更新日: 2023.05.08 その他年金

年金受給額は「年収300万円・400万円・500万円」でどう違う? 年収ごとの年金額を検証

執筆者 : 齋藤彩

年金受給額は「年収300万円・400万円・500万円」でどう違う? 年収ごとの年金額を検証
年金は老後の生活を支える重要なものですが、自分がいくら受給できるのか、気になる人もいるかと思います。本記事では、年収300万円、400万円、500万円でそれぞれ年金がどのくらい受給できるのかについて解説します。

老後に受け取り可能な公的年金は2種類

公的年金は国民年金と厚生年金の2つがあり、1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金となります。
国民年金のみの受給となる人もいれば、両方とも受給できる人もいます。
 

国民年金

日本に住む20~60歳のすべての人は国民年金に加入する義務があります。国民年金保険料を20~60歳までの40年間納めた場合、65歳になると老齢基礎年金として1ヶ月あたり6万6250円(2023年4月現在)受給できます。保険料を納めていない期間があると、受給できる金額は少なくなります。
 

厚生年金

厚生年金に加入している会社員が主に受給できる年金で、老齢厚生年金として老齢基礎年金に上乗せで受給することができます。厚生年金に加入していると国民年金にも加入しているとみなされます。
 
受給額はどのくらいの収入(標準報酬月額)でどのくらいの期間だけ厚生年金に加入していたのかによって異なります。基本的に、高い収入で長い期間、厚生年金に加入していると老齢厚生年金の受給額は高くなります。
 

年収別の年金受給金額

年収別の1ヶ月あたりの年金受給額は、図表1の通りです。
 

≪仮定≫
・国民年金保険料は満額納付
・厚生年金は2003年4月以降40年間加入

 
図表1
 

 
日本年金機構 は行 報酬比例部分より筆者作成
 
老齢基礎年金は、1ヶ月あたり6万6250円で、保険料を納めていれば収入にかかわらず受給できるものです。厚生年金に加入していない自営業や専業主婦・主夫の場合は、老齢厚生年金は受給できないため、1ヶ月あたりの年金受給額は老齢基礎年金の6万6250円のみになります。
 
会社員の場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受給でき、1ヶ月あたり年収300万円では約12万3000円、年収400万円では約14万1000円、年収500万円では約15万6000円となります。
 

年金の繰下げ受給も検討を

年金は65歳から受給できますが、受給開始時期を繰り下げることもでき、1ヶ月繰り下げると老齢基礎年金・老齢厚生年金ともに受給額が0.7%増額されます。例えば、受給開始時期を65歳から70歳まで繰り下げると、0.7%×60ヶ月=42%増額されます。そして増額は生涯続きます。どちらか一方のみ繰り下げることも可能なので、受給金額を増やしたい場合は選択肢の1つです。
 
※生年月日により繰下げ年齢の上限がある場合があります。
 

まとめ

本記事では、公的年金である国民年金と厚生年金についてと、年収別の公的年金受給額、繰下げ受給について解説しました。年金は老後の生活を支える大切なものです。いざ受給するときに「思っていた金額とちがう」ことがないように、おおよその金額を確認しておくとよいでしょう。
 
自身の年金受給額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認することができます。「ねんきん定期便」は年金記録を記載した内容で、35歳・45歳・59歳の節目の年は封書で、それ以外の年はハガキで誕生月に送られてきます。ぜひ一度確認してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 は行 報酬比例部分

日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)

日本年金機構 年金の繰下げ受給

 
執筆者:齋藤彩
AFP

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