マイナ保険証の「登録解除」が増えているそうです。「紙の保険証」に戻すと医療費は高くなりますか?

配信日: 2025.04.26

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マイナ保険証の「登録解除」が増えているそうです。「紙の保険証」に戻すと医療費は高くなりますか?
紙の保険証からマイナ保険証への移行が進んでいる中、マイナ保険証の登録解除が増えているといわれています。紙の保険証に戻すと医療費が高くなるのでしょうか。
 
本記事では、マイナ保険証の登録解除が増えた理由や紙の保険証との医療費の違いなどを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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2024年10月末から12月末までで4万5000人以上が「登録解除」を申請

全国保険医団体連合会によると、厚生労働省は2024年10月末~12月末の2ヶ月ほどで4万5214人が登録解除を申請していると発表しています。2024年10月28日~11月30日までの解除申請件数が1万3147件、同年12月1日~12月31日までが3万2067件ということです。
 

「マイナ保険証」の「登録解除」が増えた理由

マイナ保険証の登録解除が増えた理由として以下の3点が挙げられます。
 

・マイナ保険証に不安がある

マイナ保険証を利用するうえで、個人情報やセキュリティーに不安を感じる人もいるかもしれません。医療情報のデジタル化により情報漏えいのリスクが高まる、システム障害により受付が通らなくなるなどの懸念から、マイナ保険証の登録解除が増えています。
 

・資格確認証がほしい

資格確認証とは、マイナンバーカードを所有していない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人が医療機関で保険診療を受ける際に提示する書類です。
 
マイナ保険証を登録解除すると資格確認証が発行され、紙の保険証と同じように使えます。そのため、マイナ保険証に不安を感じる人や家族の分を代理で使いたいといった人から資格確認証を求める声が上がっています。
 

・高齢者施設で預かってもらえない

健康保険証は基本的に自分が管理するものですが、介護・福祉の高齢者施設では本人の状況に応じて施設側が代わりに管理するケースも少なくありません。
 
しかし、不正利用や情報漏えいの懸念、マイナンバーや暗証番号の管理の難しさなどから、マイナ保険証を預からない方針を出している高齢者施設もあります。一方、資格確認証であれば預かる高齢者施設もあるため、登録解除が増えているのです。
 

「マイナ保険証」も「紙の保険証」も医療費は同額

厚生労働省の資料によると、2024年12月1日以前は紙の保険証を使った場合、初診は3点(30円)が、再診は2点(20円)が加算されていました。
 
しかし、医療情報取得加算が見直され、紙の保険証の新規発行が終了する2024年12月2日からは一律1点(10円)になります。そのため、現在はマイナ保険証・紙の保険証のどちらを利用しても医療費は同額です。
 

「高額療養費制度」を利用するとき「マイナ保険証」を使用すると限度額を超える支払いが免除される

高額療養費制度とは、1ヶ月あたりにかかった医療費が自己負担上限額を超えた場合、超過した分が支給される制度です。マイナ保険証が導入されるまで、窓口負担を上限額に抑える場合は、事前に限度額適用認定証を申請しておく必要がありました。
 
しかし、オンライン資格確認を導入している医療機関でマイナ保険証を利用すれば、限度額適用認定証がなくても限度額を超える支払いが免除されるようです。そのため、高額な費用を一時的に支払う必要はないでしょう。
 

まとめ

マイナ保険証に不安を抱えていることや資格確認証が欲しいことから、マイナ保険証の登録解除が増加しています。厚生労働省によると、2024年10月末~12月末で4万5000人以上が登録解除を申請しているとのことです。
 
一方、マイナ保険証でも紙の保険証でも医療費に差はありません。高額療養費制度を利用するときは、マイナ保険証であれば窓口負担を上限額に抑えられるというメリットがあります。仕組みや制度を理解したうえで、利用するのがいいかもしれません。
 

出典

厚生労働省 医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて(3ページ)
全国保険医団体連合会 マイナ保険証解除 2カ月で4万5214人が解除申請 前月から2.4倍に
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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