最終更新日: 2021.03.19 公開日: 2021.03.22
税金

年収800万と世帯年収800万。税負担には一体どれだけの違いがある?

執筆者 : 柘植輝

年入800万円と聞けば、多くの方が高収入というレベルの収入でしょう。しかし同じ800万円であっても、それが個人での年収なのか、それとも世帯年収なのかによって税負担が大きく異なるのです。
 
柘植輝

執筆者:

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

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年収800万円の税負担はどれくらい?

まず、単に年収800万円の方の税負担を確認してみましょう。簡易に計算するため次のような条件とします。

・東京都在住
・年収800万円(平均月収66万円で賞与は無し)
・専業主婦の妻のみ扶養(一般の配偶者控除38万円)
・介護保険料については支払いがないものとする
・住民税は控除後の課税所得の10%と想定
・令和2年9月1日時点にて計算日

所得税をはじめとする各種租税公課の負担は、おおむね以下のようになります。
 

所得税 約40万円
住民税 約41万円
健康保険料 約38万円(月3万2077円)
厚生年金保険料 約70万円
合計 約189万円

※筆者作成
 
上記の試算から、およそ190万円近い金額が主な租税公課の負担額となります。
 

世帯年収800万円の税負担はどれくらい?

次に、共働きで世帯年収800万円の場合を計算してみましょう。例として下記のような条件を想定します。

・東京都在住
・夫は年収500万円(平均月収42万円)、妻は年収300万円(平均月収25万円)
・夫婦ともに扶養なし
・介護保険料については支払いがないものとする
・住民税は控除後の課税所得の10%と想定
・令和2年9月1日時点にて計算

夫婦合算
所得税 約14万円 約6万円 約20万円
住民税 約24万円 約11万円 約35万円
健康保険料 約24万円 約14万円 約38万円
厚生年金保険料 約45万円 約29万円 約74万円
合計 約107万円 約60万円 約167万円

※筆者作成
 
主な租税公課の合計は夫で約107万円、妻で約60万円、夫婦合算して約167万円という結果になりました。
 

年収800万円と世帯年収800万円で差が出た理由は?

単身で年収800万円を稼ぐと主な租税公課が約189万円発生し、片や世帯年収800万円では約167万円という試算結果でした。この約22万円の差は、どこから出てきたのでしょうか。
 
理由はいくつか考えられるのですが、その1つとして所得税があります。下記の表をご覧ください。
 


 
課税される所得金額、つまり収入が高ければ高いほど、税率が高くなるように設定されています。
 
単身での年収800万円の場合、課税所得金額は420万円程度で所得税率は20%が適用されますが、同じ800万円でも500万円、300万円と所得が分散された場合、所得税率はそれぞれ10%、5%と単身よりも低い税率がかけられることから、世帯年収800万円の方が税金の負担が小さい結果になったのです。
 
その他にも、基礎控除(所得が2400万円以下であれば48万円の所得控除が受けられる)は年収800万円では1人しか適用が受けられませんが、世帯年収800万円では夫婦2人に適用される点なども租税公課の試算結果に差が出た理由としてあります。
 
また、今回は夫婦ともに課税対象で800万円としましたが、一方が年収700万円ほどで、もう一方が扶養の範囲で年収100万円程度という形にすれば、単身の年収800万円と世帯年収800万円との税負担、社会保険料の負担分を合わせた差はさらに大きくなります。
 

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総収入が同じでも働き方によって税負担は大きく異なります

日本は超過累進課税により、所得に比例して税率が高くなる仕組みが取られているため、基本的には収入が高ければ税率も高くなります。そのため、同じ年収800万円でも夫婦どちらか一方が稼ぐよりは、夫婦合わせた世帯年収800万円の方が税制面では有利といえます。
 
また、夫婦共働きであれば、どちらか一方が病気などで働けなくなったとしても世帯の収入が途絶えないというメリットもあります。
 
働き方を考える際は総収入だけでなく、そこから発生する税制面などの差も考慮し、より負担が小さくなるようにすることで、家計管理において見える世界が変わってくるかもしれません。
 
出典
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表
全国健康保険協会 令和2年度保険料額表(令和2年9月分から)
国税庁 所得税のしくみ
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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