更新日: 2023.05.24 厚生年金

厚生年金には「満額」がない? 受給できる年金額の最高はいくら?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

厚生年金には「満額」がない? 受給できる年金額の最高はいくら?
「厚生年金の満額」という言葉を、耳にしたことがあるでしょうか。実は、厚生年金には正確な満額というものは存在しません。
 
この記事では、厚生年金のしくみを解説し、受給できる最高額がいくらなのか、どんな条件が必要なのか、また、年金額を増やす方法についてもご紹介します。
 
年金に関する正確な情報は、老後の生活設計に欠かせない知識です。ぜひこの機会に学んで、安心で充実した老後を迎えましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

厚生年金のしくみ

厚生年金は、働いた期間や賃金に応じて支給される社会保障制度の一つで、国民年金と並んで日本の年金制度の柱となっています。厚生年金は、基本的には会社員や公務員などの厚生年金保険に加入している人が対象となります。
 
厚生年金の受給額は、加入期間と平均標準報酬額に基づいて計算されます。加入期間は、加入している期間の総月数で、平均標準報酬額は過去の賃金の平均額になります。この2つの要素を掛け算し、所定の係数をかけることで、報酬比例部分の年金額が求められます。
 
厚生年金には「満額」という明確な上限額は存在しないため、受給額は個々の加入者の状況によって異なります。しかし、最高額を知ることで、自分の将来の年金受給額を見積もる参考になります。
 

受給できる年金の最高額とその条件とは

厚生年金は、いくつかの条件がそろうことで受給額が最高に近づくことができます。
 
まず、加入期間が長いほど受給額が高くなります。最高額を受け取るためには、基本的には加入期間が40年以上あることが必要です。これは、老齢厚生年金の受給資格は老齢基礎年金を受け取れる方(受給資格期間10年以上)に厚生年金の加入期間がある場合、最高額を得るためのさらに長い加入期間が求められるためです。
 
次に、賃金も受給額に影響します。一般的に、賃金が高いほど年金額も高くなります。最高額を受け取るためには、一定期間以上高収入を維持することが求められます。
 
また、受給開始年齢も重要な条件です。年金の受給開始年齢は、原則として65歳ですが、繰下げ受給をして75歳まで延期することもできます。繰下げ受給で受給開始年齢を遅らせると、年金額は最大で84%増加します。これらの条件がそろうことで、厚生年金の受給額が最高に近づくことができます。
 

年金額を増やす方法について

年金額を増やす方法にはいくつかのポイントがあります。まず、加入期間を長くすることが重要です。加入期間が短い場合は、積極的に働く機会を増やし、加入期間を延ばすことを検討しましょう。
 
次に、賃金を上げることも効果的です。キャリアアップやスキルアップを図り、賃金が上昇するよう努力しましょう。また、賃金が高い業界や職種への転職が実現できれば効果的です。
 
さらに、繰下げ受給で受給開始年齢を遅らせることも有効です。受給開始年齢を遅らせることで、年金額は増加します。働き続ける意欲があり、健康状態が許す場合は、年金受給開始年齢の延期を検討してみましょう。これらの方法を組み合わせることで、将来の年金額を増やすことができます。早めに計画を立て、安定した老後の生活を実現しましょう。
 

年金額を増やすためにポイントをつかんで行動しよう

厚生年金には明確な「満額」が存在しないため、受給額は加入期間や平均標準報酬額によって異なります。最高額を目指すには、加入期間を長くすることが大切であり、賃金を上げる努力も欠かせません。さらに、受給開始年齢を遅らせることで年金額を増やすことが可能です。
 
老後の安定した生活を迎えるためには、早めに計画を立てて準備しましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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