更新日: 2021.10.19 国民年金

夫が退職。60歳以下の専業主婦が行う年金手続きとは?

執筆者 : 新井智美

夫が退職。60歳以下の専業主婦が行う年金手続きとは?
日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の大きく2つに分けられており、その加入形態によって、「第1号」「第2号」「第3号」といった種別に分けられています。
 
専業主婦は第3号に位置しており、もし配偶者が退職した場合にはその後の自身の形態によって、種別の切り替え手続きを行う必要があります。

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新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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年金制度の種別とは?

国民年金被保険者には、職業などによって3つの種別があり、それぞれ加入手続きや保険料の納付方法が異なります。
 

■第1号被保険者

第1号被保険者には、自営業者や20歳以上の学生、農林漁業者などがあてはまります。そして年金保険料は各自が納付する形となっています。
 

■第2号被保険者

第2号被保険者とは、会社員や公務員など、厚生年金もしくは共済年金に加入している方です。年金保険料は勤務先を通じて、給料から天引きされます。
 

■第3号被保険者

第3号被保険者とは、国内に居住し、第2号被保険者に扶養されている配偶者のことを指し、専業主婦はこれにあてはまります。年金保険料は第2号被保険者の加入制度で負担するため、実質的な自己負担はありません。
 
(出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり」(※1))
 

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夫が退職した場合、60歳以下の専業主婦が行う手続き

国民年金への加入は20~60歳までです。第3号被保険者である専業主婦の夫が退職した場合は、別の種別への変更手続きを行う必要があります。
 

■年金に関する手続き

夫が退職した場合、その時点で60歳以下である専業主婦は、第3号被保険者から第1号被保険者に切り替わります。したがって、夫が退職した日の翌日から14日以内に第1号被保険者の加入の手続きを行う必要があります。
 
手続きとしては、年金手帳または基礎年金番号通知書を持参のうえ市区町村役場の窓口にて、本人が行うこととなります。そしてその後の年金保険料は自分で納付します。
 
手続きの際に納付方法を選ぶことができますので、「納付書」「口座振替」「クレジットカード払い」の中から支払いやすい方法を選ぶようにしましょう。
 
(出典:日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」(※2))
 

■健康保険に関する手続き

通常、退職の際には、職場で加入していた健康保険に継続して加入できます。このことを「任意継続」といい、退職の前日までに継続して2ヶ月以上の被保険者期間があれば、退職日から20日以内に申告することで継続加入が可能です。
 
ただし、任意継続被保険者となった場合、支払う保険料はそれまでの半額負担ではなく、全額自己負担となります。したがって、会社の保険組合の任意継続被保険者になるのか、それとも国民健康保険に切り替えるのかについては、保険料の負担額がいくらになるのかをあらかじめ調べてから、決めるようにしましょう。
 
また、任意継続期間は2年間と定められており、一度任意継続を選択した場合は、国民健康保険に切り替えたいといった理由で脱退ができませんので、注意が必要です。夫が退職後も任意継続するのであれば、妻もその被保険者として夫の健康保険に加入し続けることができます。
 
国民健康保険に切り替える場合や、任意継続期間が終了した場合は、国民健康保険への加入手続きを行う必要があります。国民健康保険の加入手続きは、自分が住んでいる各市区町村役場にて行います。手続きの際には、それまで加入していた会社の健康保険の資格喪失証明書が必要ですので、忘れずに用意してください。
 
国民健康保険の保険料は「医療分保険料」「後期高齢者支援金分保険料」「介護分保険料」の3つから形成され、それぞれ、所得割、資産割、均等割、平等割という4つの方法で算出した金額を合算した額を納める形となります。
 
また、国民健康保険料には上限が設けられており、2021年度の上限額が介護保険料も合わせて年間99万円となっています。
 
(出典:新宿区ホームページ(※3))
 

まとめ

第3号被保険者である専業主婦が60歳以下の場合で、夫が退職した際には、国民年金そして健康保険についても手続きが必要です。健康保険については、夫が任意継続を選ぶ場合は、夫の勤務していた会社を通じて手続きを行うことができますが、それ以外の場合は、自分で手続きを行う必要があります。
 
手続きの期限も設けられていることから、国民年金や健康保険の非加入期間が発生しないよう、必ず期限までに手続きを行うようにしてください。
 
出典
(※1)日本年金機構「国民年金・厚生年金保険被保険者のしおり」
(※2)日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
(※3)新宿区ホームページ
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員