更新日: 2019.01.11 介護

将来お世話になるかも知れない高齢者施設の食のこだわり

執筆者 : 松浦建二

将来お世話になるかも知れない高齢者施設の食のこだわり
自分が高齢者になった時、もし高齢者施設に入るなら、どの高齢者施設に入居したいか考える必要があります。そして、入居するために必要な利用料等を準備していかなければなりません。
 
高齢者施設を選ぶポイントはいろいろありますが、毎日おいしい食事ができる環境であることも重要です。
 
業界大手のSOMPOケアグループが食の総合研究開発センターを目指して、「SOMPOケアFOOD LAB」を開設したので見学してきました。
 
松浦建二

Text:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

高齢者の食事は噛む力や飲み込む力に合わせて数種類用意

見学したSOMPOケアFOOD LAB(東京都港区)は、グループ内の有料老人ホーム「SOMPOケア ラヴィーレ」「SOMPOケア そんぽの家」の食事だけでなく、在宅介護用に宅配する食事も含めて、「おいしく食べる」を追求していく食の総合研究開発センターを目指した施設です。
 


見学したSOMPOケアFOOD LAB
 
高齢者の食事に関する課題としては、低栄養と食べる機能の低下が挙げられます。それを防ぐには、一人ひとりの体況にあった食事をすることがとても重要です。
 
高齢者向けの食事には、噛む力や飲み込む力に合わせて数種類の食形態があります。
 

 
言葉で聞いても分かりづらいので実際に食べてみました。
 

写真2 食形態の違いを試食で確認
 
写真2に通常食・軟菜食・ソフト食が並んでいます。見た目は同じとはいえませんが、どれもおいしそうです。
 
左の通常食は普通の鶏肉でおいしかったです。右のソフト食はかなり柔らかく、噛まずに飲み込むことができました。真ん中は硬さも中間で、噛まずに飲み込むのは大変ですが、少し噛んだら飲み込めそうでした。
 

写真3 食形態の違いを試食で確認
 
写真3も通常食・軟菜食・ソフト食が並んでいます。左は肉じゃがです。写真2の料理の時ほど違いは感じませんでした。
 

写真4 できたての状態で提供される食事を試食
 
SOMPOケア ラヴィーレで、実際に提供される通常食(写真4)も試食させてもらいました。総食塩相当量は僅か0.2gで、高血圧の予防にもなります。個人的には、めかじきのカツがおいしかったです。
 
毎日できたての料理を食べられるのは、入居者にとってこのうえない喜びではないでしょうか。
 
筆者はまだ噛む力や飲み込む力も十分にあるので、普通に通常食(常食)を食べたいですが、いつまでもおいしい料理をおいしく食べられる喜びを感じていたいものです。
 

写真5 FOOD LAB内の厨房
 
ライフプランを考えるうえで、高齢になった時の過ごし方はとても重要なポイントです。住み慣れた自宅や子どもたちとの同居を希望する人もいれば、高齢者施設で快適に過ごしたいと考える人もいるでしょう。
 
高齢者施設での生活を希望するのであれば、必要となる入居一時金や月々の利用料を準備しておく必要があります。高齢者施設に入ったあと、自宅をどうするのかも考える必要があります。
 
日本人の平均寿命は伸び続けており、高齢者施設で過ごす人はさらに増えていくでしょうし、過ごす時間も長くなっていくでしょう。誰でも気軽に高齢者施設を利用できる環境が、整っていくことを願っております。
 
Text:松浦 建二(まつうら けんじ)
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

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