更新日: 2021.12.27 その他年金

2022年に廃止される年金手帳。今の手帳は処分してもいい?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

2022年に廃止される年金手帳。今の手帳は処分してもいい?
2022年に年金手帳が廃止になることをニュースなどで知り、「もう年金手帳はいらないの?」と思った人も多いでしょう。しかし実際には、新制度に移行したあとに、年金手帳が利用できなくなるわけではありません。
 
ここでは、年金手帳が廃止に至った経緯や廃止後の制度の変更点、新制度以降にともなって年金手帳をどう扱えばよいかをまとめました。
 
年金手帳を捨ててしまおうかな、と考えている人は、捨てる前に目を通してみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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年金手帳はなぜ廃止になるの?

 
2022年に年金手帳の廃止が決まったのは、次のような理由からです。

●被保険者情報がすでにシステムで管理されている
●個人番号の導入が進んだ
●年金手帳の添付なしで各種手続きが可能になった

年金手帳の主な機能は、保険料納付の領収の証明および基礎年金番号の本人通知の2つです。しかし、被保険者情報がシステムで管理されるようになり、個人番号とのひもづけも行われていることから、手帳形式である必要性は失われています。
 
また、年金関係の手続きでは年金手帳の添付が必要なケースが多くありました。現在は多くの場面で手続きが簡素化され、年金手帳を添付しなくても「基礎年金番号を明らかにする書類」または個人番号の届け出で手続きできるようになっています
 
このような国民年金を取り巻く環境の変化に対応するべく、年金手帳の廃止が決定しました。
 

年金手帳が廃止されたら制度はどう変わる?

 
年金手帳の廃止にともない、2022年4月以降新しく国民年金の被保険者になった人へは、資格取得を知らせる書類として「基礎年金番号通知書」が送付されます。
 
基礎年金番号通知書がどのような様式になるのかは2021年12月現在未定ですが、次のように検討されているようです。

●名称は「基礎年金番号通知書」とし大臣印の印影を入れる
●年金制度の象徴となるようなシンボリックなものとする
●共済年金加入者の「基礎年金番号通知書」との統一を図る

また、2022年4月以降は、年金手帳を紛失した際などに再交付が行われなくなるのも、変更点です。ただし、2022年4月以前に発行・送付された年金手帳が失効するわけではありません。発行済みの年金手帳は引き続き、基礎年金番号の証明書類として認められます。
 
なお、日本年金機構では個人番号の利用を推進しており、マイナンバーカードの提示による相談や申請の受付がすでにはじまっています。マイナンバーを利用した事務の円滑化のためにマイナンバーの収録も進めており、年金手帳やその他書類の提出を必要としない手続きの幅は、今後ますます広がっていくでしょう。
 

年金手帳が廃止されたら年金手帳は処分してもいい?

 
年金手帳の廃止は決まっているものの、年金手帳が廃止されたあと、制度がどのように変更されるのかについて詳細は未定です。個人番号を活用した手続きが広がってはいますが、海外転出時や国民年金保険料の口座振替申出など、基礎年金番号が必要な手続きも現状では残っています。
 
年金手帳は今後も基礎年金番号の証明書類として有効であるため、基礎年金番号が必要になった場合に備えて、保管しておいたほうがよいでしょう。先走って処分してしまうと、手続きに必要な書類をそろえるのが大変になる可能性があります。
 
年金手帳を処分するかどうかは、新制度に移行して詳細がわかってから検討するのが無難です。
 

年金手帳は廃止後も捨てずに保管しましょう

 
年金手帳が廃止され、基礎年金番号通知書に切り替わったあとも、発行済みの国民年金手帳は証明書類として有効です。
 
個人番号の普及などにともない、年金手帳が必要な手続きは確実に減っています。しかし、まだ一部の手続きでは基礎年金番号が必須です。基礎年金番号を証明する書類として、年金手帳は手元に保管しておきましょう。
 
出典
厚生労働省「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要」
日本年金機構 日本年金機構におけるマイナンバーへの対応
日本年金機構 マイナンバーを届け出れば、基礎年金番号は不要になるということでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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