更新日: 2021.07.02 年金

ねんきん定期便の額がもらえるわけではない? 年金の手取り額を知っておこう

執筆者 : 馬場愛梨

日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」を見れば、自分が将来受け取れる年金の金額がいくらくらいか分かります。
 
ただ実は、そこに記載されている金額がそのまま自分の手元に入ってくるわけではありません。年金の手取り額について解説します。
 
馬場愛梨

執筆者:

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

https://babaeri.com/

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自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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年金の手取り額は「9割」が目安

ねんきん定期便で確認できるのは、あくまで「額面」の金額です。自分の手元に実際に入ってくる金額(=手取り)は、ここから税金や社会保険料を差し引いた金額です。
 
額面だけ確認して「全額を老後生活に利用できる」と考えていたら、実際に受け取るときに「あれ? 思ったより少ない……?」とショックを受けてしまうかもしれません。
 
会社員の場合、手取りの給与は額面の「8割」程度という場合が多いですが、年金の場合は「9割」程度が目安です。ねんきん定期便に記載されている金額から10%~15%ほど少ない金額が受け取れると考えておきましょう。この割合は、収入や家族構成などによって変わります。
 

年金から差し引かれる税金&社会保険料

老後に受け取る年金で、額面から差し引かれる可能性があるのは以下のような項目です。
 

●健康保険料
●介護保険料
●所得税
●住民税

 
所得税以外は、住んでいる自治体によっても金額が変わってきます。正確な金額を知りたい場合は、市区町村役場の公式サイトを確認したり窓口に問い合わせたりするのが確実です(※1)。
 
これらは必ずしも年金から天引きされるというわけではなく、「年金額が年18万円以上」などの条件があります(※2)。自治体によっては、年金からの天引きではなく納付書や口座振替での支払いを選択できる場合もあります(※3)。
 
なお、所得税は65歳未満の場合は年60万円以下、65歳以上の場合は年110万円以下であれば原則課税されません(※4)。その金額を超えてからも、基礎控除や配偶者控除など状況に応じて税金の軽減措置が受けられます。
 
所得がいくらかによって、課税額だけでなく健康保険で受けられる保障(医療費の自己負担額など)にも影響します。老後の働き方や年金や退職金をいつどうやって受け取るのかによっても変わってくることがあるので、負担をできる限り抑えたいなら事前に綿密な試算が必要です。
 

年金の手取りの平均額は?

受け取れる年金額は人によって大きく異なりますが、参考として、平均的な金額をチェックしておきましょう。総務省の家計調査年報によると、1ヶ月あたりの金額は以下のとおりです。
 

(総務省「家計調査年報 家計収支編(2019年)」をもとに筆者作成)
 
自分のおおよその手取りを把握していれば、それで生活していけるのか、長く働いたほうがいいのか、いくらずつ退職金を取り崩していくか、など老後の生活について金銭的な面から考えるときに非常に役立ちます。
 

まとめ:「額面」だけなく「手取り」も確認しておこう

自分が受け取れる年金の額面上の金額は、ねんきん定期便・ねんきんダイヤル・ねんきんネットなどで確認できます。しかし、「手取り」で考えたほうが家計のやりくりはしやすくなりますので、一度「手取り」がいくらくらいになるのかも試算しておくと安心です。
 
(※1)日本年金機構「Q 年金から天引きされる介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税の金額はどのようにして決まるのですか。」
(※2)日本年金機構「年金からの特別徴収」
美浜町「年金特徴のしくみ」
(※3)新座市「年金から国民健康保険税を徴収する場合があります(特別徴収について)」
総務省「公的年金からの特別徴収」
(※4)国税庁「高齢者と税(年金と税)」
 
(出典)総務省「家計調査年報(2019年)」総世帯及び単身世帯の家計収支
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表