最終更新日:2019.04.16 公開日:2018.12.29
老後

元気なうちは現役?シニア世代の就労意識と実状。なぜ働くのか?

「生涯現役、若いモンにはまだまだ負けん」。現代のシニアたちは本当にパワフルですよね。一般的には60歳が定年ですが、そのあとも希望して勤務を継続する人もいますし、転職して別の仕事に就く人もいます。
 
ヤングであれ、ミドルであれ、シニアであれ、元気に働く人の姿をみると、こちらも溌剌としますね。しかしながら、リタイアしたくとも事情により働かざるを得ない人がいるのも現実……。今、シニア世代の就労に対する意識や実状は、どうなっているのでしょう?
 

キャッチ(1):多くのシニアが仕事を続けたいと考えている

内閣府が発表した「平成29年版高齢社会白書」によると、平成28(2016)年の労働力人口は、6673万人だったそうです。
 
労働力人口のうち65~69歳は450万人、70歳以上は336万人。労働力人口総数に占める65歳以上の者の割合は、前年の11.3%から11.8%と上昇しました。昭和55(1980)年からの推移をみても、右肩上がりに増加を続けています。
 
また、「あなたは、何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいですか?」という質問には、現在仕事をしている高齢者の約4割が「働けるうちはいつまでも」と回答したそうです。
 
「70歳くらいまでもしくはそれ以上」の回答とあわせると、約8割が高齢期でも仕事をしていきたいと考えていることが分かります。
 
65~69歳の労働人口は、平成23(2011)年以降、増加の一途を辿っています。シニアの多くが労働にたずさわっていく社会はしばらく続きそうですね。
 

キャッチ(2):シニアが働く理由はお金のためだけじゃない?

では、シニアたちはどんな理由で働いているのでしょう?
 
株式会社大和ネクスト銀行では、全国の働くシニア (60歳~79歳) の男女を対象に、「働くシニアの仕事と生活に関する実態調査」をインターネットリサーチにより実施。1000名の有効サンプルを集計しました。
 
「現在、働いている理由」についての質問では、「日々の生活費のため(56.4%)」という回答が1位に上がりました。次に多かったのが「社会や人との接点のため(45.6%)」。
 
そして、「健康維持のため(44.1%)」、「今後の生活費のため(43.8%)」、「生活にハリがほしいため(35.0%)」と続きました。
 
みなさん、生活費を稼ぐ以外にも、人生を充実させるために働いていることが分かります。これをみて、「高齢者になっても生活費のために、あくせく働かねばならないのか……」と不安になる方もいるかもしれません。
 
しかし、男女別・年代別にみると、70代男性では「健康維持のため」が64.1%と最も多く、70代女性では「生活にハリがほしいため」の 51.9%が最も多い回答となりました。
 
また、「仕事が好きなため」 (46.2%) 、「自分を成長させるため」 (21.7%)などの回答にも、多くの票が集まりました。生きていくだけで精一杯どころか、充実したシニアライフを過ごすために働いていることがよく分かりますね。
 

キャッチ(3):働くシニアの手取り額の平均は22.1万円

続いて気になる「手取り」のお話です。
 
同アンケートによると、働くシニアの手取り額の平均は22.1万円/月。目標額については平均で28.4万円でした。差額はマイナス6.3万円。なかなか理想と現実が合致しない部分もあるようです。
 
また、「1カ月あたりの支出」を聞いてみたところ、「生活費」に関しては「5万円~10万円未満」が27.4%と、最も多い回答となりました。
 
次いで「10万円~15万円未満」(19.4%)。「15万円~20万円未満」(15.9%)、「20万円~30万円未満」(14.9%)と続きました。全体の平均は15.0万円でした。
 
「1カ月のおこづかい(自由に使えるお金)」は、「3万円~5万円未満」が最多回答。男女別にみてみると、男性は平均4.3万円、女性は平均2.7万円。全体の平均は3.5万円だったそうです。
 
若い世代の人たちも、今から将来の生活費を予想しておくほうが良いかもしれません。「自分が70歳になったとき、月収10万円を目指すにはどうしたらいいのか?」「おこづかいが3万円じゃ絶対足りない!じゃあどうやって増やそうか?」などなど。
 
シニアになっても稼いでいたいと思うのであれば、安定的に仕事が得られるように資格を取るもよし、支払いに追われないための貯蓄を考えるもよし。将来、お金に困ることだけは避けたいものです。
 

キャッチ(4):シニアにもおすすめの新しい働き方

では、シニアたちはどのような働き方をしているのでしょう。いくら仕事を続けたいと思っても、肉体は衰え、体力は落ちるもの。高齢になってから新しい資格や技術を身につけるのも難しい…。
 
そんなときに注目したいのが「クラウドソーシング」です。「クラウドソーシング」とは、インターネット上で企業が不特定多数の個人に業務を発注すること。近年、注目されている新しい業務形態です。
 
日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」などを運営している株式会社クラウドワークスでは、同サービスへ登録しているシニア世代の利用者に対して「クラウドワークスの利用動向」に関する調査を実施しました。
 
クラウドワークスの登録者数は4万人(2013年6月16日時点)。うち、シニア世代(50歳以上)は2649名で、全体の6.6%を占めるそうです。
 
収入についての調査では、クラウドワークスを利用しているシニア世代の73%が、毎月1万円(年間12万円)以上の収入を得ていることが分かりました。また、34%が毎月20万円(年間240万円)以上を稼いでいるそうです。
 
クラウドワークスを利用しているユーザーのうち、53%がフリーランスとして仕事を受注しており、残りの47%を主夫や主婦などの在宅ワーカー、パートや正社員として働きながらの副業としてクラウドワークスを利用している人が占めています。
 
クラウドソーシングのメリットは、時間や場所を選ばないこと。納期などはありますが、自分の状況にあわせて仕事を選ぶことができます。筆者もフリーランスのライターなのでよく利用するのですが、自宅はもちろん、カフェや図書館などでも仕事ができるのはありがたいことです。
 
すでに資格やスキルを持っている人であれば、それを生かした仕事を探すことができるでしょう。とくに技術がないという人も、データ入力やアンケート回答など、比較的誰にでもできる仕事であれば始めやすいのではないでしょうか。
 
シニアになってから再就職と思うと大変ですが、パートやアルバイトなどで働きつつ、もう半分をクラウドソーシングで稼ぐと考えれば、自分にもできそうな気がします。
 
働き方もずいぶんと多様化しています。いろいろな働き方がある現代では、「仕事とは、こうしなくてはならない」という考えは古いのかもしれません。自分にあったスタイルで、シニアになってからも楽しくお金を稼いでいきたいですね。
 
出典:
内閣府「平成29年版高齢社会白書」 高齢者の就労意欲について
株式会社大和ネクスト銀行「働くシニアの就業実態」 平均月収やおこづかい
株式会社クラウドワークス「シニア世代利用動向調査を実施」 平均収入額など
 
Text:畑 美雪(はた みゆき)
フリーランス・ライター
 
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畑美雪

執筆者:畑美雪(はた みゆき)

フリーライター

雑誌を中心に取材やインタビュー記事を執筆中。
これまでの活動場所:タウン誌「湘南百撰」/情報誌「月刊公募ガイド」/WEBマガジン「カーサミアクラブ」



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