最終更新日:2019.06.12 公開日:2019.01.25
年金

在職老齢年金を損しないでもらうポイント

老後の生活を支えてくれるのが年金ですが、健康寿命が延びることにより、年金が貰える年齢になっても働き続ける人は珍しくありません。ここで気になるのが、厚生年金の扱いです。
 
年金を受け取れる年齢になっても厚生年金を支払い続けた場合、年金を受け取りながら年金の支払いも行うという矛盾が生じかねないのです。この問題を解決するのが在職老齢年金で、働きながら年金支給額の調整が行われる仕組みになっています。
 

在職老齢年金とは何?

在職老齢年金とは、年金を受け取れる年齢になっても働き続ける人の年金受取額を調整する制度です。年金は働けなくなった人の生活を支えるものなので、働き続ける人が受け取ってしまうと、制度と理念の問題から矛盾が発生する可能性があります。
 
そのため、働きながら年金を受け取ろうとする場合は、年金の一部、または全額が支給停止される場合があるのです。
 
具体的には、60歳以上で厚生年金に加入して働き続けている場合に適用され、総報酬月額相当額と予定されている年金の基本月額が一定水準を超えた場合に、年金の支給が停止されます。
 
仕事の収入と年金収入の合計が高いほど、年金の一部、あるいは全額の支給停止が行われる可能性が高まるのです。あくまで厚生年金に加入していることが条件で、雇用条件の関係から厚生年金の加入対象から外れる場合は対象外となります。
 

在職老齢年金の計算方法

在職老齢年金は60歳から65歳未満までの区分と、65歳以上の区分で計算方法が分かれます。
 
60歳から65歳未満の区分では、1ヶ月あたりに受け取れる年金(総報酬月額相当額)と月収を合わせた金額が28万円以下の場合は、全額年金を受け取れる仕組みになっています。年金と月収を合わせた金額が28万円を超えた場合は、その金額と割合に応じて年金の支給が停止されるのです。
 
賞与を受け取っている場合は、年間の賞与を12分の1にした金額を月収に加算する仕組みになっていて、制度の関係から「総報酬月額相当額」と呼ばれることがあります。具体的な計算式は、日本年金機構の公式サイトで確認でき、計算式は以下のとおりになっています。
 
計算方法1:基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額―28万円)÷2
条件:総報酬月額相当額が46万円以下で基本月額が28万円以下の場合
 
計算方法2:基本月額-総報酬月額相当額÷2
条件:総報酬月額相当額が46万円以下で基本月額が28万円超の場合
 
計算方法3:基本月額-{(46万円+基本月額―28万円)÷2+(総報酬月額相当額―46万円)}
条件:総報酬月額相当額が46万円超で基本月額が28万円以下の場合
 
計算方法4:基本月額-{46万円÷2+(総報酬月額相当額―46万円)}
条件:総報酬月額相当額が46万円超で基本月額が28万円超の場合
 
数式にするとわかりにくい部分がありますが、年金支給の全額停止が行われるのは、年金支給の必要性がないほどの高年収か、もともと極端に年金支給額が低い人に限られます。年金の未納などがなければ、一部支給停止で済むケースが多いのです。
 
逆に言えば、年金と月収の合計が28万円を超えるようであれば、ごく一部であっても年金は減らされることになります。
 
65歳以上になると計算式が変わり、基本月額と総報酬月額相当額の合計が46万円以下の場合は全額受け取ることができます。年金が一部であっても支給停止されるのは、月の収入が46万円を超えてからになるのです。
 

損しないでもらうポイントは年齢!?

年金を損しないでもらうためには、年齢による計算方法の変化を理解することが大切です。
 
60歳から65歳までは年金と月収の合計が28万円を超えるかどうか、65歳以上は46万円を超えるかどうかで変わってくるからです。また、厚生年金を納め続ければ、将来的に受け取れる年金額が増えるのも覚えておく必要があります。
 
厚生年金に加入しなければ、在職老齢年金の対象にならないのもポイントです。受け取れる年金の金額に合わせ、労働時間を調整する人は珍しくないのです。
 

まとめ

在職老齢年金は貰える年金を増やす制度ではなく、老後も働く人が受け取る年金額を調整する制度です。働きすぎると受け取れる年金が減る恐れがあるため、無理に働かないのも選択肢になっているのです。
 
また、在職老齢年金の基準は年度ごとに見直しが行われることもあるため、毎年確認する意識も大切になってきます。
 
出典
日本年金機構 60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
 

FINANCIAL FIELD編集部

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