更新日: 2019.05.17 その他税金

その売上、課税されるかも!? アプリでの中古品売買にかかる税金を理解しよう

その売上、課税されるかも!? アプリでの中古品売買にかかる税金を理解しよう
メリカリやフリルなど、不用品売買のアプリが人気ですね。気軽に出品し取引ができるため利用者も広がっていますが、実は物によっては課税対象で確定申告が必要かもしれません。
 
実は知らぬ間に脱税しているなんてことがないように、どんな場合に課税されるのか、しっかり把握しておきましょう。
 

フリマアプリでの売り上げ金は、何税の対象?

税金にはたくさんの種類がありますが、所得に課税されるものが所得税です。所得には給与所得をはじめとして、沢山の区分がありますが、主に、その収入(所得)を何で得たかによって区分されており、銀行の利息などは利子所得、株などの配当金を受け取った場合には配当所得、また事業を行って利益を得た場合には事業所得となります。
 
さて、フリマアプリでの売上金は何に該当するのでしょうか? 所得税法上、フリマアプリでの売買は、ご自身の資産の譲渡による所得と考えられ、譲渡所得とされています。
 

フリマアプリの売上金は、課税対象?

原則として譲渡により所得が発生した場合には、譲渡所得として課税対象となるのですが、非課税になるケースがあり、一般的にフリマアプリでの自分の衣服や生活用品を販売したことによる所得は、非課税ケースに該当します。
 
個人が所有する衣服や生活用品は生活の用に供する資産で、生活に通常必要な動産に該当し、これらを譲渡したことによる所得は、原則として非課税となっているのです。
 

非課税対象からはずれるものもある!

先ほどお伝えしたように、原則として個人の衣類や生活用品の譲渡による所得は非課税となりますが、例外もあります。1個または1組の価格が30万を超える貴金属、書画、骨とう品、美術工芸品などは、譲渡による非課税対象からは除外され、譲渡所得として課税されます。
 
また、いくら個人間のやり取りとは言え、その譲渡行為を事業目的で継続的に行っている場合には事業所得、または雑所得として課税されますので注意が必要です。
 

買った値段より安くしか売れなかった損失は?

所得税の計算の過程で、損益通算という考え方があるのですが、これは例えば利益を上げた株と、損失がでた株があったとしたら、その損益を通算することができるというもの。
 
フリマアプリで販売する場合にも多くの場合には、買った値段よりも安い値段での取引となり、金額の行き来だけみれば損失とみることができますが、残念ながら生活の用に供する動産の譲渡による譲渡所得は、損益通算不可となっています。
 

ケーススタディでチェック!

実際にありそうなケースで課税か非課税か、チェックしてみましょう。最初の例は、会社員Aさんのケース。
 
Aさんは、ご自身で使っていた衣類やバッグをアプリを利用して販売したところ、3万円で売れました。この場合、販売したのは、”生活の用に供する動産”であり、かつ価格が30万円以内でしたので、非課税となります。
 
次に、Bさんのケースです。Bさんは専業主婦で、自分でアクセサリーを作り、継続的に販売をこなっています。この場合、Bさんは販売を目的としてアクセサリーを作り、売っていますので、アクセサリーは、”生活の用に供する動産”とは言えず、かつ継続的に販売していることから、事業目的となり事業所得、もしくは雑所得の課税対象に該当します。
 
Bさんは専業主婦ですが、当該所得が基礎控除額を超えるなど課税対象の金額に到達している場合、確定申告を行う必要があります。
 
最後はCさんのケースです。Cさんは、自分が大切に利用していたブランド物の時計(購入時40万円)を、ネット上で販売したところ、プレミアがついていたこともあり、50万円で売れました。
 
この場合、販売した時計は価値が30万円を超えるため、非課税対象からは外れることになり、譲渡所得の課税対象となります。Cさんの場合、40万円で購入したものを50万円で販売しましたので、10万円が譲渡所得となります。ただし、ちょっと難しいのですが、譲渡所得には特別控除額が設定されており、長期(短期)譲渡所得の合計で50万円までが控除となりますので、Cさんの場合、譲渡所得の10万円は50万円以内となり、実質の課税対象は0円となります。
 

課税か非課税か、確認するポイントは3つ

譲渡した品物は、”生活の用に供する動産”かどうか?価値が30万円を超えているか?事業目的として継続的に販売してはいないか?
 
いかがでしたか?手軽で便利なフリマアプリですが、特に高額なものを取引する場合や、ご自身のハンドメイド作品を販売する場合には課税対象となる場合もあります。
 
昨今ではこうしたフリマアプリの浸透を受け個人間取引に対する課税強化の動きも見えてきていますので、ご自身の取引行為が課税対象となるかどうかしっかり確認しながら利用してみてくださいね。
 
後藤 あき (ごとうあき)
ファイナンシャルプランナー(AFP)

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