更新日: 2023.03.24 子育て

学生の希望初任給は平均「27.9万円」だけど実際は「21万円」!? 一人暮らしは可能? 奨学金は月いくら返済すべき?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

学生の希望初任給は平均「27.9万円」だけど実際は「21万円」!? 一人暮らしは可能? 奨学金は月いくら返済すべき?
就活中の学生が希望する初任給の金額と実際にもらえる金額は、どれくらい違いがあるのでしょうか。また、初任給としてもらえる金額のうち、実質的に生活費として使える手取りはどれくらいになるのか、その中で一人暮らしは可能なのかも知っておくことが必要です。
 
今回は、新社会人が一人暮らしをする場合の生活費の内訳や、奨学金の返済をする場合の月々の適正な返済額を紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

就活生の理想的な初任給と実情

株式会社ライボの調査機関、Job総研が就活中の学生に対して行った調査によれば、理想的な初任給の平均額は27万9000円です。
 
一方、厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査結果によれば、大学卒の初任給は男女合計で約21万円となっており、理想と現実には大きな隔たりがあることが分かります。
 
初任給の約21万円は額面月収ですので、実際に自分の手元に残る手取りはもっと少ないです。額面月収から税金や社会保険料が控除された金額が手取りとなり、額面月収に対する手取りの割合は75~85%程度とされています。初任給が21万円の人の額面年収は252万円、手取りは、1ヶ月あたり15万7500~17万8500円程度です。ここからは、手取りを額面の80%として16万8000円で計算します。
 

額面の月給が21万円の人の生活費内訳

「総務省統計局の家計調査 単身世帯 2022年」によれば、額面年収200~300万円の勤労者世帯の1ヶ月あたりの生活費の内訳は、食費が約3万2000円、水道光熱費が約1万1000円、被服および履物費が約4000円、保険医療費が約5000円、交通・通信費が約2万3000円、教養娯楽費が約1万5000円、その他の消費支出が約2万1000円です。
 
また、住居費は手取りの3分の1に収めるのが適切とされているため、約5万6000円になります。1ヶ月当たりの消費支出は約16万5000円で、手取りから消費支出を引いた金額は1000円となり、ほとんど貯金ができない状況です。
 
ただ、もとにした単身世帯の家計調査では、交通・通信費の中に自動車等関係費が約1万円含まれており、自動車を所有していない人ならこの金額はかかりません。自動車を所有していないと仮定すると、約1万1000円が毎月余ることになり、貯蓄に回せる金額になるでしょう。
 

初任給が21万円の人が無理なく返済できる奨学金の金額

労働者福祉中央協議会が行った「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」によれば、奨学金の借入総額の平均は324万3000円、毎月の返済額の平均は1万6880円、奨学金の返済期間は14.7年となっています。
 
1ヶ月の額面月収が21万円の人は、自動車を所有していないとしても月々1万2000円ほどしかゆとりがないため、アンケートで提示されている月々1万6000円を返済するのは難しい状態です。少なくとも収入がもう少し増えるまでは、月々1万円を確保するのが限界といえるでしょう。
 
奨学金の返還は貸与が終了した月の翌月から数えて7ヶ月目から始まるので、3月まで借りていた場合は10月から返還しなければなりません。就職してから半年ほどは奨学金の返済をしなくても良いので、この時期に将来を見すえて無駄遣いをしないで貯金しておくことで、奨学金の返済が始まったときに少しは楽になるでしょう。
 

就活生の理想と実際の初任給には大きな隔たりがあり奨学金の返済はなかなか大変

就活生の理想的な初任給と実際の初任給には大きく隔たりがある状態です。また、実際の初任給は額面通りの金額がもらえるわけではなく、額面月収から税金や社会保険料が控除されるため、手取りは額面月収の約80%にとどまります。新社会人で一人暮らしをする場合、日々の暮らしに精いっぱいで貯金がなかなかできない状態となり、その中で奨学金を返済していくのは決して楽ではありません。
 

出典

株式会社ライボ 2023年 就活実態調査

厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給

総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2022年

労働者福祉中央協議会 「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査」調査結果の要約

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【PR】子どもの教育費はいくらかかるの?かんたん30秒でシミュレーション

ライターさん募集