2019.02.01 年金

「保険料を払っても、将来もらえない」と言うけれど…本当にそうなのか

国民年金の納付率が上昇してきています。6~7年前は60%を切っていたのが、最近では70%を超えています。それでも、収入が少なくて免除されている人を除いての数値ですので、保険料を払っていない人はまだまだ多くいます。
 
公的な年金を受け取るのは、老後だけとは限りません。一家の働き手が亡くなった場合の遺族年金、病気やケガで障害の状態となった場合に受け取る障害年金もあります。
 
最近は、精神疾患となる人が増えており、障害年金への関心が高まっています。
 

「保険料を払っても、将来もらえない」と言うけれど…

日本に在住している20歳から60歳までの人は、外国籍の人も含め、すべてが国民年金制度に加入しています。
 
会社員など、お勤めの人は給料から天引きされますが、自営業者などは自分で保険料を支払うようになっています。収入が少ない人には免除制度があるものの、基本的に無職の人も対象です。
 
中には、収入がありながらも保険料の支払いをしない人もいます。「支払いを忘れていた」「経済的に支払いが難しい」ということもありますが、あえて支払いをしないケースも少なくありません。
理由を聞くと、「将来、年金をもらえるか分からないから」との答えが返ってきます。年金財政がすぐにでも破たんするのではないかとの報道もあり、こうした不安につながっているようです。
 
しかし、現実には、すぐに破たんが心配される状況ではありません。
(この点については、「実際のところ、年金財政ってすぐにでも財政破たんしてしまうのですか?」  をご覧ください)
 
国民年金保険料を払わない理由として、「預金や生命保険を使って、自分で備えた方がよい」と言う人も多いものです。しかし、国民年金や厚生年金などの国の年金制度は、民間の金融商品や保険商品では太刀打ちできないほど充実した内容になっています。
 
老齢年金を終身で受け取れる、ということもそうですが、障害年金や遺族年金があるという点も大きな魅力です。それは徴収する保険料だけでなく、税金も投入されているためにできることで、民間の商品ではここまでの保障はできません。
 

障害年金を受け取ることができるのは

ここでは、障害年金をみてみましょう。障害年金は、一定の障害がある人が受け取れる年金で、国内在住のすべての人を対象にした障害基礎年金と、厚生年金の加入者が対象になる障害厚生年金があります。
 
年金の支給対象になるには、年金の保険料を払っていることが条件になります。具体的には、障害の原因となった病気やケガについて、初めて診察を受けた日の、前々月までの公的年金の加入期間のうち、保険料の未納が3分の1以下であることが必要です。(それを満たしていない場合でも、初めて診察を受けた日の前々月までの1年間に、保険料の未納がない場合は対象となります)
 
では、どのような障害が対象になるのでしょうか。「病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合」(日本年金機構サイトより)ですが、その要件は病気やケガの種類ごとに詳細に定められています。具体的には、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」というものに記載されています。
 
身体的な障害だけでなく、精神の障害も対象になっています。最近はこれを理由に障害年金を申請する人が増えています。
 
精神の障害と言ってもいろいろありますが、精神疾患のすべてが対象になっているわけではありません。統合失調症、気分(感情)障害などは対象ですが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やパニック障害、適応障害などは対象になっていません。障害の程度によっても異なりますので、詳細については年金事務所にご確認ください。
 
障害年金の申請には、障害の状況を記入する「病歴・就労状況等申立書」、医師の診断書、初めて診察を受けた医療機関に記入してもらう「受信状況等証明書」など、多くの書類が必要となります。
 
障害基礎年金の書類提出先は市区町村役場の窓口となっていますが、まずは年金事務所に相談に行くとよいでしょう。申請手続きを代行できる社会保険労務士に相談するのも、お勧めです。
 
執筆者:村井英一(むらい えいいち)
国際公認投資アナリスト
 
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村井英一

執筆者:村井英一(むらい えいいち)

国際公認投資アナリスト

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本証券アナリスト検定会員
大手証券会社で法人営業、個人営業、投資相談業務を担当。2004年にファイナンシャル・プランナーとして独立し、相談者の立場にたった顧客本位のコンサルタントを行う。特に、ライフプランニング、資産運用、住宅ローンなどを得意分野とする。近年は、ひきこもりや精神障害者家族の生活設計、高齢者介護の問題などに注力している。



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