更新日: 2023.05.08 その他年金

母が「うちは長生き家系だから」と70歳で年金を受け取ると言っています。受給額が増えるそうですが、注意点はありますか?

母が「うちは長生き家系だから」と70歳で年金を受け取ると言っています。受給額が増えるそうですが、注意点はありますか?
「うちは長生きの家系だから」といった理由で70歳で年金を受け取ろうと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、繰下げ受給をしてしまうと毎月受給できる年金額が増えるというメリットはありますが、早くに寿命を迎えてしまうと、ほとんど年金を受け取れないという結果になってしまいます。
 
本記事では、年金繰下げ受給のメリットやデメリットなどについて詳しく解説していきます。

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年金繰下げ受給のメリットやデメリットは

ここでは、年金の受給を遅らせた場合のメリットとデメリットについてまとめました。
 

・年金繰下げ受給のメリット

年金の繰り下げを行うことのメリットの1つは、増えた年金をもらえることです。繰下げ受給は、長生きするほど生涯トータルで受け取れる金額が増える仕組みです。例として、65歳から年間265万円の年金をもらう予定の夫婦のケースを挙げます。70歳まで受給時期を引きのばすと42%増えるため、夫婦の毎月の受給額は10万円ほど増加します。
 

・年金繰下げ受給のデメリット

年金の繰下げ受給にはデメリットもいくつか存在していることに注意しておきましょう。その1つは、税金や保険料が上がってしまう場合があることです。繰下げ受給によって年金の受給額が増えた場合、所得税や住民税などの税金も多くなる可能性があります。
 
また、「加給年金」が受け取れない可能性があるといったデメリットも発生します。加給年金とは「厚生年金の被保険者期間が20年以上かつ、65歳時点で生計を担っている」「被保険者に65歳未満の配偶者または、18歳未満の子ども(障がいの状態が1級、2級であれば20歳未満)がいる」の2つの条件を満たすことで受け取れる年金です。
 
この加給年金について、被保険者の年金繰下げ期間中は受給できないのです。
 
また、加給年金は配偶者の場合65歳、子どもの場合18歳(または20歳)に到達時点で支給が終了します。したがって、配偶者や子どもの年齢と、繰下げ期間を考慮した上で繰下げ受給をするかどうかを判断しなければなりません。
 
さらに、受給できる年金の総額が減る可能性があることも欠点の1つといえます。具体的には、繰下げを行った後に長生きしないと、もらえる年金総額が減ってしまう場合があるのです。
 

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年金を繰下げ受給した場合、何歳まで生きるとお得になるのか

上記より、繰下げ受給の制度を利用したときには、長生きしないと損をしてしまう場合があることがわかりました。では何歳まで生きるとお得になるといえるのでしょうか。
 
実際には繰下げ受給を開始する年齢や、年金額により変わるので一概には言えないのですが、例として、70歳から繰下げ受給し、月々15万円、年額180万円の年金を受給する場合について。
 
このケースだと、81歳まで生きると65歳から受給できる年金の受給総額を上回ります。また、請求時の年齢が70歳0ヶ月だと、年額75万6000円の増額となります。
 
なお、調査によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が約81歳、女性が約87歳です。平均寿命と自分の健康状態を照らし合わせて、繰下げ受給を行うかどうかを慎重に検討するようにしましょう。
 

年金を受け取る年齢は慎重に決めよう

年金を65歳以降に繰下げ受給すると、増額した金額を受け取ることができます。そのため、健康に自信のある方などは、繰下げ受給を検討するのも良いでしょう。ただし、年金支給を遅らせると、税金の負担が大きくなるといったデメリットもあります。なお、繰下げ受給は1度手続きをしてしまうと、取り消しができないので、注意しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

日本年金機構 年金の繰下げ受給

日本年金機構 加給年金額と振替加算

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー