住宅ローン控除に必要な、年末残高証明書。どういった方法で、いつ送られてくる？

毎年、年末時点の住宅ローンの残高に応じた控除を受けられる住宅ローン控除ですが、その適用には「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」（以下、年末残高証明書）と呼ばれる書類が必須となります。
 
住宅ローン控除の適用を受けられないということがないよう、年末残高証明書について理解しておきたいところです。

年末残高証明書とは

住宅ローンの年末残高証明書とは、年末時点での住宅ローンの残高を証明する書類であり、住宅ローン控除の適用を受ける際の確定申告や年末調整において添付書類となるものです。年末残高証明書には下記のような内容が記載されています。
 

　★★タイトル　

• ★ローンを借り入れている人の氏名や住所
• ★借入金の内訳
• ★借入時の残高
• ★年末時点での残高
• ★償還期間

など

 
金融機関によって若干異なることもありますが、基本的には同じような内容が記載されています。
 

年末残高証明書はいつ頃、どういった形式で送られてくる？

年末残高証明書は基本的に普通郵便（親展扱い）にて、はがきまたは封書の形式で送られてきます。金融機関や契約時期によっても異なりますが、確定申告での手続きが必要な住宅ローン控除1年目であれば、その年の10月から翌年2月までの間に届くことが多いようです。
 
給与所得者の場合は年末調整での手続きとなる2年目以降については、10月から12月頃に届くというのが一般的です。
 
ただし、年末残高証明書が届く時期は金融機関によって異なるため、必ず住宅ローンを借り入れた金融機関に確認するようにしてください。なお、金融機関によっては年末残高証明書をインターネット上で確認および印刷することもできるようです。
 

年末残高証明書を紛失してしまったら？

年末残高証明書を紛失してしまった場合、速やかに金融機関に連絡し、再発行してもらうべきです。年末残高証明書の再発行は即日というわけにはいかず、到着までに1週間から10日程度かかることも珍しくありません。年末残高証明書は住宅ローン控除の適用に必須の書類です。
 
しっかりと保管しておき、もし紛失したことが発覚したら速やかに再発行の手続きをしましょう。
 

繰り上げ返済をしたら再発行が必要な場合も

年末残高証明書の発行後、実際の年末時点の残高と残高証明書の金額が異なるという状況が起こるケースがあります。例えば、住宅ローンの繰り上げ返済をする場合です。
 
繰り上げ返済をする場合、あらためて金融機関から繰り上げ返済の内容が反映された年末残高証明書が送られてくるのですが、予定どおりに繰り上げ返済をすることができないときもあるでしょう。そうすると、年末残高証明書上のローン残高と実際のローン残高に矛盾が生じます。
 
こういった場合、実際のローン残高に合わせた年末残高証明書が必要になるのですが、金融機関によっては自動で新しい年末残高証明書が発行されず、再発行の手続きが必要となることもあります。
 

残高証明書が届かないときはどうすればいい？

年末残高証明書が一向に届かない場合は、年末残高証明書の送付先の住所が現在の住所となっているか金融機関へ確認してください。住宅ローンの借入後は、新居に移り住んだものの住所変更の手続きをしていなかったために届かないという例が多くあります。
 
年末残高証明書がいつ頃届くのか、あらかじめ金融機関に確認しておき、その期間になっても届かない場合は速やかに問い合わせるといいでしょう。
 

年末残高証明書は住宅ローン控除の適用に必須の書類です

年末残高証明書は、年末時点での住宅ローンの残高などが記載された書類であり、住宅ローン控除の適用において必須となる書類です。
 
万が一、紛失してしまっても再発行が可能ですが、手元に届くまでには時間がかかります。年末残高証明書は厳重に保管するとともに、紛失に気づいたら速やかに再発行の手続きをとるようにしてください。
 
出典
三井住友銀行　住宅ローン残高証明書
千葉銀行　よくあるご質問
 
執筆者：柘植輝
行政書士