更新日: 2023.01.12 国民年金

【DV被害者と年金免除】配偶者から暴力を受けた場合、国民年金保険料が「特例免除」されるって本当?

【DV被害者と年金免除】配偶者から暴力を受けた場合、国民年金保険料が「特例免除」されるって本当?
配偶者からの暴力から避難するために配偶者と離れて暮らす人がいます。そのような場合、経済的に国民年金保険料を支払うのが厳しい人もいるでしょう。
 
そういった場合、DV被害者は申請すれば、国民年金保険料の全額または一部が免除になる可能性があります。そこで、本記事では特例免除の概要と、申請の方法について解説していきます。

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配偶者の暴力による特例免除制度とは?

国民年金保険料は、納付義務者本人または連帯納付義務者(配偶者または世帯主)の前年所得が一定額以下である場合に納付の免除が認められます。しかし、この条件では本人の所得がいくら一定額以下でも、連帯納付義務者である配偶者の前年所得が一定額以上である場合、免除されることがありません。
 
そこで、設けられているのが「特例免除」です。配偶者からの暴力(ドメスティックバイオレンス=DV)被害を受けていて、なおかつ配偶者と家の住所が異なる場合、配偶者の所得に関係なく、本人の所得だけを見て申請が通るかどうかを判断します。
 
前年所得が次の計算式で求めた金額の範囲内であれば、保険料が全額または一部免除になります。
 
全額免除の場合は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」、4分の3免除の場合は「88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」、半額免除の場合は「128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」、4分の1免除の場合は「168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等」です。
 
免除期間は全額納付した場合と比べると、老後にもらえる年金額が少なくなります。とはいえ、経済的に厳しいからといって国民年金保険料の納付をせず、免除申請もしないまま放置していると、老後に受け取る年金額に悪影響を与えます。また、万が一、障害や死亡といったアクシデントが起こった場合、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給されない可能性があるかもしれません。
 

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特例免除制度の手続きの仕方とは?

特例免除申請の手続きは、自宅近くの年金事務所で行います。申請に必要な「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」は年金事務所でもらうか、日本年金機構の公式サイトからダウンロードすることが可能です。
 
申請書には「配偶者と住所が違うことがわかる書類」「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書」「基礎年金番号通知書または基礎年金番号が記載された年金手帳等」を添付する必要があります。配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書は、婦人相談所または配偶者暴力相談支援センターなどで発行してもらえます。
 
また、2回目の申請からはこの証明書の添付は不要です。所得は毎年変わるため、免除申請は一度行えば終わりではありません。申請は毎年必要で、免除される期間は毎年7月から翌年6月までの1年間です。
 

DV被害と現状

DVの被害は圧倒的に女性の方が多く、内閣府男女共同参画局の調査では、およそ4人に1人が「被害経験がある」と回答しています。被害を受けた女性のうち分かれた人は16.3%、別れたいと思ったが分かれなかった人は44.1%、別れようと思わなかった人は26.7%でした。
 
さらに、別れなかった理由で最も多かったのは「子供がいるから」の71.3%で、次いで「経済的な不安」が52.5%でした。同局はDVを次の4つに分類しています。
 

(1)身体的暴行
(2)心理的攻撃
(3)経済的圧迫
(4)性的強要

 
経済的な不安があるためにDV被害を受け続けざるを得ない女性が少なからずいることが調査からうかがえます。国民年金保険料の特例免除制度は、女性がDV被害から解放されるために必要な要素の一つといえます。
 

DV被害者の場合、国民年金保険料の特例免除が認められるケースも

配偶者から暴力を受けていた場合、国民年金保険料が全額または一部免除になるケースがあります。条件は配偶者と異なる場所に住んでいること、そして、前年の所得が一定金額以下の場合です。何もしないまま放置しておくと、将来年金を受け取る際にマイナスになる可能性があります。経済的に厳しい場合は、免除申請を検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

男女共同参画局 配偶者からの暴力井会社支援情報

日本年金機構 配偶者からの暴力を受けた方の国民年金保険料の特例免除について

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部