公開日: 2020.01.29 税金

扶養控除って何?働き方の壁、たくさんあるけど何が違うの?

「扶養に入りつつ働きたい場合、月いくらの収入が上限になるの?」「そもそも扶養控除って何?」など、扶養控除に関することを詳しく解説します。
 
 
FINANCIAL FIELD編集部

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「扶養」って何?

「扶養」とは専業主婦や子どもなど、収入がない、または少ない人を経済的に援助することを指し、「扶養控除」とは、納税者に扶養する者がいる場合、税金負担を軽くすることをいいます。
 
この扶養控除には「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2つがあります。以下で詳しく解説します。

・税制上の扶養

主に所得税と住民税が所得控除されます。税制上の扶養には「配偶者控除」と「配偶者特別控除」があります。
 
配偶者控除とは、配偶者が年間収入103万円以下の場合、最大38万円が控除されます。配偶者特別控除とは、配偶者の年間収入が103万円超でも、201万円までは納税者の負担が軽減される、というものです。

・社会保険上の扶養

主に社会保険に関する扶養で、被扶養者は保険料を負担せずに健康保険を利用できます。
 
扶養控除を受けられるのは、上の世代では、父母・祖父母・宗祖父母・高祖父母。下の世代では、子・孫・ひ孫・曾孫・来孫・昆孫などの、6親等内の親族。または3親等内の姻族となっています。姻族とは結婚した配偶者の親族です。
 

配偶者の扶養控除にまつわる「◯◯万円の壁」

扶養内で、賢く、働くためには、「税制上・社会保険上の壁」を知っておく必要があります。
 
まずは「税制上の壁」について説明します。住民税は100万円を超すと、所得税は103万円を超えると発生します。これらを「100万円の壁」、「103万円の壁」といいます。
 
また150万円の壁というものもあります。これは「配偶者特別控除」38万円が受けられる上限のことです。しかし、ここまでくると配偶者控除も夫の年収により控除額が変化します。
 
「社会保険上の扶養」では、「106万円の壁」というものがあります。保険加入義務が発生する場合があるラインのことです。発生基準は収入以外に、勤務日数や時間などを合わせて総合的に判断されます。
 
また「130万円の壁」もあります。これを超えると、それまで入っていた社会保険の扶養から外れ、自分で社会保険に加入しなければならない可能性がでてきます。これらを考慮して働けば、社会保険扶養に入りつつ、税金の控除も受けられます。
 

年収の計算方法

年収を計算したい場合は、「月収×12ヶ月」で計算します。もしボーナスがあれば足してください。年収とは1月1日~12月31日までの給与のことです。
 
業務中の交通費(通勤手当など)が年収に反映されるかは「税制上」「社会保険上」で異なります。 税制上では年収には含まれませんが、社会保険上では含まれるので注意が必要です。
 
それでは、もし夫の保険に被扶養者として入る場合、ひと月当たりの上限収入はいくらでしょうか?被扶養者とは社会保険上の扶養を受ける人のことです。社会保険の扶養に入るためには、年収が130万円以下である必要があります。
 
年収130万円を12ヶ月で割ると、ひと月の上限収入が分かります。
130 ÷ 12 = 10万8334円
よって、上限は10万8334円になります。
 
例えば、時給1000円、交通費250円のお仕事を週4回、6時間勤務するとどうでしょうか。
4 日× 6時間= 24時間(週)
24時間 × 4週 = 96時間(月)
96時間 ×1000円(時給)= 9万6000円
250円(交通費)×16日(月間出勤日数)=4000円
9万6000円+ 4000円 = 10万円
ひと月10万円となり、1年の収入は120万円で社会保険上の扶養内に収まります。
 
このように、「何時間、週に何日出勤するといくら」という計算をすると、扶養に入りながら働くことができますし、安心につながります。年収の目標金額を決めて、そこから逆算していくのも月いくら稼ぐかの目安になります。
 

扶養控除を受けるにはどんな手続きが必要?

扶養控除を受けるには「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という書類が必要です。これは年末調整時の必要な書類の1つでもあります。扶養控除等申告書は、扶養家族に関する情報を記入し、勤め先の会社に提出します。
 
提出するタイミングとしては、継続して勤めている会社なら年末調整時、新しい職場なら最初の給与が支払われる前となっています。
 

もし扶養を外れて社会保険に入ると損になることも?

上記で述べたように、社会保険上の扶養に入り続けるためには、月に最大10万円程度の収入となります。「もっと稼ぎたい」と考える方の中には、扶養外になって社会保険に入ろうかと思っている方も少なくありません。しかし、扶養外になると損をしてしまうかもしれません。
 
自身で社会保険に加入することで、社会保険料の支払いが増えてしまい、扶養内で働いている人と変わらない手取りになってしまう可能性もあります。もし夫の勤め先で、配偶者手当等が支給されている場合、扶養外になるともらえません。
 
このように、無理をして扶養外で働くと損をする、と感じてしまう場面は多々あります。
 

配偶者以外の扶養控除

それではここからは配偶者以外の親などの扶養控除について解説していきます。
 
70歳未満の親を扶養に入れる場合、「一般の控除対象扶養親族」(※)に該当するので、所得税38万円、住民税33万円の税制上の所得控除を受けることができます。
 
70歳以上の親を扶養に入れる場合、「老人扶養親族」に該当します。その場合、同居している場合は所得税58万円(非同居の場合は48万円)、住民税45万円の税制上の控除を受けることができます。
 

よくある質問や勘違い

確かに社会保険上では年収が130万円以内なら、扶養に入ることはできます。しかし、社会保険に入る必要があるか否かは、年間収入だけでなく、勤務時間や日数なども考慮され総合的に判断されます。そのため100%安心というわけではありません。
 
もし連続して数ヶ月だけたくさん働いてしまった場合でも、年収が130万円を超えなければOKなのでしょうか?
 
130万円は一つのボーダーですが、2016年に社会保険の適用範囲(※2)が拡大し、以下の全ての条件を全て満たした場合、自分で社会保険に加入しなくてはなりません。
 
1.1週間の所定労働時間が20時間以上
2.月額賃金8万8000円以上
3.継続勤務1年以上が見込まれる
4.従業員数501人以上の企業
5.学生は除く

 
もしこれらに該当すれば、自分で社会保険料を払わなければならないので注意が必要です。また、130万円は「社会保険上の扶養」で「税制上の扶養」は103万円からですので、混同しないようにしてください。
 

まとめ

ここでは「扶養」について解説しました。扶養控除には「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があり、それぞれ壁となる金額も異なります。
 
扶養に入りつつ、損をしないで収入を得るためにも、前もって目標収入や労働時間を計算しておくと、安心して働くことができることでしょう。
 
出典
(※)国税庁 No.1180 扶養控除
(※2)厚生労働省 平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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