更新日: 2021.04.05 老後

平均寿命が延びて私たちの働く環境はどうなっている

人生100年時代の到来といわれています。年々、平均寿命は延びており、これからの長い人生をどう生きていくのかが問われるのではないでしょうか。
 
例えば60歳で定年を迎え、退職してリタイア生活となった場合、100歳までは40年もあります。40年はとても長い時間です。年金だけでは生活もままならず、長生きリスクともいえるでしょう。いつまで働くのか、いつから年金を受給するのか、自分で選択する時代となりそうです。
 
※この記事は2021年3月末時点の情報を基に執筆しています。
 
上山由紀子

執筆者:

執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者 鹿児島県出身 現在は宮崎県に在住 独立系ファイナンシャル・プランナーです。
 
企業理念は「地域密着型、宮崎の人の役にたつ活動を行い、宮崎の人を支援すること」 着物も着れるFPです。
 

上山由紀子

執筆者:

執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者 鹿児島県出身 現在は宮崎県に在住 独立系ファイナンシャル・プランナーです。
 
企業理念は「地域密着型、宮崎の人の役にたつ活動を行い、宮崎の人を支援すること」 着物も着れるFPです。
 

平均寿命はどれくらい延びているの?

65歳を迎えた人が特定の年齢まで生存する確率は、世代を経るにつれて高齢側にシフトしている現状があります。2055年に65歳になる1990年生まれの人は、現在の高齢者世代よりも80歳や90歳、100歳まで長生きする確率が高くなるそうです。
 
下の表をご覧ください。2015年時点に65歳を迎えた1950年生まれの人は、すでに男性の3人に1人、女性の5人に3人が90歳まで長生きする見込みです。また、1990年生まれで2055年に65歳となる人は、男性の5人に2人、女性の3人に2人を超える人が90歳まで、さらに女性については5人に1人が100歳まで長生きをする見込みとなっています(※1)。
 


出典:厚生労働省年金局 雇用の変容と年金(主として高齢期の就労と年金に関して)
 

生活スタイル、働き方をどう考える?

皆さんは、漫画「サザエさん」の父である「波平さん」をご存じでしょうか。磯野波平さんの設定年齢は54歳だそうです。1950年頃の東京が舞台になっており、この時代のサラリーマンの定年は55歳なので波平さんは定年間近ということですね。厚生労働省が公表している1950年の男性65歳の平均余命は11.35年です(※2)。55歳で定年してから20年余りの老後を過ごすことになります。
 
定年というと現在では60歳から65歳というイメージがあります。厚生労働省の「令和元年簡易生命表」によると、65歳で定年した場合、その後の平均余命は男性で19.83年です(※3)。波平さんの時代からすると倍近く延びているのが分かります。
 
長生きをすればするほど、老後生活にかかるお金は大きいものになります。現在では時代背景を考えて、高年齢者を雇用する上で以下のようなルールが決められています(※4)。
 

65歳までの雇用機会の確保

(1)60歳以上定年
従業員の定年を定める場合、定年年齢は60歳以上とする必要がある(高年齢者雇用安定法第8条)。
 
(2)高年齢者雇用確保措置
定年年齢を65歳未満に定めている事業主は、雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、「65歳までの定年の引き上げ」、「65歳までの継続雇用制度の導入」、「定年の廃止」のいずれかの措置を実施する必要がある(高年齢者雇用安定法第9条)
 
「継続雇用制度」とは、雇用している高年齢者本人が希望すれば、定年後も引き続き雇用する「再雇用制度」などの制度のことです。改正によって平成25年度以降は、希望者全員を対象とすることが必要となっています。
 
なお、2021年4月1日施行の改正高年齢者雇用安定法の内容については後述します。
 

長く働き、老後生活を短く?

日本では、医療の進歩や健康増進などで平均寿命は延びています。それに対して、高齢期の雇用と年金をめぐる以下の改正が行われてきました。
 

●日本における高齢期の雇用と年金をめぐるこれまでの主な改革(※5)

■1994年改正前
【年金】60歳から厚生年金(定額部分および報酬比例部分)支給
【高年齢者雇用安定法】60歳定年の努力義務(60歳定年の慣行化)
 
■1994年改正
【年金】60歳台前半(特別支給の老齢厚生年金)の定額部分の引き上げ
【高年齢者雇用安定法】60歳定年の義務化。65歳までの継続雇用制度の導入に関する計画の作成指示など
 
■2000年改正
【年金】60歳台前半(特別支給の老齢厚生年金)の報酬比例部分の引き上げ
【高年齢者雇用安定法】65歳までの高年齢者雇用確保措置導入の努力義務化
 
■2004年改正
【年金】2004年財政フレーム
⇒年金制度の持続可能性を給付水準の調整により確保する枠組みの採用
【高年齢者雇用安定法】65歳までの高年齢者雇用確保措置の義務化
 
■2012年改正
【高年齢者雇用安定法】65歳までの希望者全員の継続雇用義務化
 
そして、2021年4月1日からは改正高年齢者雇用安定法が施行されます(※6)。
 
改正の主なポイントは65歳までの雇用確保(義務)に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保する高年齢者就業確保措置として、事業者に対して以下の(1)~(5)のいずれかの措置を講ずる努力義務が新設されています。
 

(1)70歳までの定年引き上げ
(2)定年制の廃止
(3)70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入(特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるにものを含む)
(4)70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
(5)70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
・事業主が自ら実施する社会貢献事業
・事業主が委託、出資(資金提供)などをする団体が行う社会貢献事業

 
未来投資会議(2018年)では、70歳までの就業機会確保の進め方に関する論点も以下のとおり示されています。
 

・人生100年時代を迎え、働く意欲のある高齢者が、その能力を十分に発揮できるように活躍の場を整備すること
・高齢者の希望などに応じた多様な選択肢を許容し、選択できるような仕組みを検討すること

など、時代背景に合わせて今後も改正が進んでいくと考えられます。

 

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まとめ

わが国では高齢化が進み、人生100年時代が訪れていますが、長生きをすると老後資金も多く必要となってきます。そこで高齢者の働き方など、さまざまな選択肢が広がるように改正も進んでいます。
 
公的年金も現在は原則65歳からの受給ですが、60歳から70歳の間で受給開始年齢を選ぶことができます。
 
さらに2022年4月からは、75歳まで年金の受給開始年齢を繰り下げできるようになり、繰り下げをした月数で年金額が増えるような仕組みになっています(※7)。働き方や年金の受給についての制度を知って、自分に合ったものを選べるように、常に情報のアンテナを立てておきましょう。
 
出典
(※1)厚生労働省年金局 雇用の変容と年金(主として高齢期の就労と年金に関して)
(※2)厚生労働省 平均寿命(平均余命の推移)
(※3)厚生労働省 令和元年簡易生命表の概況(主な年齢の平均余命)
(※4)厚生労働省 高年齢者の雇用
(※5)厚生労働省年金局 雇用の変容と年金(高齢期の長期化、就労の拡大・多様化と年金制度)
(※6)厚生労働省 ハローワーク 高年齢者雇用安定法 改正の概要
(※7)厚生労働省 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要
 
執筆者:上山由紀子
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者