更新日: 2020.12.01 国民年金

年金を追納するとどのくらいお得になるのか?

執筆者 : 柘植輝

年金を追納するとどのくらいお得になるのか?
収入の減少や学生であったことなどを理由に、国民年金の保険料の支払いが免除・猶予されていた期間があるという方もいるでしょう。過去に免除や猶予を受けていた保険料は追納することができるのですが、その追納にはメリットが存在しています。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

免除・猶予を受けた国民年金の保険料は10年以内であれば追納できる

老齢基礎年金の受給額を計算する際、保険料が免除・猶予されていた期間があると、保険料を全額納付した場合に比べて将来受け取れる年金額が低くなります。
 
しかし、免除・猶予されていた期間の保険料は追納することができ、追納によって年金の額を満額に近づけることができます。
 
なお、国民年金の保険料の追納ができるのは、追納が承認された月の前10年以内の期間に限られています。

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保険料の追納には一定の加算額が発生することがある

国民年金の保険料を追納する場合、追納できる一番古い期間の保険料から追納していくことになるのですが、免除・猶予を受けた期間の翌年度から3年度目以降の分を追納するには一定の加算額がかかります。
 
令和2年度中に追納する場合における追納可能な期間の保険料と加算額を含めた追納額は、下記の表のとおりとなります。

全額免除の場合 4分の3免除の場合 半額免除の場合 4分の1免除の場合 備考
平成22年度の月分 1万5550円 1万1660円 7780円 3880円
平成23年度の月分 1万5340円 1万1500円 7670円 3830円
平成24年度の月分 1万5190円 1万1390円 7590円 3790円
平成25年度の月分 1万5160円 1万1370円 7580円 3790円
平成26年度の月分 1万5310円 1万1490円 7650円 3830円
平成27年度の月分 1万5640円 1万1730円 7810円 3910円
平成28年度の月分 1万6290円 1万2210円 8150円 4070円
平成29年度の月分 1万6510円 1万2380円 8250円 4120円
平成30年度の月分 1万6340円 1万2250円 8170円 4080円 追納加算額無し
令和元年度の月分 1万6410円 1万2310円 8200円 4100円 追納加算額無し

※日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」より筆者作成
 

保険料を追納することで所得税や住民税が軽減される

国民年金の保険料は、全額が社会保険料控除として扱われます。社会保険料控除の金額は税金の計算において所得から差し引くことができ、その分、所得税や住民税が軽減されます。
 
例えば、令和2年度中に1年間全額免除されていた令和元年度分の保険料を追納したと仮定します。この場合、追納加算額は発生しないので、追納する保険料は下記の金額となります。
 
1万6410円×12=19万6920円
 
上記は社会保険料控除として全額所得控除となるため、年収400万円程度で所得税率が10%の方であれば、追納しない場合に比べて所得税だけでも2万円近くの節税効果が生まれるのです。令和2年度における住民税の所得割は10%なので、住民税を含めると4万円近い節税効果になります。
 
なお、国民年金の保険料を追納すると日本年金機構から社会保険料の控除証明書が送られてきます。年末調整や確定申告の際、社会保険料控除の適用を受けるための添付書類として必要となるので絶対に無くさないようにしてください。
 

国民年金の保険料を追納する方法は?

国民年金保険料の追納は、年金事務所で申し込みをし、厚生労働大臣の承認を得た上で交付される納付書にて行います。詳細については最寄りの年金事務所へ問い合わせるようにしてください。

まとめ

国民年金の保険料は全額所得控除となるため、過去に免除・猶予されていた保険料を追納することで将来の年金の受取額を増やしつつ、節税をすることができます。もし、保険料の免除や猶予を受けていた期間がある場合は、まずは追納が可能な期間と金額について確認し、無理のない範囲で追納していくとよいでしょう。
 
出典
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士