更新日: 2022.12.23 その他年金

物価高でも年金があまり増えない? マクロ経済スライドの概要とるべき対策

物価高でも年金があまり増えない? マクロ経済スライドの概要とるべき対策
老後の生活費として大事な公的年金。マクロ経済スライドによって、もらえる年金額が目減りするかもしれない、ということはご存じでしょうか?
 
この記事では、マクロ経済スライドの概要と対策について解説します。

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マクロ経済スライドの概要

マクロ経済スライドとは、2004年(平成16)に導入されたものです。2004(平成16)年度まで行われていた「財政再計算」では、将来の保険料の見通しを示した上で、給付水準を維持する場合に必要な保険料を算定していました。
 
しかし、このままでは最終的な保険料水準の見通しは上がり続けるため、将来の保険料負担の増加が懸念されるようになりました。
 
こういった背景から、マクロ経済スライドは、現役世代の人口減少や高齢者の増加に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みとして採用されたのです。
 
2004(平成16)年の制度改正時に、将来の現役世代の保険料負担を増やさないよう、保険料水準の上限と、上限に到達するまでの毎年度の保険料水準を法律で定め、国の負担割合引き上げ、積立金活用などにより、公的年金財政の収入を決めました。
 
この収入の範囲内で給付を賄えるよう、「現役世代の人口減少」と「平均余命の伸びに伴う給付費の増加」というマクロでみた給付と負担の変動にあわせて、給付水準を自動的に調整する仕組みが導入されました。
 

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マクロ経済スライドと年金の関係

日本の公的年金制度は、現役世代が払った保険料がそのときの受給者の給付に使われるという、いわゆる賦課方式を採用しています。給付額は、賃金や物価の変動などを基準として改定することが法律で定められています。
 
物価や賃金が上昇しても、年金額が上昇しなければ、実質年金の価値は減少することになります。
 
例えば、年金を年間200万円受け取れるとした場合に、物価が今よりも5%上昇したらどうなるでしょうか? 物価が上昇した場合、受け取れる年金額も5%増加しなければ、お金の価値が下がってしまいます。
 
そのため公的年金にも、インフレ局面では、物価上昇率に応じて年金額も上昇していく仕組みがあります。
 
しかし、マクロ経済スライドが発動されると、インフレ局面であっても年金額は物価上昇率のように上昇しません。マクロ経済スライドで公的年金の上昇を抑制するのは、日本の年金制度が、「世代間扶養」という仕組みを採用しているためです。
 
インフレ局面で、公的年金額を物価上昇率と同じくらいに増加させてしまうと、現役世代から多くの年金保険料をもらわなければならず、家計を圧迫させる可能性があります。
 
そのため、物価が上昇していても、公的年金額の上昇を抑える目的でマクロ経済スライドが採用されています。
 

物価や賃金が上昇しても年金は増えない

日本の年金制度は、本来なら物価や賃金の上昇に合わせて公的年金額も上昇する仕組みになっていますが、マクロ経済スライドによって、公的年金の上昇率が抑制されている仕組みになっています。
 
マクロ経済スライドは「物価や賃金の上昇があっても、公的年金はそれほど増やさない」という制度です。今後、「インフレが来ると国民の年金は減る」という意味の言葉であるととらえるといいでしょう。
 
公的年金を取り巻く状況は悪化の一途をたどっています。そのため、資産運用を活用して老後の資産形成をなるべく早く行う必要があります。
 

まとめ

今後も、少子高齢化の進行により、年金受給額は減ることが予測されます。老後にお金に困らないためにも対策を練る必要があります。
 
早めに複利効果のある投資を始めて、資産形成をすることをおすすめします。また、年をとっても働いて収入を得られるよう、老後をみすえたキャリアを築くことも検討しましょう。
 

出典

厚生労働省 マンガで読む公的年金制度 第07話 給付と負担をバランスさせる仕組み
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部