最終更新日: 2021.04.13 公開日: 2021.04.14
ローン

年収1000万円だと住宅ローンはどれくらい借りられる?

執筆者 : 新井智美

年収1000万円の方が住宅を購入する際、住宅ローンでどのくらいの借り入れが可能なのでしょうか? 詳しく見てみましょう。
新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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年収1000万円の平均的な住宅ローンの借入額は?

住宅ローンの借入額を求める際に必要となるのが、総返済負担率です。
 
総返済負担率とは、年収に対する年間の住宅ローンやそのほかのローン全体における返済額の割合です。住宅金融支援機構の資料によると、返済負担率を15~20%としている割合が最も多いことが分かっています。
(参考:住宅支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2020年11月調査)」(※1))
 

■総返済負担率からみる借入額

総返済負担率からみる借入額はどのくらいになるのでしょうか。返済期間を35年とし、総返済負担率を15%と仮定した場合と、20%と仮定した場合の、それぞれの金額を見てみましょう。
 

※借入金利1%、返済方法は元利均等返済として計算、ボーナス返済なし
(三井住友銀行「新規借り入れシミュレーション(※2)」を利用して試算)
 

■年収1000万円の住宅ローンの借入限度額は?

一般の金融機関において、年収1000万円に対する借入限度額はどのようになっているのでしょうか。複数の金融機関の公式サイトにてシミュレーションしてみた結果は以下のとおりです。適用される金利によっても異なることから、シミュレーション結果における最高額を表示しています。
 

(借入期間は35年、住宅ローン以外の返済なし、返済方法は元利均等返済方式を適用、ボーナス返済なし)
 

年収1000万円の実際の手取り額は?

年収1000万円とは、税金が引かれる前の数字です。毎月の返済額を考えるのであれば、社会保険料や税金などを差し引いた実際の手取金額がいくらになるのかを把握する必要があります。また、家族のライフイベント等の収支のバランスも併せて考えなくてはなりません。
 
実際に社会保険料や税金などで引かれる割合は、年収の30%程度といわれています。ということは、年収1000万円の手取り額は700万円となり、賞与額が4ヶ月分と仮定すると、毎月の手取り額は約43万円ということになります。
 
前述の総返済負担率から返済額を考えると、単純に43万円の収入のうち、毎月12万から16万円の返済が可能ということになるのでしょうか。独身であれば可能かもしれませんが、家族がいればその分食費や光熱費などの住居費もかかりますし、子どもの教育費用等も考慮したうえで、どのくらいの返済額が妥当なのかを考えていく必要があります。
 

年収1000万円台、40代で住宅ローンを組む際の注意点

ここまでの試算結果は、返済期間を35年と仮定した場合の数値です。したがって、40代で住宅ローンを組む場合は、いくら年収が多いとはいえ、以下の点に気をつける必要があります。
 

■完済時年齢

もし、40歳で35年ローンを組んだ場合、完済時の年齢は75歳です。会社員の場合は勤めている会社を退職しているかもしれません。45歳であれば80歳となり、住宅ローンを借り入れするための条件として大半の金融機関が設定している「80歳以下」という完済年齢のギリギリとなります。
 
借り入れを行う前に、自身が何歳でリタイアするのかを考える必要があります。公的年金を受給できる65歳まで働くのか、それとも70歳まで働くのか。
 
逆に60歳になった時点で退職するのかによって、老後の生活費も考えなければなりません。40歳以降で住宅ローンを組む際には、退職までには住宅ローンを完済するという前提で借入期間を設定することをおすすめします。
 
ちなみに年収1000万円で総返済負担率を20%(約16万円)と仮定し、1%の金利で借り入れした場合の返済期間別の借入可能額は以下のとおりです。
 

(三井住友銀行「新規借り入れシミュレーション(※2)」を利用して試算)
 

■健康状態

住宅ローンを申し込む際には、団体信用生命保険への加入が義務付けられています。40代に入ると、生活習慣病のリスクが高くなるといわれていることから、住宅ローン申込時の体況によっては団体信用生命保険へ加入できず、審査に通らない可能性があります。
 
もちろん、持病があっても加入できる団体信用生命保険のプランを用意している金融機関もありますし、それでも難しい場合はフラット35を利用するという選択肢もあります。しかし、いずれにしても健康体であることと比べると借入時の金利が高くなることがありますので、注意が必要です。
 

借入可能額と返済可能額は異なる

リクルート住まいカンパニーの発表によると、新築マンションの平均購入価格は5538万円で、2001年以降で最も高くなっています。さらに、「6000万円以上」が33%、「5000~6000万円未満」が23%で、5000万円以上が全体の55%を占めていることも見逃せません。
(参考:リクルート住まいカンパニー「2020年首都圏新築マンション契約者動向調査」(※3)
 
住宅購入の際には、物件の購入費用以外に、住宅ローンを組む時の手数料など諸費用がかかります。また、戸建てでもマンションでも、購入後の固定資産税の支払いや修繕費用の積立など、さまざまな支出があります。
 
年収が多ければ借入可能額は大きくなりますが、借入可能額が実際に返済を続けていける金額とイコールではありません。住宅ローンを組む際には、余裕をもって返済していける額がどのくらいなのかをよく考えて、無理のない返済プランを立てるようにしましょう。
 

まとめ

借入額を決めるポイントは、総返済負担率と返済期間、そして家計とのバランスです。また、今後もその年収が続いていく保証はありません。借入可能限度額と実際に余裕をもって返済できる借入額は別物であるという意識を持って、無理なく返済できる住宅ローン・ローンプランを選ぶことが大切です。そして、余剰資金で貯蓄や運用を行い、子育て資金や老後資金の準備を行うことも忘れないようにしてください。
 
(※1)住宅支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2020年11月調査)」
(※2)三井住友銀行「新規借り入れシミュレーション」
(※3)リクルート住まいカンパニー「2020年首都圏新築マンション契約者動向調査」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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