公開日: 2021.04.15 年金

年金の繰り上げ・繰り下げを働き方別に考える

執筆者 : 柘植輝

年金の受給時期の繰り上げや繰り下げは、受給額を大きく変化させることになる重大な選択です。それに頭を悩ませている人も少なくはないでしょう。
 
そこで、適切な年金の繰り上げや繰り下げについて、働き方別に考えてみました。
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金の繰り上げ・繰り下げとは

年金の繰り上げ・繰り下げとは、原則65歳からである年金の受け取り時期を前後させることです。繰り上げ受給をすることで最速60歳から、繰り下げ受給することで最大70歳まで1ヶ月単位で前後させることができます。
 
繰り上げをすると受給できる年金額が1ヶ月当たり0.5%の減額に、逆に繰り下げをすると受給できる年金額が1ヶ月当たり0.7%増額となります。
 

働き方のパターン別の年金の繰り上げ・繰り下げを考える

では、働き方別に繰り下げと繰り上げについて考えてみましょう。今回は3つのパターンに分けて検討していきます。

パターン1 65歳より前に退職した場合

65歳より前に退職した場合は、自身のライフスタイルや貯蓄の様子に合わせて繰り上げ・繰り下げを考えるとよいでしょう。例えば貯蓄が十分あり、あまりお金を使わない生活をしている、フルタイムで働いており収入が確保されているという場合は繰り下げ、あるいは原則どおり65歳からの受給を。
 
逆に貯蓄が不十分で生活が不安、退職を機に短時間勤務に切り替わったり、給与が下がったというのであれば繰り上げや原則どおり65歳からの支給がよいでしょう。
 
しかし、60歳を超えてから繰り上げ受給をし、働きながら年金を受給すると在職老齢年金という制度により、厚生年金の一部あるいは全額が支給停止となることもあります。
 
また、高年齢雇用継続給付を受けている場合も厚生年金について支給停止をされる場合があります。詳細については年金事務所やねんきんダイヤルへお問い合わせください。なお、国民年金については在職老齢年金の制度は適用されないためご安心ください。
 
仮に60歳から受け取った場合、原則である65歳の受給と比較して5年の繰り上げとなるため、年金受給額は0.5%の減額率×60ヶ月繰り上げ(5年)で30%減額されての支給となります。
 
よほど生活に苦しい状況でもない限り、5年まるまる繰り上げると後々この繰り上げが大きな差となって響きます。この場合、76歳頃には65歳から受け取った場合よりも総受取額が少なくなります。
 

パターン2 65歳で退職した場合

65歳で退職を迎えた場合は、65歳より前に退職した場合と同様にライフスタイルや貯蓄の状況に応じて決めるとよいでしょう。
 

パターン3 65歳から70歳までの間に退職する場合

65歳以降も働き続ける場合、年金をどこまで繰り下げるかが問題になります。繰り下げについては70歳まで可能であるため、十分な収入または貯蓄を確保して上限である70歳まで繰り下げをするもよし、キリのいいところで繰り下げをやめて受給するのもよしです。ライフスタイルや貯蓄、収入、体調や仕事内容に応じて無理のない範囲で繰り下げるとよいでしょう。
 
参考までに、70歳まで繰り下げた場合、65歳で受給した場合に比べて42%増額した額を受け取ることができます(0.7%の増額×60ヶ月分)。この場合おおむね82歳頃には、65歳から受給した場合と比較して総受取額が上回ることになります。
 

年金の繰り上げ・繰り下げは働き方も加味して考えたい

年金の繰り上げと繰り下げは、受給金額の増額や減額分のみを基準にして考えてしまいがちですが、働き方という観点から考えることも大切です。年金の繰り上げや繰り下げについて悩んだときは、自身のライフスタイルに応じた働き方も加味して考えるようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士