更新日: 2023.01.31 控除

確定申告をすれば住宅ローン控除が受けられる? 申請するにはどうしたらいい?

執筆者 : 中村将士

確定申告をすれば住宅ローン控除が受けられる? 申請するにはどうしたらいい?
個人が住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受けられます。住宅ローン控除を受けるためには、確定申告をする必要があります。
 
本記事では、新築住宅を購入した場合の住宅ローン控除の適用を受けるための手続きについて、解説します。住宅ローン控除の手続きは、控除を受ける最初の年分と、2年目以降の年分で異なります。本記事を読んで、正しい手続きを行ってください。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

控除を受ける最初の年分の手続き

控除を受ける最初の年分は、確定申告をする必要があります。確定申告に必要事項を記載し、所定の書類を添付して、納税地(住所地)の所轄税務署長に提出します。
 
添付書類は、以下のようなものです。
 

・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
・登記事項証明書(土地・建物)
・工事請負契約書(建物)または売買契約書(土地・建物)

 
なお、登記事項証明書については、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書に不動産番号を記載することで、添付を省略することができます。
 
認定住宅等に該当する場合は、以下のような書類も必要となります。
 

・長期優良住宅建築等計画等の「認定通知書」の写し
・低炭素建築物新築等計画の「認定通知書」の写し
・住宅用家屋証明書(特定建築物用)
・「住宅省エネルギー性能証明書」または「建設住宅性能評価書」の写し

 
住宅の区分や居住年により、控除限度額、控除期間などが変わってきます。上記の添付書類は、住宅の区分や居住年を証明するためのものです。きちんと控除を受けるためにも、これらの書類を紛失しないよう気を付けましょう。
 

2年目以降の年分の手続き

給与所得者の場合、2年目以降の年分の控除については、確定申告をする必要はありません。年末調整により、控除の適用を受けることができます。
 
年末調整で控除を受けるには、税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と金融機関から送付される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出する必要があります。
 
給与所得者でない場合、確定申告に必要事項を記載し、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を添付して、納税地(住所地)の所轄税務署長に提出します。
 

まとめ

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、税額控除です。所定の要件を満たすことで、所得税額を減らすことができます。この控除を受けるためには、控除を受けようとする最初の年分について、確定申告をする必要があります。
 
本記事では、控除を受けるための手続きについて、解説をしました。給与所得者の場合、控除を受ける最初の年分については、確定申告が必要です。しかし、2年目以降の年分については確定申告をする必要はなく、年末調整で控除を受けることができます。
 
住宅の区分や居住年により、控除限度額、控除期間などが変わってきます。控除限度額、控除期間などは、控除を受ける最初の年分の手続きによって決まります。このため、最初の手続きがとても重要になります。住宅ローン控除で損をしないためにも、本記事をご理解の上、正しく手続きを行うようにしてください。
 

出典

国税庁 「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー