最終更新日:2019.01.11 公開日:2018.10.21
老後

「2025年問題」って知ってますか? 超高齢社会に向けて変わっていく医療や介護のしくみ

日本で人口が一番多い団塊(ベビーブーム)の世代が、75歳以上に到達するのが2025年です。
 
年齢が上がることで、認知症高齢者の大幅な増加が予想されています。現状でも医療・介護施設やスタッフ不足が深刻化しており、2025年以降には施設環境がさらに悪化することが想定されています。
 
この対策として、医療・介護施設に入居せず、地域で協力して対応する「地域包括ケアシステム」を2025年までに構築することを、政府は目標としています。
 
認知症予備軍のご両親を抱えている方は、「地域包括ケアシステム」を意識したライフプランを考えておく必要があるでしょう。
 

日本社会の将来リスク【2025年問題】

10年以上前の2006年、厚生労働者で「第1回介護施設等の在り方」が開催され、2025年の超高齢社会における日本社会のリスクが発表されました。
 
現在も重要政策課題の一つとされている【2025年問題】です。日本で一番人口の多い団塊の世代が、2025年には75歳前後になり、高齢者人口が3500万人に達することで認知症高齢者と単身世帯が急増すると予想されました。
 

※図1 厚生労働省「今後の高齢化の進展 ~2025年の超高齢社会像~」
 
介護認定率は75歳を超えると13.7%、80歳を超えると26.9%と3割近くです。2025年から2050年まで、75歳以上の高齢者が約3500万人で推移し、大量の介護者が発生する可能性があります。それと同時に、医療・介護の財源不足や施設不足が予想されています。
 
自分のご両親の年齢を考えて、介護リスクがいつ頃くるかを想定して、ライフプランのリスク要因として把握しておくとよいでしょう。
 

※図2 厚生労働省『厚生労働省地域包括ケアシステム「介護制度を取り巻く状況」』
 

2025年に構築目標の「地域包括ケアシステム」

団塊の世代(約800万人)が75歳以上となる2025年(平成37年)以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。
 
このため、厚生労働省は2025年を目途に、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域全体で支援・サービスを提供できる「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。
 

※図3 首相官邸『未来投資会議 構造改革徹底推進会合「地域包括ケアシステムの構築に向けた取組」』
 
見方を変えれば、医療・介護施設が不足していくため施設への入所ではなく、自宅を中心とした在宅ケアを中心とした政策を進めていくことを意味します。
 
現在でも本人や家族が望んでも病院のベッドがいっぱいで、緊急性がなければ入院まで数か月から半年待ちというケースも多くあります。
 
筆者の父親は2ヶ月間の闘病生活の後、2018年1月に末期がんで亡くなりました。2017年末に病院を移転しなければいけなくなり、次の病院を探しましたが、高い個室料金の部屋だけ空いていて、一般病棟は半年待ちという所ばかりでした。
 

※図4 厚生労働省「平成29年版厚生労働白書 図表7-2-1 地域医療構想による2025年の病床の必要量」
 
厚生労働省の計画では、2015年と比較して2025年までに病院のベッド数を133.1万床から119.1万床と全体で1割減らし、在宅医療を増やしていく予定です。
 
仕事や親と離れて暮らしているなどの関係で施設を希望しなければならないことが想定される場合は、高額な病院の個室費用や介護施設の入居費用を早い内から貯めておく必要があるでしょう。
 
参考資料・出典
 
「今後の高齢化の進展 ~2025年の超高齢社会像~」
厚生労働省地域包括ケアシステム「介護制度を取り巻く状況」
厚生労働省「平成29年版厚生労働白書 図表7-2-1 地域医療構想による2025年の病床の必要量」
※図1厚生労働省「今後の高齢化の進展 ~2025年の超高齢社会像~」の世代別に見た高齢者人口の推移より引用
※図2厚生労働省『厚生労働省地域包括ケアシステム「介護制度を取り巻く状況」』の高齢者人口と要介護認定率より引用
※図3首相官邸『未来投資会議 構造改革徹底推進会合「地域包括ケアシステムの構築に向けた取組」』より引用
※図4厚生労働省「平成29年版厚生労働白書 図表7-2-1 地域医療構想による2025年の病床の必要量」より引用
 
Text:前田 紳詞(まえだ しんじ)
ファイナンシャルプランナー

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前田紳詞

執筆者:前田紳詞(まえだ しんじ)

ファイナンシャルプランナー

日本経済新聞読み方専任講師、ドラッカー学会学会員、前田マネジメント代表、㈱マイビジネスクリエイトオフィス取締役、 NPO法人人財育成支援ネット理事
外資系メーカー、外資系金融機関で勤務後、ファイナンシャルプランナーとして独立。 現在、前田マネジメント代表として企業、金融機関、行政、医療関係機関、研修センター、商工会議所などで講演や研修講師を担当。

幅広い知識や経験を活かし、ファイナンシャルプランナー業務だけでなく人材育成やマーケティングなどのマネジメント研修も行っている。年間講演回数は150回以上。

「教育を通じて人の成長のサポートをする」を理念に、自ら考え行動し人生を豊かにする「ライフマネジメント」の実現を目標に活動している。
http://m-lm.biz



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