最終更新日: 2020.10.30 公開日: 2020.10.31
税金

コロナ予防で購入したマスク・消毒液代は「医療費控除」の対象になる? ならない?

執筆者 : 遠藤功二

新型コロナウイルスの流行により、2020年前半はマスクの価格が大変高騰しました。ドラッグストアの店頭ではマスクの売り切れが続出し、使い捨てマスクは50枚入りで1箱3000円を超える価格がついていました。
 
多くの家庭で2020年はマスクと消毒液の出費がかさんだことと思いますが、「感染症予防のために購入したマスクと消毒液は、医療費控除の対象になるのではないか?」と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
 
その答えについて、医療費控除の制度を見ながら解説していきます。
 
遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

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遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

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医療費控除とはどのような制度か

医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までの間に、自分または生計が同じ配偶者や親族のために支払った医療費が一定額を超えた場合、負担した医療費の一部に対して所得控除を受けることができる制度です。
 
医療費控除は、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)に分けられます。それぞれの制度を見ていきましょう。
 

通常の医療費控除

通常の医療費控除は、その年の医療費が10万円を超えた方が対象になります。実際の医療費控除の計算式は下記のとおりです。
 
実際に払った医療費の合計額 - 保険金などで補てんされる金額 - 10万円 = 医療費控除の金額(最高200万円)
 
保険などで補填される金額とは、生命保険の給付金や健康保険などで支給される高額療養費、家族療養費、出産育児一時金などです。
 

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

セルフメディケーション税制は、2017年1月1日から2021年12月31日までの間に、病院や診療所などで治療のために処方される薬剤との代替性が高いものとして定められた特定一般用医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入費の一部に対し、所得控除を受けられる制度です。
 
控除を受けられる金額の計算式は以下のとおりです。
 
スイッチOTC医薬品の購入額(保険金などで補てんされる金額を除く) - 1万2000円 = セルフメディケーション税制利用の医療費控除額(最高8万8000円)
 
ただし、セルフメディケーション税制を受ける場合は、人間ドック、健康診断、予防接種、がん検診など、健康の保持増進と疾病の予防への一定の取り組みを行っている必要があります。また、通常の医療費控除との選択適用になります。
 

医療費控除の対象外

基本的に、治療のためではない支出は医療費控除の対象外となってしまう可能性が高いといえます。
 
医療費控除の対象外の例として人間ドックや健康診断の費用があげられますが、これらは予防のためであって、治療のための費用ではありません。また、一般的な近視や遠視の方が日常生活のために購入する眼鏡は、医師の治療を受けて視力の回復を促すために直接必要なものではないことから医療費控除の対象外です。
 
一方で健康保険の対象外であってもレーシック手術などは、治療のための費用として医療費控除の対象になっています。
 

マスクや消毒液は医療費控除の対象にならない

ここまで見てきたとおり、医療費控除は原則、治療のための医療行為の費用が対象になっています。そのため、感染症予防のためにドラッグストアなどで購入したマスクや消毒液の購入費用は医療費控除の対象にはなりません。スイッチOTC医薬品の購入費用について控除を受けられるセルフメディケーション税制も対象外です。
 
なお、セルフメディケーション税制の対象となるスイッチOTC医薬品は、購入時の領収書などに対象である旨が表示されています。また、一部のスイッチOTC医薬品のパッケージには対象マーク(共同識別マーク)が記されているので、購入の際に確認することが可能です。
 

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まとめ

高齢化社会が進む日本では、社会保障費が上昇を続けています。医療費を抑えるためには、疾病の予防が重要であることはいうまでもありません。
 
新型コロナウイルス対策で購入したマスクや消毒液は対象とはなりませんが、医療費控除の中ではセルフメディケーション税制のように「予防」の観点が生まれています。今後も予防に関する医療費の制度には注目していきましょう。
 
出典
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 No.1132 セルフメディケーション税制の対象となる特定一般用医薬品等購入
国税庁 No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】
国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
 
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

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