公開日:2019.06.19 老後

金融庁の「2000万円不足」報告書を巡る騒動について振り返る

金融庁の金融審議会がまとめた長寿化による人生100年時代に備えた報告書について、連日メディアでは大きく取り上げられています。95歳まで生きるには年金では不足分が発生し、夫婦で2,000万円の蓄えが必要になると試算されています。
 
具体的には、男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦の場合、年金収入だけでは月に5万円の赤字になるということですが、この報告書について今一度客観的に振り返ってみたいと思います。
 
柴沼直美

執筆者:

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com

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柴沼直美

執筆者:

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
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今の年金制度が成立しないことはみんな認識している

報告書によれば、少子高齢化で年金の給付額の維持が困難だと政府自ら認め、国民の自助努力を求めているわけですが、「今さら感」を抱かれた人も少なからずいると思います。
 
筆者がかつてFP協会主催のプレゼンテーションで引用した数字は、平成22年の生命保険文化センターによる調査報告(「生活保障に関する調査」)でしたが、その当時でも夫婦二人を仮定した場合、ゆとりある生活と標準的な老後生活の月額不足分は約12万円でした。
 
その場に参加された一般の皆様は、この不足額については当然のこととしてとらえ、「ではどうやってその不足分を埋めるか」に対して熱心に情報収集をされていたことを記憶しています。
 
また、今の学生たちも「今ですら、年金受給額は不十分だが、将来の年金も自分たちは全く頼りにならないと覚悟しなければならない」と口にしています。
 
筆者の周りの人たちだけが特別ではないでしょう。むしろ不足額は金融庁の資産額よりも大きいのではないかという「意外感」を抱かれた人の方が多かったのではないでしょうか。
 

危機感を持つことと行動を起こすことは別

危機感を持つだけでは何の意味もなく、危機感を払しょくするために行動を起こさなければならないということです。老後の生活は、始まりはわかっていても、終わり(臨終)はわからないために不足額を埋める金額は老後の期間によって変わります。
 
だからでしょうか。漠然としたもやもやと、周りを見渡して「他人の具体的な行動がわからない」ために、「誰も具体的な行動を起こしていないのではないか」「それなら大丈夫ではないか」と先送りにする理由にしているように思われます。
 

サザエさんが前提ではないことを強く認識するとき

「サザエさん」というタイトルは知っているが、実際に見たことはないと回答する20歳前後の学生は何人もいます。
 
大家族で若年層がシニア層を支える、55歳定年で平均寿命が70歳、年金受給期間が15年間、終身雇用制で一度就労すれば40年間勤めあげるのが大半、というのが1960年代の年金制度の大前提であったことを認識すれば、今は前提がすべて違っているため、制度も機能しないことは明らかです。
 
そう考えれば、自助努力によって資産を育てていかなければならないのは当然、という結論にたどりつかざるを得ません。議論の焦点は「どうやって不足額を埋める努力をすべきか」と思うのは筆者だけではないでしょう。
 
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
 

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