2018.01.08税金

「年収 103万円の壁崩壊」2018年から女性の働き方が変わる!?

Text : 福島佳奈美

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2018年1月から配偶者控除が受けられる年収が「103万円以下」から「150万円以下」に変更になります。これまで、配偶者控除を受けるために年収を抑えて働いてきた女性も多かったため「年収103万円の壁」と言われてきましたが、2018年以降の女性の働き方はどうなるのでしょうか。

配偶者控除ってそもそもどんな制度?

配偶者控除とは、一定の年収以下の配偶者がいる場合に所得控除を受けられる仕組みです。サラリーマンの夫とパートで働く主婦というケースでは、2017年末までは妻の年収が103万円以下なら、夫が自分の所得から38万円を控除できます。結果として夫の所得税と住民税が安くなるという仕組みです。妻自身も住民税は発生しますが所得税はかかりません。
 
また、妻の年収が配偶者控除を受けられる上限を超えても、段階的に所得控除が受けられる「配偶者特別控除」があり、急激に夫の税金が増えることはありません。2017年末までは妻の年収が141万円未満までなら夫は配偶者特別控除を受けることができます。但し、夫の合計所得が1,000万円以下である必要があります。
 

2018年の改正でどう変わる?

2018年1月以降は、配偶者控除の上限額が年収103万円から150万円に引き上げられます。また、これまでは配偶者控除を受けられる方(夫)に所得制限はありませんでしたが、2018年以降は給与収入が1,120万円を超えると段階的に控除額が縮小され、1,220万円を超えると控除が受けられなくなってしまいますので注意が必要です。
 
同時に配偶者特別控除も上限額が年収ベースで141万円から201万円に引き上げとなり、夫の給与収入が1,120万円を超えると段階的に控除額が縮小されます。
 


 

女性の働き方に与える影響は?

今回の配偶者控除制度の改正で、女性は年収150万円の上限まで働く方向に進むのでしょうか。ですが、女性の働き方を考える上で、社会保険料の負担がもう一つの大きな壁となっていることを忘れてはいけません。
パート等で働く女性が社会保険料を負担する目安となる年収は、会社の規模によって「106万円」か「130万円」になります。
 
女性が自分で社会保険料を負担するとなると、将来の年金額が増えたり、病気等で働けなくなった場合に傷病手当を受けられたりするなどのメリットはあるものの、手取り額が目に見えて減ってしまうことがネックになることも考えられます。
 
また、妻の収入が一定額以下の場合、夫の会社から家族手当や扶養手当という名前で月数万円の手当が支給されている場合もあり、配偶者控除の制度が変わっただけでは、妻の働き方への影響は少ないとも言われています。
 
但し、夫が自営業などの国民年金の第1号被保険者の場合には、妻が働き方を調整する必要はありません。
 
これからの女性は、税制や社会保険制度にとらわれずに大きく年収を増やしていくか、税や社会保険料を負担しなくても良い年収の範囲内で働くのか、大きく分かれていくことが考えられます。女性の働き方を考える際、目先の手取り額だけで考えるだけでなく、その後のキャリア形成なども含めて総合的に考えていく必要がありそうです。
 
Text/福島佳奈美(ふくしま・かなみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー
ふくしまライフプランニングオフィス 代表
http://kakeifp.com/

福島佳奈美

Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー、ふくしまライフプランニングオフィス代表

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFP®)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、活動を行っている。女性のためのライフプランニングを得意とする独立系FP。 http://kakeifp.com/