更新日: 2023.01.27 その他年金

繰下げ受給を待っている間に亡くなった場合、受け取るはずだった年金はどこへいく?

繰下げ受給を待っている間に亡くなった場合、受け取るはずだった年金はどこへいく?
繰下げ受給は、繰り下げた年月に応じて年金の受給額が増えるお得な制度です。とはいうものの、繰り下げ待機中に受給資格者が亡くなってしまったら、受け取るはずだった年金はどうなってしまうのかと気になる人も多いのではないでしょうか。
 
そこで今回は、繰下げ受給待機中に受給資格者が亡くなってしまった場合は一体どうなるのかを詳しく解説します。

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そもそも繰下げ受給の制度とは?

まずは繰下げ受給とは一体どのような制度なのかをおさらいしましょう。繰下げ受給とは、本来の受給開始年齢である65歳で年金を受け取らず、66歳以降最長で75歳まで年金の受給を遅らせることができる制度です。
 
受給を繰り下げると、繰り下げた期間に応じて年金受給額が加算されます。加算額は66歳で8.4%、それ以降は1ヶ月につき0.7%で、最長期間である75歳まで繰り下げた場合は受給額が84%増額されます。仮に令和4年時点での満額である月額6万4816円を受給できる人が75歳まで受給を繰り下げた場合、年金受給額は月額11万9261円になります。
 
ただし、繰下げ受給を申請する際にはいくつか注意するべきポイントがあります。
 
ひとつは、年金にも税金がかかるということです。年金受給額が増えるということは収入が増えるということです。そのため、受給額が増額された場合には所得税や住民税をより多く納めなければなりません。また、国民健康保険料や介護保険料といった社会保険料も増えます。
 
もうひとつは、繰り下げ待機期間中に遺族年金など他の公的年金の受給権が発生した場合、その時点で増額率が固定されるということです。そのため、場合によっては本来望んでいた期間より短い待機期間になってしまうかもしれません。
 

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もしも待機期間中に死亡したらどうなるの?


それでは、もしも受給権者が繰下げ受給の待機期間中に死亡した場合、受給権者の年金はどうなるのでしょうか。その場合、受給権者が本来受け取るはずだった年金額を、受給権者の遺族が未支給年金として受け取れます。
 
ただし、その場合には繰下げ受給を選択したことによる増額は考慮されません。先の例であれば、仮に死亡した受給権者が75歳まで繰り下げを選択していたとしても、未支給年金として支払われるのは月額6万4816円となります。
 
また、気をつけるべきポイントは、未支給年金を受け取る権利には5年の時効があるということです。遺族は受給権者の死亡より5年以上前の未支給年金については受け取ることができません。
 
仮に75歳までの繰下げ受給を選択した受給権者が74歳で死亡した場合、遺族が受け取れるのは69歳から74歳までの5年間の増額されていない未支給年金です。65歳から69歳までの未支給分を受け取ることはできません。
 
ちなみに、未支給年金の請求権があるのは受給権者の三親等内の親族です。遺族の順位は1番目が配偶者、2番目が子、3番目が父母、4番目が孫です。その後は祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等内の親族と続きます。
 

繰下げ受給を検討する際はリスクについてしっかりと考えよう!

年金の繰下げ受給を選択すると受給額を増額させることができます。最長である75歳まで繰り下げると、受給額は2倍近くにもなります。万が一、受給権者が待機期間中に死亡してしまった場合には、遺族が自身の名で請求することで未支給分の年金を受け取れます。
 
ただし、その際には繰下げ受給による増額分は考慮されず、さらに未支給年金には5年の時効がある点に注意が必要です。こうしたリスクがあることを踏まえた上で繰下げ受給を検討するようにしてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部