更新日: 2023.03.23 子育て

「大学無償化」の目安年収とは? 2020年から始まった新制度について条件や支援内容を解説

執筆者 : 田邉史

「大学無償化」の目安年収とは? 2020年から始まった新制度について条件や支援内容を解説
大学等の学費が無償になる可能性がある制度をご存じでしょうか? いわゆる「大学無償化」、正式には「高等教育の修学支援新制度」と呼ばれ、2020年から開始されています。
 
本記事では、この新制度の対象となる学校や学生、支給額、申請方法について解説していきます。
田邉史

執筆者:田邉史(たなべ ふみ)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

高等教育の修学支援新制度とは?

高等教育の修学支援制度とは、学ぶ意欲がある学生の進学を支援するために、授業料や入学金を免除または減額し、返済を要しない給付型奨学金を支給する制度です。2020年4月から実施されています。
 

対象となる学校

高等教育の修学支援制度の対象となるのは大学だけではなく、短期大学や専門学校、4・5年制の高等専門学校が含まれ、図表1のように各機関から一定の要件を満たすと確認された学校が対象となります。
 
【図表1】


 
文部科学省 高等教育の修学支援新制度の対象機関(確認大学等)
 
対象の学校は、「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト」として文部科学省のサイトに記載されており、学校名や所在地から検索することもできます。
 

対象となる学生

高等教育の修学支援新制度の対象となるのは、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生です。世帯年収の目安は図表2のとおりです。
 
【図表2】


 
政府広報 高等教育の修学支援新制度 5つのポイント
 
家族構成や希望する進学先の学校などによって基準を満たす世帯年収は異なってくるため、日本学生支援機構のサイトにある「進学資金シミュレーター」の活用をおすすめします。自身の家庭が制度の対象となるのか、どの程度の支援を受けられるのかなど簡単に調べることができます。
 

給付型奨学金の支給額

高等教育の修学支援新制度における給付型奨学金の支給額の目安は、図表3のとおりです。対象世帯は世帯構成や年収から第I区分、第II区分、第III区分の3つに分けられ、支給額がそれぞれ異なります。
 
【図表3】


 
政府広報 高等教育の修学支援新制度 5つのポイント
 
第I区分の「住民税非課税世帯」の支給額を分類すると、図表4のようになります。なお、第II区分は第I区分の3分の2、第III区分は3分の1の額が支給されます。
 
【図表4】

 
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
 

授業料・入学金のサポート

給付型奨学金の対象者は、給付金に加えて授業料と入学金の免除や減額が受けられます。第I区分の免除額または減額の上限は、図表5のとおりです。第II区分は第I区分の3分の2、第III区分は3分の1の額になります。
 
【図表5】


 
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
 

申請方法とスケジュールは?

給付型奨学金は、日本学生支援機構に申し込みます。高校生の場合、進学する前年の4月下旬から申し込みができ、秋ごろには選考結果が出ます。授業料や入学金の免除・減額の申請については、大学等によって異なるため注意が必要です。
 
また、この制度は大学生や専門学校生などが在学中に申し込むこともできます。この場合、給付型奨学金は4月と9月の年2回申し込む機会があります。授業料や入学金の減免は、上記同様学校によって受付期間等が変わるので、学校側に問い合わせてみましょう。
 

まとめ


 
大学無償化制度である高等教育の修学支援新制度について説明してきました。対象世帯であれば返還する必要のない給付型給付金を支給され、授業料や入学金の免除や減額がされます。すでに入学していても活用できる制度です。
 
学ぶ意欲のある学生のために設けられている制度なので、活用しない手はありません。一度、対象世帯に該当するのか調べてみてもよいかもしれません。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度の対象機関(確認大学等)
政府広報 高等教育の修学支援新制度 5つのポイント
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
文部科学省 支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧
独立行政法人 日本学生支援機構 進学資金シミュレーター
 
執筆者:田邉史
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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