更新日: 2023.03.23 国民年金

年金の未納は2年で「払う必要がなくなる」って本当? 最悪「差し押さえ」のリスクも!?

執筆者 : 新川優香

年金の未納は2年で「払う必要がなくなる」って本当? 最悪「差し押さえ」のリスクも!?
国民年金の保険料を未納にしている人の中には「2年経過すれば時効により年金の支払い義務が消滅する」と考えている人がいるかもしれません。しかし、督促状が届けば時効はリセットされます。
 
本記事では、2年で支払い義務が消滅しない理由と、滞納による2つのリスクを解説します。

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新川優香

執筆者:新川優香(あらかわ ゆうか)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

国民年金を未納にした場合、時効によって納付義務が消滅することはある?

未納分の国民年金保険料の支払い義務は2年で消滅します。国民年金法102条4項により、保険料の徴収権利が2年で時効消滅するためです。
 
この規定だけ見ると、たとえ督促状がきても放置して2年間たてば、納付義務がなくなると思えてしまいます。しかし、実際には2年の時効消滅を迎えることは難しくなっています。
 

「督促状」が届くだけで時効はリセット

国民年金保険料の滞納を続けていると「督促状」が届きますが、この督促状が届いた時点で時効がリセットされます。督促状とは、保険料の支払いを催促する書面です。そのため、2年経過しても国民年金保険料の納付義務はなくならず、時効のタイミングは更新されます。
 
日本年金機構は国民年金保険料の徴収体制を強化しているため、2年経過前に督促状が届くでしょう。
 

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もし時効期間2年が経過するのを待っているとどうなる?

国民年金保険料を納付せず、時効が消滅するまでの2年間待っていた場合どうなるのでしょうか。
 

国民年金保険料を支払わない場合の流れ

国民年金保険料を支払わない場合は、以下のような流れになります。

納付督励→特別催告状(青・黄色・赤)→最終催告状→督促状→差押予告通知

 
・国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)が届く
滞納が続くと電話や訪問を通じて、保険料の支払いを促されます。納付督励をしても無視する場合は、「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」と紫色の文字で書かれたはがきが届く仕組みです。
 
・特別催告状
催告状を無視すると、青、黄色、赤と封筒の色が事態の深刻度に合わせて変わる「特別催告状」が届きます。応じない場合は「最終催告状」が届き、記載された納付期日までに保険料を支払わないと、「督促状」が送られます。
 
・督促状
差し押さえが実行される旨や、延滞金が加算される旨の記載があります。督促状も無視すると「差押予告通知」が届き、事前連絡なく差し押さえが実行される流れです。
 
ちなみに、差し押さえの対象者条件は、未納が7ヶ月以上続いている年間所得300万円以上の人です。
 

差し押さえや延滞金加算の2つのリスクがある

流れのなかで「差し押さえ」の文言が出たように、滞納をすると差し押さえと延滞金加算の2つのリスクがあります。差し押さえの対象となる財産は、給料や預金口座、自動車や家などの不動産などです。なお、本人が財産をほとんど持っていない場合、世帯主や配偶者も差し押さえの対象となります。
 
督促状が届いてからも保険料を支払わない場合、納付期日の翌日から延滞金も加算されます。延滞金の計算方法は、「1ヶ月分の国民年金保険料」×「延滞金の割合」×「納付期日の翌日から経過した日数」÷「365日」です。3ヶ月を経過すると延滞金の年率が変わるため、支払いが遅れるほど負担も大きくなります。
 

国民年金の未納は時効消滅しない


 
国民年金の支払い義務は2年で時効消滅しますが、督促状が届けば時効期間はリセットされることが分かりました。
 
2年が経過する前に差し押さえや、本来の納付額に上乗せされる延滞金を支払うリスクを負う可能性のほうが高いといえます。国民年金は未納にせず、支払える場合は必ず納めましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金制度の基本的事項~適用・保険料編~
日本年金機構 国民年金保険料の延滞金
厚生労働省 強制加入被保険者(法7)
日本年金機構 「国民年金保険料の強制徴収の取組強化」について
日本年金機構 令和4年度計画
 
執筆者:新川優香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士