25歳の娘から「月の手取りが18万円で、奨学金を返済できない!」と言われました。返済額は「月2万円」なのですが、親が代わりに払っている家庭はどの程度あるのでしょうか?
配信日: 2025.02.20

そこで今回は、本人以外が返済している割合や、奨学金の返済を本人以外が行っても問題がないのかなどについて紹介します。奨学金を検討している方、返済に困っている方はぜひ最後までご覧ください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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34歳以下単身女性の収入相場
総務省統計局が公表している2023年度家計調査によると、単身勤労者世帯の34歳以下女性の経常収入平均は30万8209円です。そのうち、勤め先収入は30万2809円となっています。
年収1000万円以下の方の手取り額は、額面給与の70%から80%程度とされています。賞与を除く毎月の額面金額を仮に25万円とした場合、1ヶ月の手取り額はおよそ17万5000円〜20万円です。
また、統計局の調査はあくまでも34歳以下の単身勤労世帯女性の平均値です。新卒社会人だったり年齢が低かったり経験年数が短かったりすると、平均を下回る可能性がある点には注意が必要です。
奨学金の種類
主な奨学金制度は表1にある6種類です。それぞれ簡単にご紹介します。
表1
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金 | 経済的な理由によって修学が難しい学生に対し、奨学金を貸与または給付します。 |
地方自治体の奨学金 | 都道府県や市区町村が実施している奨学金制度です。 |
民間企業・個人の奨学金 | 民間企業や個人が実施している奨学金制度です。 |
予約採用型給付奨学金 | 各大学が運営し、入学試験の前に予約する奨学金です。 |
学校独自の奨学金 | 専門学校などが独自で実施している奨学金制度です。 |
奨学生入試 | 大学入試の成績を基準に経済的理由に困難な学生に対して実施する奨学金です。 |
※筆者作成
また、奨学金には大きく2つの種類があります。
1つ目は、返済不要の給付奨学金です。世帯収入や資産の要件を満たしていれば誰でも受けられます。ただし、本当に学ぶ意欲があるかどうかを、学校の成績やレポートなどによって定期的にチェックされる点に注意が必要です。
2つ目は、返済の必要がある貸与奨学金です。貸与奨学金には利子の付かない第一種奨学金と、利子の付く第二種奨学金が存在します。それぞれにおいて、貸与月額、申込資格、学力、家計基準が定められています。
奨学金の返済を本人以外が行っている割合
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が実施している奨学金の返還者に関する調査の結果をご紹介します。令和4年度の同調査による奨学金の返済者の内訳は表2の通りです。
表2
区分 | 延滞者 | 無延滞者 | ||
---|---|---|---|---|
人数 | 比率 | 人数 | 比率 | |
本人 | 1253人 | 78.8% | 1208人 | 85.4% |
親 | 283人 | 17.8% | 178人 | 12.6% |
その他 | 55人 | 3.5% | 28人 | 2.0% |
合計 | 1591人 | 100% | 1414人 | 100% |
出典:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「令和4年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」より筆者作成
奨学金を本人以外が返済している割合は無延滞者で約15%、延滞者で約21%です。
奨学金の返済を本人以外が行っている割合は15%~21%程度
奨学金は本人の収入など環境を考慮して返済期間の延長が可能です。利子が生じる奨学金の場合は、延長するとそれだけ利子は増えますが毎月の返済額は減らせます。
自分での返済が困難になった場合は、延長するか家族に援助を求めるかを個々人の家庭環境に合わせて選択することになります。家族で話し合って決めましょう。
出典
総務省統計局 家計調査 家計収支編 2023年 表番号2
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度奨学金の返還者に関する属性調査結果(12ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー