更新日: 2019.11.22 その他年金

会社員の夫が急逝。高校生の息子と私、どうなるの?家計を助ける制度とは

執筆者 : 大竹麻佐子

会社員の夫が急逝。高校生の息子と私、どうなるの?家計を助ける制度とは
一家を支える夫にもしものことがあったら……。普段は考えもしないし、考えたくもないでしょう。ただし、万に一つは、起こらないとも限りません。悲しい気持ちの中でも残された家族は生きていかなければなりません。せめてお金のことで悩まぬよう、前を向いて進みたいですね。
 
会社員の夫が専業主婦の妻と高校生の子を残して亡くなった場合の生活について考えてみましょう。
 

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大竹麻佐子

執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)

CFP🄬認定者・相続診断士

 
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での業務を経て現在に至る。家計管理に役立つのでは、との思いからAFP取得(2000年)、日本FP協会東京支部主催地域イベントへの参加をきっかけにFP活動開始(2011年)、日本FP協会 「くらしとお金のFP相談室」相談員(2016年)。
 
「目の前にいるその人が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続ける。
 
従業員向け「50代からのライフデザイン」セミナーや個人相談、生活するの観点から学ぶ「お金の基礎知識」講座など開催。
 
2人の男子(高3と小6)の母。品川区在住
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表 https://fp-yumeplan.com/

夫の会社や健康保険から受け取れるお金

葬儀や周囲へのあいさつ、届け出や手続きなど悲しむ間もなかった、何をどこから手を付けてよいのか分からなかった、出費がかさむ中で夫名義の口座から出金できずに困った、という話をよく聞きます。心身ともに大変なときですが、一つひとつ進めていきましょう。
 
まず、埋葬料を健康保険組合から受け取ることができます。規模や規定により異なりますが、5万円程度が一般的のようです。夫の会社から死亡退職金や弔慰金を受け取れる場合もあります。
 
逆に、今まで負担のなかった国民健康保険や国民年金保険は、今後は納付することになりますので忘れずに手続きをしましょう。
 

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お子さまが18歳まで受け取れる遺族基礎年金と遺族厚生年金

年金には、老齢年金、遺族年金、障害年金の3種があります。このうち残された家族が今後の生活のために受け取れるのが「遺族年金」です。さらに、遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった方の年金の納付状況などにより、いずれかもしくは両方が支給されます。
 
会社員の夫は、会社と折半で年金保険料を納付してきたはずなので、支給要件(亡くなる月の前々月までの1年間において年金保険料の滞納がないこと)はクリアできるでしょう。
 
子を持つ配偶者として、お子さまが高校卒業(18歳に到達した年度の3月末日)まで、(1)遺族基礎年金と(2)遺族厚生年金の両方を受給できます。
 
(1)遺族基礎年金(平成31年度の場合)月あたり8万3716円
※(78万100円+子の加算22万4500円)÷12
(2)遺族厚生年金 月あたり約7万円
※報酬月額40万円、賞与を含めた報酬月額50万円、25年加入の場合
 
なお、さまざまな事情で遺族年金を受け取れなかったり少額の場合は、妻の所得額に応じて児童扶養手当(満額 4万2910円)との差額を受け取れることもあります。不明な点はお住まいの自治体にお問い合わせください。
 

お子さまが高校卒業後、妻が受け取れる遺族厚生年金と中高齢寡婦加算

お子さまが18歳到達後の4月以降、遺族基礎年金は受給できません。そのかわり遺族厚生年金にプラスして中高齢寡婦加算(40歳以上の妻、年額58万5100円→月あたり4万8758円)を受給することになります。
 
妻が65歳となりご自身の老齢厚生年金を受け取れる権利がある場合は、いくつかの計算方法があるため、年金事務所への問い合わせや手続きが必要となります。
 

夢を諦めさせたくない大学進学

親として、子どもの将来への夢はかなえてあげたいですね。保険などで確保できていればよいのですが、十分でない場合は、奨学金や教育ローンを検討しましょう。
 
「給付型」であれば、返済の必要がありません。ただし、家計基準の他に学力・資質基準や人物・健康基準などの審査があり、若干ハードルが高いと言えます。
 
日本学生支援機構の奨学金に加えて、母子家庭や経済的に厳しい家庭を対象にした貸付制度もあります。福祉制度であるため無利子での貸付は魅力的ですが、所得制限など要件があります。
 

困ったときの相談窓口

上記の教育資金だけでなく、住まいや就業など母子家庭を支援する環境は整備されつつあります。遺族年金などの受給額により適用外になることも想定されますが、困ったとき、不明なことは、お住まいの地域自治体や社会福祉協議会に相談してみましょう。
 

万一を考えたリスク対策

夫が元気であっても、一般的な子育て世代(大学卒業くらいまで)の家計管理は苦しいものです。保険にかける支出が難しいとおっしゃる方も多いのが現状です。
 
しかしながら、万一の場合に備えて、保険でのリスク対策についても考える必要があるかもしれません。公的制度だけでは十分ではないでしょう。
 
子育て世代には、生活保障として「収入保障保険」、教育資金として「定期保険」(どちらも掛け捨て)などを検討してみることをお勧めします。残された家族が笑顔で生活できるよう、準備しておきたいものです。
 
執筆者:大竹麻佐子
CFP🄬認定者・相続診断士