更新日: 2021.04.06 老後

国が中小企業の従業員のために作った退職金制度「中退共」って何?

執筆者 : 田久保誠

中退共(中小企業退職金共済)は、国が作った従業員のための退職金制度です。これは、中小・零細企業が単独で退職金制度を持つことが困難である実情を考慮して、中小企業者の相互扶助の精神と国の援助で退職金制度を確立しています。中小企業の従業員の福祉の増進と雇用の安定を図る目的で、昭和34年に国の中小企業対策の一環として制定された「中小企業退職金共済法」に基づき設けられた制度です。
 
令和元年度末時点ですが、加入事業者数は54.85万社、加入被共済者数は570万人です。中小・零細企業の経営者の方で福利厚生を充実させたい、あるいは従業員を確保したいという方だけでなく、ご自身の会社が加入していた場合の手続方法などをご案内します。
 
田久保誠

執筆者:

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

田久保誠

執筆者:

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

加入できる企業、加入させる従業員の条件は

加入できる企業は業種によって異なります。常時雇用する従業員数または資本金額(出資の総額)のいずれかが次の範囲内であれば加入できます。
 

※常用従業員には、1週間の所定労働時間が同じ企業に雇用されている通常の従業員とおおむね同様である者であって、(1)雇用期間の定めのない者、(2)雇用期間が2ヶ月を超えて雇用される者を含みます。
 
従業員については、原則全員加入させることになります。ただし、期間を定めて雇用される者、短時間労働者、季節的業務に雇用される者、休職期間中の者、試みの雇用期間中の者、定年などで短期間内に退職がすることが明らかな者は加入させなくても良いです。また、事業主および小規模企業共済制度の加入者、法人の役員等は加入できません。
 

加入のメリットは?

従業員の方のメリットは、勤労者退職金共済機構から直接振り込まれますので、退職時の会社の業績にかかわらず決まった退職金がもらえることです。受取時には一時払いのほか、分割して受け取ることも可能です。
 
また、転職をした場合でも、転職先の企業が中退ともに加入していれば、ご本人の加入期間に通算できます。もちろん退職金ですので、掛金は全額事業主が負担しますので従業員は一切負担することはありません。
 
雇用者側から見たメリットとして、管理が簡単なことが挙げられます。従業員と同じで、直接勤労者退職金共済機構から退職者の預金口座に振り込まれますので手間がかかりませんし、従業員ごとの納付状況や退職金試算額は、中退共から事業主に通知が行きます。
 
また、法人は損金、個人事業主の場合は経費として全額非課税となり、初めて中退共制度に加入する事業者および掛金月額を増額する事業者には、掛金の一部を国が助成する制度もあります。
 

掛金、退職金額は? 注意点は?

掛金は月額5000円から3万円の範囲(16種類の中)で、従業員ごとに選択できます。また、短時間労働者については2000円から4000円の範囲(3種類)も加えて(計19種類)選択できます。退職金額は、掛金月額と掛金納付月額に応じて法令で定められている金額である基本退職金と、運用利回りが予定運用利回りを上回った場合に、上積みされる付加退職金で構成されています。
 
ただし、掛金の納付が1年未満の場合、退職金は支給されません。また1年以上2年未満の場合は、掛金相当額を下回る額になります。2年以上3年半未満の場合は掛金相当額が退職金額で、3年7ヶ月を超えると掛金相当額を上回る額となります。
 

【PR】今すぐの老後資金にお困りの方へ。おすすめリースバック

セゾンのリースバック

おすすめポイント

  • 安心のクレディセゾングループ!
  • 事務手数料・調査費用・礼金が0円!
  • 最短即日のお見積りも可能、ご契約まで最短2週間。

まとめ

従業員の方が自ら進んで加入できる制度ではありませんが、優秀な人材に長く働いてほしいと考えられている経営者の方は、人材をつなぎ止めるツールの1つとしてこの制度を考えてみるのも良いかもしれませんね。
 
(出典)独立行政法人勤労者退職金共済機構 パンフレット「よくわかる中退共制度」
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表