最終更新日: 2019.09.03 公開日: 2018.05.01
老後

ハッピーセカンドライフを考えて早期退職を意識した時に留意しておきたいこと(後編)

執筆者 : 上野慎一

前編では、「人生100年時代」の世の状況をざっとおさらいしました。そうした潮流の中でも、早期退職してセカンドライフを長く楽しもうと考えるようになった時に留意しておきたいことを、少し掘り下げてみましょう。

 
上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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1.生涯収入が減る

前編でも触れましたが、夫婦2人で老後生活を送るうえで必要と考えられている金額は経済的にゆとりのあるレベルでは月額34.9万円といわれ、年額420万円として、25年で1億500万円、30年で1億2600万円もの金額です。
 
そうした中、早期退職すると次のような収入は確実に減ることになります。
 
◇定年あるいは再雇用期限まで働いた場合に得られた給与・賞与がゼロに
◇勤続年数が短くなった分、退職金や厚生年金が減額
 
早期退職支援制度が適用されて割増退職金が支給されるような場合でも、これらの減額分総計のどこまでがカバーされるかは、ケース・バイ・ケースでしょう。
 

2.公的年金保険料の負担は

厚生年金は早期退職した時に(その後再就職しなければ)加入期間が早めに終わるだけですが、国民年金は早期退職した場合でも60歳までは第1号被保険者として保険料(2018年度で月額1万6340円)を納付することになります。
 
さらに、妻が第3号被保険者(会社や役所に勤める厚生年金加入者[=第2号被保険者]に扶養される配偶者)だった場合は夫とともに第1号被保険者となるため、夫の在職中は負担のなかった保険料納付が60歳まで必要です。
 
早期退職時に夫55歳、妻53歳と仮定して、保険料の変動や前納割引は考慮せずに2018年度保険料で単純試算すると、60歳までに納付すべき保険料は夫婦合計で230万円を超える金額となります。
 

3.健康保険料の負担は

会社が保険料を折半負担してくれて、かつ夫の年収をベースに扶養家族も含めた保険料が計算されていた健康保険も様変わりします。
 
退職後2年間はそれまでの健康保険組合に継続加入できる制度がありますが、保険料は(上限はあるものの)全額自己負担となります。サラリーマン時代よりも負担増となる人もいるでしょう。
 
そして継続期間が終われば国民健康保険に加入しますが、健康保険組合時代には手厚かったかもしれない人間ドック補助などもなくなります。
 
早期退職してリタイアする場合、国民健康保険に移る時期も当然早まるわけです。
 
国民健康保険料は、自治体によってバラつきがありますが、例えば東京都世田谷区では次のように計算されます。
 


 
サラリーマン時代は給与明細の一角の健康保険料(本人負担額)をあまり注視しなかった人も多いかもしれませんが、国民健康保険料は上記のように複雑です。
 
均等割という形で扶養家族分も保険料負担が必要であり、保険料区分の中身を見ると本人と家族のただいま現在の医療以外の負担もしていることを改めて知らされます。
 
夫婦2人(40~60歳)世帯で賦課基準額400万円と仮定すると、年間の保険料総額は約58万円にもなります。
 
肌感覚で「ずいぶん高いな」と思う人も少なくないでしょう。長寿高齢化の進展などによって医療を含めた社会保障制度の財政面も悪化する一方なので、国民健康保険料の負担は今後さらに増大する可能性も否定できません。
 

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まとめ

早期退職を考えた時、上記の3点はまず頭に入れておくべきです。60歳定年の人が55歳で早期退職した場合に公的年金減収と国民年金保険料負担増だけで約640万円との試算を目にしたこともあります。
 
早期退職時とその後の収入、本人および扶養家族の年齢、所属会社の早期退職支援制度の有無や内容など個別性がとても大きいですが、3点による収入減と負担増を(必要に応じて専門家の手も借りて)数量化して検証することも一考でしょう。
 
人生は、必ずしも数字面の損得計算だけで判断できるものではないでしょうが、【早期退職によって早めに得られる、時間や精神面の自由】と【上記の3点などによる生涯ベースでの収入減と負担増】を比較して、何となくモヤモヤと考えている早期退職のことを冷静に見つめなおすのは意義あることだと思います。
 
Text:上野 慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士,不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー

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