公開日: 2021.04.19 税金

「共働き」と「片働き」、税金の面で比較するとどうなる?

執筆者 : 遠藤功二

「共働きをすると、配偶者が扶養から外れることで世帯主の配偶者控除が使えなくなると聞いたけど、税金上どれだけ不利になってしまうものなのか」と心配されている方は多いと思います。
 
配偶者の所得が一定水準を超えると、配偶者控除が使えなくなるばかりか、配偶者の納税義務も発生し、家計全体の納税額は上昇する可能性があります。
 
しかしそういった家庭ほど、工夫次第で可処分所得が変わってきます。この記事では、共働きにより増加する税金と納税者が利用できる制度について解説します。
 
遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

遠藤功二

執筆者:

執筆者:遠藤功二(えんどう こうじ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券とオーストラリア・ニュージーランド銀行の勤務経験を生かし、お金の教室「FP君」を運営。
「お金のルールは学校では学べない」ということを危惧し、家庭で学べる金融教育サービスを展開。お金が理由で不幸になる人をなくすことを目指している。

配偶者控除、配偶者特別控除が利用できなくなる

配偶者控除は配偶者を扶養している場合、所得税の計算上、最大で38万円が所得控除できる制度です。配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が48万円以下(配偶者が給与所得者の場合は、給与収入が103万円以下)の場合に利用できます。
 
また、配偶者の合計所得金額が48万円超の場合は配偶者特別控除が利用可能です。配偶者特別控除も最大の所得控除金額は38万円となっており、配偶者の合計所得金額によって段階的に、所得控除額が引き下がる制度になっています。
 
配偶者特別控除が最大限に使える配偶者の所得は、合計所得金額で48万円超95万円以下(給与収入の場合、103万円超150万円以下)となるため、仮に共働きをした場合でも、この程度の収入までであれば配偶者特別控除が利用できるということになります。
 
ここで1つ留意点があります。配偶者控除、配偶者特別控除ともに、納税者本人の収入制限もあるということです。
 
この2つの制度は納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合に満額適用できますが、合計所得金額が900万円超950万円以下、950万円超1000万円以下と上がるにつれて所得控除できる金額は減額され、合計所得金額が1000万円超の場合は配偶者控除、配偶者特別控除のいずれも適用できなくなります。
 
つまり、世帯主の合計所得金額が一定の金額より高い場合は、配偶者控除、配偶者特別控除はどちらにしても使えないということです。
 
配偶者控除、配偶者特別控除は住民税にも適用され、住民税の場合の配偶者控除の最大控除額は33万円となり、所得税の制度と同様、納税者、配偶者ともに合計所得金額が上がるごとに所得控除の金額が下がっていきます。
 
会社の年末調整もしくは確定申告で、所得税における配偶者控除、配偶者特別控除の申告を行っている方は、住民税にも適用されるので安心です。
 
ここで、配偶者控除が満額適用できた場合の税金の影響を簡便な形で例示します。
 

【配偶者控除、満額利用時の税金への影響】

納税者の所得税率が20%の場合で計算
38万円×20%=7.6万円
住民税率10%(所得割部分)で計算
33万円×10%=3.3万円
結果、合計10.9万円分の納税負担が軽減されている。

 
さらに、配偶者自身に納税義務が生じることも加味すると、世帯全体の納税金額が大きくなる可能性は高くなります。しかし、税金面だけでなく、そもそもの手取り収入が増加することをかんがみて総合的に判断すると良いでしょう。
 

納税額負担軽減の制度を利用する

上記の計算のとおり、共働きをすることで納税額が増加する可能性は高くなります。そこで、納税の負担を緩和する制度の利用を検討するのが有効です。
 

ふるさと納税を配偶者も利用する

ふるさと納税は、地方自治体などに2000円を超える寄付を行った場合、一定額が所得税からは所得控除、住民税からは税額控除される制度です。寄付の金額を税還付される金額の範囲内に抑えれば、家計の支出の増加は2000円にとどめた上で、数万円以上の寄付ができる場合もあります。
 
寄付をする際にも、資金使途を「インフラ整備」や「教育事業資金」などのように選択できる場合もあるので、納税地域と税金の使い道の指示ができ、納税者としては納得感が得やすい制度といえます。
 
さらに自治体によっては、寄付をした方にお礼の品(返礼品)を送っている場合もありますので、納税者、自治体ともにうれしい制度でしょう。また、共働きの家庭は、所得金額によっては夫婦ともにふるさと納税の利用が可能になる場合もあります。
 

住宅ローン控除を夫婦ともに利用する

住宅ローン控除は、住宅借入金の一定額が所得税から税額控除される制度です。所得税から引ききれなかった場合は、住民税から控除されます。住宅ローン控除の制度は、住宅購入時の諸条件によって税額控除できる金額が異なります。
 
例えば、住宅ローンを2000万円借りている方で住宅ローン控除が適用される場合は、最大で年間20万円の所得税還付が受けられる可能性があります。最新の制度は国税庁のホームページで確認しましょう。
 
最近は、夫婦の収入を合算して住宅を購入する方が増えています。住宅ローンを組む際に連帯債務やペアローンといった形を取れば、夫婦両方が住宅ローン控除を使うことができます。もちろん借り過ぎは禁物ですが、共働きで納税額が増える方は利用の可能性を検討すると良いでしょう。
 

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まとめ

共働きをすると、非消費支出(社会保険料、税金)が増加する可能性は高くなります。可処分所得の増加を図るためにも、各種の制度を使いこなすことが肝要になります。
 
参考
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 No.1195 配偶者特別控除
 
執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)