更新日: 2023.02.24 その他暮らし

世界の総合購買力が分かる! ビッグマック指数の高い国と低い国は? 日本はどの位置にいる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

世界の総合購買力が分かる! ビッグマック指数の高い国と低い国は? 日本はどの位置にいる?
響きのインパクトから「ビッグマック指数」という用語だけは知っていても、どのような数値かや現在のランキングはよく知らない人は多いのではないでしょうか。ビッグマック指数とは、その名のとおりマクドナルドのビッグマックの価格をもとに算出する指標です。
 
本記事では、ビッグマック指数の概要や直近のランキング上位・下位の国、日本の順位を紹介します。日本と他国の状況を比較してみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

ビッグマック指数とはハンバーガーの価格から各国の総合購買力を測る指標

ビッグマック指数とは、マクドナルドが世界各国で販売するビッグマックの価格を比較して、各国の通貨の総合購買力(貨幣価値)を見るもので、イギリスのエコノミスト誌が毎年発表する指標です。ビッグマック指数が高いほど、国際間の購買力は高いと評価されます。
 
経済学では、自由な市場のなかでは同質の商品の価格は同一になるとする「一物一価」という考え方があります。一物一価を前提に、世界各国で販売されているビッグマックの価格から為替相場の適正水準を算出し、実際の為替相場との差異を比較したものがビッグマック指数です。
 
例えば、ビッグマックの価格が日本では400円、アメリカでは5ドルだとすると、一物一価が成り立つには400円=5ドルである必要があります。つまりビッグマック指数の考え方では、この場合1ドル=80円が為替相場の適正水準です。このとき実際の為替相場が1ドル=130円だとすると、適正水準との差異(BMI)はおよそ-38.5%で、円の価値が適正水準より38.5%低く見られていることが分かります。
 

【2023年1月】ビッグマック指数が高い国・低い国

2023年1月26日に発表されたビッグマック指数のランキングによると、上位5ヶ国、下位5ヶ国のデータはそれぞれ図表1のとおりです。
 
【図表1】

上位5ヶ国 下位5ヶ国
国名 ビッグマック価格(ドル換算) 指数(BMI) 国名 ビッグマック価格(ドル換算) 指数(BMI)
スイス 7.28ドル +35.4% エジプト 1.84ドル -65.6%
ウルグアイ 6.85ドル +27.8% インドネシア 2.35ドル -56.1%
ノルウェー 6.59ドル +22.9% 台湾 2.47ドル -53.9%
スウェーデン 5.62ドル +4.8% ウクライナ 2.49ドル -53.5%
デンマーク 5.41ドル +0.9% インド 2.53ドル -52.7%

出典:The Economist The Big Mac index
 
最もランキングが高いスイスと低いエジプトでは、ビッグマックの価格に約4倍の開きがあり、それだけ購買力に格差があると判断できます。
 
ただし、各国間でビッグマックの仕様に違いがあることや、生産コストなどの差異が考慮されないことから、ビッグマック指数は厳密な比較に使える数値ではありません。結果はあくまでも参考として受け止める必要があります。
 

2022年に日本のビッグマック指数は大きく低下

2023年1月発表のビッグマック指数では、アメリカのビッグマックの価格5.15ドルに対して日本は410円(3.15ドル)、BMI-41.2%でした。ランキングは全体の41番目で、隣国の中国(36位)や韓国(30位)よりも低い結果となっています。
 
図表2で、近年のランキングの推移を見てみましょう。
 
【図表2】

年度 2021年1月 2022年1月 2023年1月
ランキング 25位 33位 41位
ビッグマック価格
(ドル換算)
3.74ドル 3.38ドル 410円
指数(BMI) -23.5% -32.8% -41.2%

出典:The Economist The Big Mac index
 
2022年7月発表では、390円(2.83ドル)、BMI-45.1%で41位と、数値も順位も大幅に下がっています。このような結果になった大きな理由は、円安が進んだことです。ビッグマック指数だけを見るならば、円は本来あるべき水準の約半分という、行き過ぎた円安状態にあるといえるでしょう。
 

ビッグマック指数にも円安の影響が表れている

ビッグマック指数は、ビッグマックの価格から世界各国の購買力を測るユニークな指標です。日本のビッグマック指数は、円安の影響もあり2022年に大きく順位を下げました。国際的な購買力が低下すると、海外旅行時に現地の物価が高く感じられるなどの影響があります。
 
今後ビッグマック指数がどのように推移するのか注目しましょう。
 

出典

The Economist The Big Mac index
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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