最終更新日:2019.03.27 公開日:2018.06.22
老後

独身男性諸君!老後を生き抜くために必要なお金はいくらか計算したことありますか?

結婚をしないで独身で暮らす人のことを「おひとりさま」と呼ぶことがあります。
 
「おひとりさま」と言えば女性が取り上げられることが多く、実際に筆者をはじめFPに相談に来られる「おひとりさま」も女性が大半です。
 
男性にも「おひとりさま」はいるはずですが、女性に比べて収入が高いことが多く、あまり心配ごとはないのかもしれません。
 
この記事では独身の男性に焦点をあてて、老後を生き抜くために必要なお金について考えてみます。
 

独身男性が老後を生き抜くための支出の目安は?

老後を生き抜くために必要なお金については、テレビや雑誌などを通じてさまざまな金額が出回っています。これらの金額は夫婦2人分の金額であることが多く、独身の人にそのまま当てはめることはできません。
 
老後のためにいくらあれば安心できるかは、現在と今後の暮らしぶりによって大きく左右されますが、基本的には老後に予想される支出と収入をもとに考えていきます。
 
まず、老後に必要な支出の目安を、総務省の家計調査の結果をもとに試算してみます。
 
総務省が2017年に実施した家計調査によると、60歳以上の単身世帯の月平均支出額は、約15万円でした(税金・社会保険料を除く)。
 
月々の15万円を年間にすると180万円。退職を65歳と仮定して、そこから男性の平均寿命80歳までの支出額を計算すると、15年間で2700万円になります。この2700万円が、独身男性が老後に必要な支出の一応の目安となります。
 
ただし、家計調査の平均支出を細かく見ると、住居費が約1万5000円とかなり低くなっています。これは、調査対象のうち80.4%の人が持ち家に住んでいるからです。
 
もし賃貸住宅に住み続ける場合は、住居費を多く見積もる必要があります。仮に家賃が6万5000円の賃貸住宅に住み続けるとすれば住居費の平均値との差額は5万円であり、5万円×12カ月×15年=900万円が追加で必要になります。
 
参考資料:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―」
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/index.html
 

独身男性の老後の収入の目安は?

続いて、老後に予想される収入の目安について考えてみます。老後の収入の柱は「公的年金」と働いて得る収入ですが、ここでは公的年金に絞って試算してみます。
 
老後にもらえる年金には国民年金と厚生年金の2種類があり、それぞれ保険料を納めていた期間によって年金の額が変わります。また、厚生年金は会社員や公務員だった人がもらえるもので、年金の額は平均の年収をもとに決まります。
 
例えば、勤続年数が40年で平均月収が30万円の会社員の場合では、65歳から国民年金と厚生年金をあわせて年間約156万円(月額約13万円)がもらえます(2017年時点の支給額をもとに試算)。
 
このうち税金や社会保険料として10%を引いた約140万円を、収入のうち自分のために使える部分とします。年金の支給が始まる65歳から男性の平均寿命80歳までの15年分である2100万円が、公的年金による収入の一応の目安となります。
 
独身男性が老後を生き抜くためには、先ほど試算した支出(持ち家:2700万円、賃貸:3600万円)から、老後に見込まれる収入(2100万円)を引いた金額を準備しておけばよいと計算できます。
 
しかし、ここで試算した金額はさまざまな仮定を置いた結果であり、実際の支出や収入の金額はあなた自身の暮らしぶりやお勤めの状況によって大きく変わってきます。
 
物価の上昇率や社会保障の制度など、今の段階では正確に見通せない要素もあります。
 
また「人生100年時代」とも言われるように、これからは平均寿命の80歳ではなく100歳まで生きる可能性もあると考えて収支を見積もる必要がありそうです。
 
あなた自身が老後にいくら必要かについては、これらの数値を参考にご自身の状況を考慮して計算してみてください。
 

>>老後にまとまったお金が必要!そんな時の解決策は?

老後を生き抜くためにお金以外に大切な要素

ここまでお金の話をしてきましたが、独身男性が老後を生き抜くためにはお金以外にも大切な要素があります。それは、困ったときにSOSを出すという姿勢です。
 
男性は女性に比べて職場で過ごしてきた時間が長いため、職場を通じた縦のコミュニケーションはあっても、近所づきあいや友達といった横のコミュニケーションは希薄になりがちです。
 
さらに、人に頼るのはよくないとか恥ずかしいといった「男の意地」があって、ついつい一人で頑張ってしまいます。頑張れる間はいいのですが、孤立することで状況が深刻になるケースもあります。
 
お金があれば高級老人ホームで手厚いサービスを受けるといった選択肢がありますが、そこまでお金がない場合は、困ったときにSOSを出す姿勢が老後を生き抜くポイントになります。
 
お金づくりだけでなく、ご自身に合った支えを確保することにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
 
Text:藤嶋英臣(ふじしまひでおみ)
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
平成29年度 日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」(大阪)相談員
 
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藤嶋英臣

執筆者:藤嶋英臣(ふじしまひでおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
平成29年度 日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」(大阪)相談員
996年大阪大学経済学部卒業。二度の転職ののち、過労による体調不良から40歳で退職。ファミリーに比べておひとりさま(単身者)のライフプランに関する情報が少ないことを不安に思い、FPを志す。FPの上級資格であるCFP(R)の試験を1年あまりで突破し、2015年大阪市に「はやぶさFP事務所」を開設。
 
自らも単身者であることから、同じ立場で思い悩む方への手助けとなるべく活動中。また、ライターとして各種士業・Webメディア向けに文章コンテンツを多数提供。
1973年生まれ、奈良県出身。



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