を占めていますが、地方では37.4%と高い一方で、都市部は18.1%と、19.3ポイントも低いことがわかりました。地方では、車で学校や職場に行かざるを得ない場合もあります。
 
自分の車を持ちたいと思わない理由のトップは「購入費用を負担に感じるから」が37.3%で、そもそも車は高価なので買わないという人が最も多いことがわかりました)。
 
次いで、主に都市部在住の人と思われますが、「車以外の移動手段が充実しており、車に乗る必要性がないから」(28.0%)という意見もありました。他には「交通事故・トラブルを起こしたくないから」(26.7%)、「燃料代や修理費など、維持費がかかるから」(25.4%)となりました。
 

車の維持費にかかる費用は1日約1800円

それでは、車を持つにはどのくらいお金がかかるのでしょう。
 
国土交通省福岡国道事務所が車の維持費を試算しています。これによると、100万円のファミリーカーを7年間使用した場合、年間の車両価格は15万円となります。1年でかかるガソリンに12万円、自動車税は4万円、車検は5万円、保険は18万円、駐車場代や高速利用料金などその他の経費が12.4万円で、合計すると年間66.4万円かかることになります。
 
1ヶ月当たり5.5万円、1日当たり1819円となり、首都圏など公共交通機関が発達しているエリアだと、車の維持費の方が高くなりそうです。
 
都市部など公共の交通機関で移動できる地域は車を持たなくても問題なさそうですが、日本では車がなければ通勤も、買い物も、病院に行くのも難しい地域の方が多いでしょう。
 
若い人でも地方では車を利用せざるを得ない人が多いと思われますが、賃金が上がらず、物価が高騰している今、維持費の高さは収入が低い若い人にとっては厳しいといえそうです。
 

出典

ソニー損害保険株式会社 2023年 20歳のカーライフ意識調査
国士交通省 九州地方整備局 福岡国道事務所 クルマとお金の話
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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