更新日: 2020.05.13 その他暮らし

10万円給付、みんなは何に使う?7万円以上は生活維持費に消えていく?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

10万円給付、みんなは何に使う?7万円以上は生活維持費に消えていく?
政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策として、全国民を対象に「特別定額給付金」として一律10万円を支給することを発表しました。
 
4月27日時点で住民基本台帳に記載されたすべての国民が対象で、国籍は問わず、3ヶ月を超える在留資格などを持ち、住民票を届け出ている外国人も対象となります。(※1)
 
多くの人にとって1人10万円の給付金はありがたいと思われますが、はたしてこれで足りるのでしょうか。また、この施策でみんながお金を使うようになり、経済は回るようになるのでしょうか。
 
株式会社プラスワンは、10万円給付の使い道について事前アンケートを実施しました(※2)。それでは、結果を見ていきましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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10万円の給付金のうち4分の3は生活維持に。経済効果はあまり期待できない?

はじめに「一律10万円の給付金をどのように使いますか?その内訳を教えてください。」と尋ねました。10万円のうち、最も大きな割合を占めたのは「貯蓄・ローンの返済」で、3万1937円でした。
 
次いで「自粛期間中の食費」が2万1144円、「家賃の支払い」が1万3377円で、このような”生活維持費”の合計は7万5543円となりました。
 
一方で、「自粛期間中の娯楽費」「欲しかった高額商品の購入消費」といった”消費”の合計は2万4457円であり、10万円のうち4分の3が”生活維持費”として使われることになります。経済対策としての給付金ですが、これでは充分な経済効果が得られないのではないでしょうか。
 
10万円すべてを1つの出費に充てる人のうち最も多いのが「貯蓄・ローン返済」で、全体の18.0%でした。また、給付金の半額以上を「貯蓄・ローン返済」に充てる人は全体の33.1%でした。
 
外出自粛の影響や、一部業種に対する営業自粛要請が続き、多くの企業で業績悪化が懸念されており、働く人も収入ダウンの可能性があります。そのため、給付金は少しでも貯蓄に回したり、ローンの返済に充てたいと考える人が多いのではないかと推察されます。

1人10万円の給付でも少ないという人が4割近く

「国民1人あたり一律10万円の現金給付の金額は充分だと思いますか?少ないと思いますか?」と尋ねたところ、「充分」(11.5%)と「やや充分」(13.5%)を合わせて25.0%が充分と回答。一方で、「少ない」(19.4%)「やや少ない」(18.5%)と、37.9%が少ないと回答しました。
 
飲食業など自粛要請対象の業種の場合、大幅に収入減となっていると思われ、1人10万円の給付があっても不十分である人が多いということでしょう。
 
また、対象外の業種に勤務していても収入減となったり、今は外出自粛で食費や日用品以外の消費に回そうと思えない人が多いのではないでしょうか。

収入激減世帯に30万円給付より、国民1人10万円給付が圧倒的に支持されている

「収入激減世帯に30万円の給付か、国民1人あたり一律10万円の給付 あなたはどちらの支援を支持しますか?」と尋ねました。すると、「国民1人あたり一律10万円の給付」が79.3%で「収入激減世帯に30万円の給付」の6.7%を圧倒的に上回りました。
 
一律10万円給付を支持する人たちの意見としては、「平等・公平」、「わかりやすくスピーディー」という意見が多く見られました。ただし、「本当に困っている人に対して充分なお金がいきわたるのか」と懸念する意見もありました。
 
最後に、「収入が激減した場合、銀行や消費者金融の無担保貸付を利用する考えはありますか?」と質問しました。その結果は「利用しない」が74.3%、「利用を検討する」は19.4%、「利用する」が6.3%と、25.7%が銀行や消費者金融の無担保貸付を利用・検討すると回答しています。
 
以上の結果から、10万円の給付金はありがたく思っているとは思われますが、目先の不安や外出自粛で使うことがないため、消費が回るかは疑わしいようです。
 
しかし、経済を回さないと結果的にみんなが困ります。コロナ疲れとともに、暖かくなって外出したくなる気持ちもわからなくもないですが、早く元の経済に戻すためにも今は外出を控え、一日も早くコロナを収束させましょう。
 
出典
※1 総務省自治財政局財政課 令和2年度補正予算(第1号)の変更について
※2 株式会社プラスワン「10万円給付の使い道に関するアンケート」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部


 

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