更新日: 2023.02.02 介護

親の介護費用はどのように賄う? 知らなきゃ損するサポート制度を紹介

親の介護費用はどのように賄う? 知らなきゃ損するサポート制度を紹介
日本は超高齢社会に突入しています。近い将来、自分が親の介護をする日が来るかもしれません。その中で気になることの1つが、介護の費用についてです。
 
本記事では親の介護費用を賄う方法と、そのサポート制度について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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親の介護費用はだれが負担するの?

介護保険サービスを利用した場合、介護事業者に支払う利用料は所得によって異なり、自己負担額は利用料の1~3割になります。
 
この自己負担分は、親の預貯金や年金にて支払うようにしましょう。残りの利用料である7~9割は、国や自治体が支払います。それでも不足が生じるのであれば、不足分のみ、家族が負担するようにするとよいでしょう。
 

介護費用をサポートする制度

介護費用をサポートしてくれる制度を紹介します。介護サービスは制度が複雑なものが多く、自治体によっては扱っていないサービスがあったり、申請方法が異なったりしますので、お住まいの地域の担当課に問い合わせて利用しましょう。
 

高額介護サービス費

介護保険を利用し、1ヶ月あたりの自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻しされる制度です。ただし施設サービスの居住費や食費、特定福祉用具の購入や住宅改修などは対象外なので、注意してください。
 
所得により負担限度額が異なり、図表1のとおりになります。
 
【図表1】
 

 
出典 厚生労働省 高額介護サービス費負担限度額 令和3年8月(最新)
 
利用を考えているのであれば、各自治体窓口で申請しましょう。
 

介護保険負担限度額認定証にて施設で食費・居住費が軽減

介護保険施設への入所や、短期入所(ショートステイ)を利用したときの食費・居住費は原則、全額自己負担になります。
 
その費用が負担になってしまう世帯もあるため、所得や資産が一定額以下であれば、市町村から「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けることで、負担の軽減を受けられるものです。
 
交付については、市町村の介護保険担当課に相談してください。介護支援専門員(ケアマネジャー)が代行してくれる施設もあります。
 

家族介護慰労金

重度の要介護者が介護保険サービスを利用せず、自宅で1年以上にわたり家族の介護を受けていた場合などの条件により、家族に対して一定金額支給される制度です。
 
自治体により、サービス内容や申請方法が異なります(給付条件がやや厳しいため、実施していない自治体もあるようです)。
 
福祉局や介護担当課などに制度の有無を確認しましょう。基本的には他サービスと同様、担当窓口にて申請手続きができます。
 

ホームヘルプサービス等の利用者負担の助成

訪問介護、訪問看護、介護予防訪問看護、夜間対応型訪問介護などの利用者負担額を、1割からさらに軽減する制度です(一定以上の所得がある第1号被保険者は2割または3割)。
 
助成を受けるには条件があり、住民税非課税世帯であることや、生活保護を受けていない、世帯の預貯金や株式などの総額が500万円以下などがあります。申請は各自治体の介護課の窓口にて行いましょう。
 

まとめ

介護費用の支払い方法や費用をサポートする制度について紹介しました。
 
現在の日本は、介護が非常に身近なこととなっています。身体面・経済面どちらも負担が生じますし、利用できる制度も複雑なものが多いです。
 
1人で解決しようとせず、各自治体の相談窓口などに相談し、サービスの利用方法や支払い方法、サポート制度を押さえておきましょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます

厚生労働省 介護保険施設における負担限度額が変わります

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部