更新日: 2023.03.13 子育て

物価高で教育費も高騰? 最近の子どもにかかるお金事情

執筆者 : 下中英恵

物価高で教育費も高騰? 最近の子どもにかかるお金事情
円安の影響などで、日本では物価の上昇傾向が続いています。実は、子どもたちにかかる教育費についても、ここ数年は大きく値上がりしていることをご存じでしょうか。今回は、子どもにかかる教育費がどのくらい値上がりしているのか、教育費を上手に貯めるためにはどうしたらいいのか、詳しくご紹介していきます。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

保育の無償化と高等学校等就学支援金制度

まずは、最近の子どもにかかる教育費について確認していきます。少子化が進む中で、子育てにかかる負担を少しでも減らそうと、昨今ではさまざまな政策が行われています。例えば出産一時金や児童手当をはじめ、保育の無償化や高校生の就学支援金制度などもあります。
 
保育の無償化では、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもについて利用料が無償化されています。また、0歳から2歳までの子どもについては、所得が少ないとされる住民税非課税世帯の場合、利用料が無償化されています。
 
高校の授業料についても大きな援助があります。国公私立問わず子どもが高等学校等に通っている世帯で、所得等要件を満たす場合、国から高等学校等就学支援金が支給されます。所得等要件については、例えば両親のうちどちらか一方が働き、高校生一人(16歳以上)、中学生一人の子どもがいる場合、年収約910万円未満の世帯が該当します。
 
このような国の支援制度を見ていくと、教育費の負担は大きく軽減されているように思えますね。しかし、子どもにかかるお金は、決して減っているわけではありません。
 

私立大学にかかる費用は右肩上がり

近年、私立大学の学費は大幅に値上がりする傾向が見られます。文部科学省の資料によると、令和3年度の私立大学の授業料は93万943円なのに対し、5年前の平成28年は87万7735円、10年前の平成23年は85万7763円となっています。私立大学の授業料は年々増加しており、15年前と比較すると約10万円も値上がりしています。
 
大学入学後に子どもが1人暮らしをすると、最近の物価高により、家計にはさらに大きな影響が及びます。子どもが複数いる場合、その負担は2倍3倍と大きくなってしまうでしょう。
 
保育の無償化や高校の就学支援金制度は、大変ありがたく、家計の助けとなる政策です。しかし、私立大学のように費用が値上がりしている学校もあるため、子どもにかかるお金の負担は一概に減っているわけではないことを覚えておきましょう。
 

教育費を貯めるポイント

子どもが私立に行くのか国公立に行くのかは、進学時になってみないと分かりません。もちろん親としては、学費が安い国公立を目指してほしいと考えるかもしれませんが、私立の大学でも進学できるように、できるだけ教育費を貯金しておきたいものですね。教育費を貯めるポイントは、大きく分けて2つあります。
 
まず1つめとして、教育費は子どもが小さいうちが貯め時だということです。保育の無償化制度を活用し、公立の小学校に進む場合は、教育費を最低限に抑えることができます。子どもが生まれてから10年間くらいは、将来を見据えてしっかりとお金を貯めていくようにしましょう。
 
ポイントの2つめとして、先取り貯金を行うことが挙げられます。例えば、児童手当と合わせて毎月5万円を貯金することができれば、年間60万円、小学校卒業までの12年間で720万円を貯められます。毎月の給与が支払われた段階で、貯金分を別口座に移しておくことで、強制的に、確実にお金を貯めることができるでしょう。
 

まとめ

教育費の値上がりは、子どもがいる家庭にとって大きな問題の1つです。子どもが望む進学先に進めるように、子どもが小さいうちから教育費を準備しておくことが重要です。今回ご紹介した内容を参考にしながら、ご自身は教育費を順調に貯められているのか、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
 

出典

文部科学省私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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