最終更新日: 2020.09.11 公開日: 2020.09.13
年金

iDeCoとつみたてNISAは、いったい何が違うの? 迷ったら思い出したい、6つのポイント

執筆者 : 酒井 乙

資産運用についてよく分からない方でも、「iDeCo」や「つみたてNISA」という言葉を聞いたことがある方は多いでしょう。どちらも、将来のためにお金を積み立てる制度ではあるのですが、いざ、「資産運用を始めよう!」と考えても、その違いを理解していないと、どちらが自分にふさわしいのか迷ってしまいます。
 
ここでは、ではそんな方に向けて「iDeCoとつみたてNISAとは何か」「何が違うのか」をやさしく解説します。
 
酒井 乙

執筆者:

執筆者:酒井 乙(さかい きのと)

CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。  
 
長期に渡り離婚問題に苦しんだ経験から、財産に関する問題は、感情に惑わされず冷静な判断が必要なことを実感。  
 
人生の転機にある方へのサービス開発、提供を行うため、Z FinancialandAssociatesを設立。 
 

酒井 乙

執筆者:

執筆者:酒井 乙(さかい きのと)

CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。  
 
長期に渡り離婚問題に苦しんだ経験から、財産に関する問題は、感情に惑わされず冷静な判断が必要なことを実感。  
 
人生の転機にある方へのサービス開発、提供を行うため、Z FinancialandAssociatesを設立。 
 

iDeCoは年金、つみたてNISAは証券口座の仲間

iDeCoと、NISA、それぞれ何の略だかご存じでしょうか。
 
iDeCoとは、「確定拠出年金」の英語(individual-type Defined Contribution pension plan)の頭文字を略したもので、その名のとおり「年金」の一種です。年金ですから、「老後に備えるための」制度であることが分かると思います。
 
一方、NISAは「日本版個人貯蓄口座」の英語(Nippon Individual Savings Account)の頭文字を略したものです。「個人貯蓄口座」とはいっても、銀行に預ける預貯金ではありません。証券口座の一種で、株式や投資信託などを購入するためのものです。
 
現在、NISAには、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA(※1)の3つの種類があります。
 
それでは、それぞれの違いについて、見ていきましょう。

iDeCoは積立期間が変わるが、つみたてNISAは積立期間が決まっている

iDeCoとつみたてNISAは、「いつまで積立できるのか」が違います。
 
iDeCoの積立は、原則60歳までです(※2)。つまり、「いつ始めるか」によって、積立ができる期間が変わってきます。例えば、30歳の人が始めれば30年、50歳の人が始めれば10年が積立期間となります。
 
一方、つみたてNISAの積立期間は20年です。その方が何歳であろうとも、この積立期間は変わりません(ただし、つみたてNISAを利用できる方は、原則20歳以上の方です)。

iDeCoは、中途の引き出しができないが、NISAは中途換金できる

iDeCoとNISAでは、積立期間中のお金の引き出し方も違います。
 
まずiDeCoは、原則60歳まで引き出すことができません。これは、iDeCoが「老後のための資産形成」を目的としているからです。ただし、積立期間中に積立金額を変更したり、中断したりすることは可能です。
 
一方、(つみたて)NISAは、積立期間中の換金が可能です。途中で何か大きな買い物をするなど、資金が必要になった場合、それまで積み立てた株式や投資信託を売って、現金に換えることができます。 

積立期間終了後の積立額の受け取り方は、iDeCoは3つあるが、NISAは1つ

iDeCoとNISAでは、積立期間終了後の受け取り方が違います。
 
iDeCoは、積み立てた人が60歳になった時点で、それまで積み立てた額を「まとめて受け取る」か、「年金として毎月受け取るか」、もしくはその両方を組み合わせるか、で選ぶことができます。iDeCoは「年金の一種」ですが、年金として受け取らず、あたかも「退職金」のようにまとめて積立額を受け取ることができるのがポイントです。
 
一方つみたてNISAは、積立期間終了後にこれまで積み立てた投資信託がNISA口座以外の自身の口座に移されます。再度つみたてNISAを利用して積立を行うことができないことに注意が必要です(※3)。

税制上有利となるポイントは、iDeCoでは3つ、NISAは2つ

iDeCoとNISAは、ともに「うまく使えば税金が安くなる」ことが大きなメリットですが、iDeCoはより大きな節税メリットがあります。
 
iDeCoは、主に3つの時点で税金のメリットが受けられます。「掛金を拠出したとき」「利息や配当を受け取ったとき」そして「積立金を受け取ったとき」です。一方、NISAで非課税になるのは、「利息や配当を受け取ったとき」「売却して利益が出たとき」の2つです。

iDeCoでは預貯金や投資信託、保険商品などから運用商品を選ぶことができるが、つみたてNISAは株式投資信託(ETFを含む)の中から選ぶ

iDeCoとNISAでは、ともに運用する商品を自分で選びます。特にiDeCoは、国が運用してくれる国民年金や厚生年金とは違い、自分で商品を選んで運用するのがポイントです。
 
しかし、iDeCoとNISAでは、選ぶことができる商品に違いがあります。iDeCoは、預貯金や投資信託、保険商品などから選ぶことができるのに対し、つみたてNISAは、株式投資信託(投資の対象資産に株式が含まれる投資信託)やETF(証券取引所で売買される投資信託)に限られています。

iDeCoとつみたてNISA、どちらがよいかは人それぞれ

ここまで、iDeCoとつみたてNISAの6つの違いを見てきました。それでは、運用を始めるならどちらがよいのでしょうか? それは、年齢や目的、掛金に回すことができるお金や、リスクへの考え方などによって変わります。
ただし、「まずは始めたい!」とお考えであれば、「NISA」や「つみたてNISA」から始めてみてはいかがでしょうか。しばらく続けて運用に慣れたら、iDeCoで老後資金の形成をしっかり考えるのがよいでしょう。
 
(出典及び注釈)
(※1)ジュニアNISAは令和5年末で終了します。
(※2)それまで加入可能期間は60歳までとされてきましたが、令和4年5月より国民年金被保険者(1号、3号は60歳未満、2号は65歳未満)であれば加入可能となります。
厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」P8
(※3)NISA、ジュニアNISAには「ロールオーバー」という制度があり、非課税期間終了後に新たにNISA口座で運用を再開することが可能ですが、つみたてNISAにはありません。
 
執筆者:酒井 乙
CFP認定者、米国公認会計士、MBA、米国Institute of Divorce FinancialAnalyst会員。

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