公開日: 2020.01.07 税金

保険適用外の出産費用が戻ってくる? 医療費控除の活用方法

執筆者 : 杉浦詔子

おめでたいはずの出産ですが、「医療費が予想以上にかかる」という悩みの声を聞くことがあります。
 
出産時の入院や通院は、健康保険の3割負担の対象外。全額自己負担となり、一般的に40〜50万円ほどの費用がかかるとされています。
 
しかし、医療費控除をすることで、出産費用の一部が返ってくることを知っていますか? 医療費控除の金額や手続きについて紹介します。
 
杉浦詔子

執筆者:

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

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杉浦詔子

執筆者:

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

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医療費控除の基礎知識。そして、出産で対象になる費用は?

医療費控除とは、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費を、確定申告時に申請することで所得控除が受けられる制度です。対象となる医療費は、病気やけがなどの入通院費用にくわえ、出産に関わる入通院費用も含まれます。
 
出産に関わる費用で医療費控除の対象となるは、
・妊娠がわかった後の定期検診や検査
・分娩費など出産にともなう入院費用
・通院のための交通費
・出産で入院するとき、公共交通機関での移動が困難なときに利用するタクシー代
・病院に対して支払う入院中の食事代
などです。
 
一方で、医療費控除の対象とならないものは、
・病院や医師への謝礼
・入院のためのパジャマや洗面用具などの購入費
・里帰り出産の帰省の交通費
・入院中の外食や宅配サービスの利用
などです。
 
電車代やバス代などの通院費用は領収書がなくても、家計簿などに記録しておくなどして、かかった費用を明確にしておけば、費用として申請できます。

医療費控除の対象になる出産費用を計算

医療費控除の対象となるのは、「出産に関わる費用として支払った金額から、健康保険で支給される出産育児一時金(出産一時金)を差し引いた額」です。以下のような計算式で算定できます。
 
出産費用として支払った金額-出産一時金=医療費控除の対象額
 
例えば、出産費用の総額が100万円で一時金が42万円のとき、は下のような計算式になります。
【出産費用(100万円)−出産一時金(42万円)=医療費控除の対象額(58万円)】
 
出産費用の100万円から42万円を引いた58万円が医療費控除の対象額です。
上記は、出産費用が一時金を上回る場合ですが、出産費用が一時金を下回ることもあります。
 
例えば、出産費用が30万円で、一時金42万円の場合です。出産費用より一時金が多いため、医療費控除の対象額は0円になります。なお、出産費用の方が少なくても一時金42万円は全額受け取ることができます。
 
今日では多くの病院で、「出産育児一時金の直接支払制度」が導入されていることもあり、出産時にかかった費用の全額を病院の窓口で支払うことは少なくなっています。
 
この制度は、病院が妊婦に代わり、行政から直接、一時金の請求と受け取りを行うというもの。出産する人は、退院時に一時金を超えた分の出産費用を支払うだけで済みます。
 
一時金が42万円で、出産費用が100万円の場合、58万円を病院窓口で支払います。出産費用が30万円のとき支払いは不要で、差額の12万円を健康保険から受け取ることができます。

実際に戻ってくる出産費用はいくら?

先ほど算出した、出産時の医療費控除の対象となる金額は、全てが還付されるわけではありません。実際にどのくらいが戻ってくるのか、医療費控除額の計算方法を確認しましょう。
 
医療費控除では、所得が200万円以上の方は、支払った医療費のうち、10万円を超えた額が控除されます。
 
<医療費控除額の計算式>
(実際に支払った医療費の合計額-保険金等で補填された金額)-(10万円※)=医療費控除額
(※所得が200万円未満の人は所得の5%を超えた部分)
 
医療費控除は所得控除のため、申告すればその額がまるごと戻ってくるというわけではありません。医療費控除額に課税所得額に応じた税率を掛けた額が還付される点に注意しましょう。
 
出産費用が70万円、一時金42万円の場合、医療費控除額は
(70万円-42万円)-10万円=18万円です。
 
このケースで、課税所得が300万円とすると所得税率は10%であり、控除額18万円×所得税率10%=1万8千円が医療費控除での所得税の還付金と試算できます。
 
また、課税所得額が180万円の場合は、所得税率は5%です。控除額18万円×所得税率5%=9千円が医療費控除による所得税の還付金と試算できます。
医療費控除額が同じ場合、課税所得が高いほうが還付される額は大きくなります。

医療費控除を受けるための事前準備・確定申告の流れ

会社から給料をもらっている給与所得者も、医療費控除は確定申告で行う必要があります。確定申告をするために、会社から発行された源泉徴収票を保管し、医療費控除の対象となる費用の領収書やレシートを集めておきましょう。
 
領収書から医療費の明細書を作成。源泉徴収をもとに確定申告書Aを作成し、税務署に提出します。提出後は、数週間で所得税還付金の通知書が届きます。
 
2019年には、ネットで確定申告できるID・パスワード方式もはじまり、税務署に行かなくても済むようになりました。その場合、税務署でIDとパスワードを発行してもらい、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成します。申告書はホームページ上で送信可能です。
 
確定申告書を作成し税務署に提出しても、ホームページで申告書の作成と送信しても、還付金額は同額です。手続きしやすい方法で申告しましょう。
 
【出典】
国税庁「No.1124 医療費控除の対象となる出産費用の具体例」
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

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