更新日: 2023.02.03 国民年金

母が「持ち家だし大丈夫」と国民年金だけで暮らしていけると思っているのですが「月6万円」程度で本当に大丈夫なのでしょうか?

母が「持ち家だし大丈夫」と国民年金だけで暮らしていけると思っているのですが「月6万円」程度で本当に大丈夫なのでしょうか?
厚生労働省によると、令和5年度の国民年金の満額は月額6万6250円とのことです。老後の生活費に年金を当てにしている人も多いでしょうが、賃貸住宅の家賃を支払いながら月額6万円程度で暮らすことは一般的に難しいでしょう。
 
しかし、住宅ローンを完済した持ち家なら大丈夫だと思っている人もいるかもしれません。そこで、本記事では持ち家の人が国民年金だけで老後生活を送っていけるかどうかについて解説します。

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令和5年度国民年金の満額はおよそ月額6万6000円

自営業者やフリーランスなどが加入する国民年金は、厚生年金と違って給与水準による保険料支払いやもらえる年金額に差はありません。そのため、一般的に厚生年金に比べると支払う保険料が少ない分だけ、もらえる年金額も少なくなるのが特徴です。
 
令和5年度の国民年金保険料は一律1万6520円で、納付義務を負う20歳から60歳まで国民年金保険料を支払い続けた場合に65歳から満額を受け取れます。
 
令和5年度の国民年金の満額は月額6万6250円で、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む厚生年金の標準的な年金額である月額22万4482円とは大きな差があるのが現実です。
 
ただし、今回のケースのように、単身であれば毎月の支出がそれほど多くない世帯もあるので、持ち家の人の中には月額6万円で暮らしていけると考える人がいてもおかしくはありません。それでは、65歳以上単身無職世帯の平均的な毎月の支出額はどれぐらいなのでしょうか。
 

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65歳以上単身無職世帯の毎月の消費支出平均はおよそ13万円!

総務省統計局が公表している「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要」によると、65歳以上単身無職世帯の毎月の消費支出は13万2476円でした。そのうち、住居費が1万3090円(9.9%)となっているので、住宅ローンのない持ち家の人の消費支出はおよそ12万円であることがわかります。
 
ただし、それとは別に固定資産税や住民税、社会保険料などの非消費支出が月額平均で1万2271円かかるため、毎月の支出はやはり13万円程度になる計算です。
 
上記の内容から、たとえ国民年金を満額受給していても、毎月7万円ほど家計が赤字になることがわかるでしょう。
 
また、仮に住宅ローンの残っていない持ち家だとしても、新築から10年や20年などの期間が経過すれば修理などのメンテナンスをしなければいけない場合があります。それらの費用も含めて考えると、老後の収入が国民年金だけという人はある程度の老後資金を準備しておくほうが無難だといえます。
 

どれぐらい老後資金を貯めておくほうがいいの?

厚生労働省の「令和3年簡易生命表の概況」によると、女性の平均寿命は87.57歳となっています。仮に老後を65歳からとすると、年金収入だけでおよそ23年間暮らす計算です。つまり、毎月7万円の赤字の世帯では、「7万円×12ヶ月×23年間=1932万円」の老後資金を準備しておく必要があります。
 
ただし、およそ2000万円の老後資金を準備するのは簡単なことではないでしょう。そのようなときは65歳以降も働くことで老後資金不足の対策になる場合があります。例えば、月額7万円程度でパートとして70歳まで働けば、「7万円×12ヶ月×5年間=420万円」ほどの収入となり、その分だけ貯めておく必要のある老後資金を減らせます。
 

国民年金だけでは老後資金が不足するかも!? 無理のない範囲で働くことも検討しよう


 
日本年金機構や総務省の資料からは、老後の収入が国民年金だけという人はたとえ住宅ローンのない持ち家に住んでいたとしても毎月の家計が赤字になる可能性が高いことがわかりました。
 
ただし、今回紹介した内容はあくまでも単身無職世帯の平均的な家計収支についてなので、老後も働いたり、家計を節約したりすれば貯蓄が少なくてもゆとりをもった老後生活を送れる場合もあります。まずは、自分自身の老後のライフプランを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
 

出典

厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部