更新日: 2020.12.11 その他老後

年末年始に確認しておきたい。実家の親のお金は大丈夫?

執筆者 : 下中英恵

年末年始に確認しておきたい。実家の親のお金は大丈夫?
年末年始は家族でゆっくり過ごす方も多いと思いますが、実は、お金についての話し合いをする絶好のチャンスです。
 
特に、高齢の親がいる方の場合、怪しい金融商品に投資していないか、老後資金は足りているのかなど、家族が確認しておくべき項目がいくつかあります。
 
今回は、高齢の親と話し合う「お金の話」についてご紹介します。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

生活資金は足りているか

まず、話し合いのきっかけとして、「毎日の生活資金、足りてる?」と親に声をかけてみましょう。仕事を引退している高齢の親の場合、年金と現役時代の貯蓄でやりくりをしている方がほとんどです。年金は定期的に振り込まれますが、それ以外の貯蓄がどのくらいあるのか、無駄使いをしていないか、確認してみましょう。
 
もしも親がお金のやりくりで困っていたら、具体的にいくらくらい不足しているのか毎月の支出などを調べ、節約できるポイントはないかを一緒に考えてあげましょう。
 
例えば、親の携帯電話を格安スマートフォンに切り替えてあげたり、使用していないインターネット回線を解約してあげるなど、高齢の親にとって手続きが面倒なものは手助けしてあげると良いでしょう。
 

お金の運用を行っているか

次に、親が資産運用を行っているかどうか確認します。比較的リスクが少ないといわれている個人向け国債や、インデックスファンドなどの商品で運用している場合は良いのですが、ハイリスクな商品や、仕組みが複雑な商品に投資をしていないかチェックしてあげましょう。
 
もしも運用で大きな損をしていて困っていたら、商品内容を確認して、売却することができないか調べる必要があります。
 
さらに、親が加入している保険についても聞いてみると良いでしょう。2019年には、かんぽ生命の不適切な保険販売が問題となりましたが、高齢者が保険会社の営業員に説得されて、過剰な保障内容の保険に加入してしまっているケースがあります。
 
貯蓄が十分にある高齢者の方は、無理に保険に加入する必要はありません。無駄な保険料を払わなくても良いように、親がどんな保険に入っているのかチェックしてあげましょう。
 

忘れているお金はないか

最後に、親自身も忘れてしまっているお金がないか、一緒に確認してみましょう。例えば、普段の生活で使用していない銀行の口座に残高がないか、過去に資産運用をしていた証券会社に資産が残っていないか、小切手や商品券など、お金と同等の価値がある現物をどこかにしまい込んでいないか、などです。
 
親に万が一のことがあった場合、忘れ去られたこれらの資産を見つけ出すのは大変時間がかかり、大きな手間となります。親が元気なうちに、できるだけ現状を把握し、必要に応じて資産を整理しておくと安心です。
 
いかがだったでしょうか。親とお金の話をするのは気が進まないと考える方はいるかもしれませんが、実は、悪質な犯罪や詐欺などの手口から親のお金を守るためには、お金の話し合いはとても大切です。年末年始の時間を有効に活用して、今回ご紹介した内容を参考にしながら、ぜひ家族でお金の会議をしてみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者


 

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