更新日: 2023.03.20 確定申告

引っ越しで不用品を売ったら「20万円」を超えました。家具や服なら「確定申告」は不要ですか?

執筆者 : 増田賢人

引っ越しで不用品を売ったら「20万円」を超えました。家具や服なら「確定申告」は不要ですか?
会社員であれば、基本的に会社側が年末調整を行うため、確定申告の必要はありません。しかし、会社員でも確定申告が必要なケースがあるので、注意してください。もし確定申告が必要なのに無申告のままにしておくと、後になって税金を払うよう命じられる危険性があります。
 
例えば、断捨離を兼ねて使わなくなった生活用品を売ったら、20万円を超えるお金になったケースです。
 
本記事では不用品販売で20万円を超えて利益が出た場合、確定申告が必要なのか解説します。また、改めて確定申告が必要な会社員の条件をお伝えしつつ、実は確定申告が必要になるパターンを3つ紹介します。もし当てはまっていたら、忘れずに確定申告しましょう。
増田賢人

執筆者:増田賢人(ますだ けんと)

2級FP技能士

FP2級技能士。青山学院大学教育人間科学部卒。在学時からFP2級を取得し、お金に関わるジャンルを得意とするライターとして活動。

その後、上場企業へ入社し、Webマーケティング担当として従事。現在はお金ジャンルを得意とする専業ライターに転身。「お金の知識は知ってるだけで得する」という経験を幾度もしており、全員にお金の基本を身につけてもらいたいと思って執筆を続けている。

不要な生活用品を20万円より多く販売しても確定申告は必要ない

後述しますが、本来ならば給与以外の収入が20万円を超えると確定申告が必要です。しかし、生活用品を販売しても、基本的に確定申告は必要ありません。次の通り、生活に必要な物品は所得税が課税されないと、国税庁のサイトで次のように明記されています。
 
「資産の譲渡による所得のうち、次の所得については課税されません。
(1)生活用動産の譲渡による所得
家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得です。
ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます。」

 
ただし、趣味の道具のような必ずしも生活に必要ないもの、指輪やネックレスなどで1つ30万円を超えるものは例外です。それらの物品を売って20万円を超える利益を得たら、確定申告しましょう。
 

確定申告が必要な会社員の条件

改めて、会社員でも確定申告しなければいけないのはどのような人でしょうか。国税庁の公式サイトに記載されている具体的な条件は、次の通りです。
 

(1)年収2000万円を超える人
(2)給料および退職金以外から20万円を超えるお金を稼いだ人
(3)本業の会社以外から給料をもらっていて、年収20万円を超える人
(4)同族の会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
(5)災害減免法によって源泉徴収の猶予を受けている人
(6)源泉徴収義務のない者から給料をもらっている人
(7)退職所得にかかる税額が、源泉徴収された金額よりも多くなる人

 
特に注意すべき項目は、(2)と(3)です。生活用品の販売は例外でしたが、基本的に本業の給料以外に20万円を超える収入がある場合は、確定申告をしなければいけません。
 

【要注意】確定申告が必要になる3つのパターン

会社員でも確定申告が必要なよくあるパターンとして、次の3つが挙げられます。
 

●副業のアルバイトで年収20万円を超えてしまう
●FXや株式投資などで20万円より多く利益が出た
●年の途中に退職して年末調整を受けていない

 
確定申告が必要か判断するために、それぞれ説明します。
 

副業のアルバイト年収が20万円を超えてしまう

副業のアルバイト分の年収が20万円を超えた場合、確定申告しなければいけません。本業以外から給与をもらっている人になるため、確定申告が必要な会社員の条件の(3)に該当します。
 
アルバイトを副業にするときは、年収20万円を超えないか気をつけて働きましょう。
 

FXや株式投資などの投資で20万円より多く利益が出た

FXやアフィリエイトなどの投資で20万円より多くの利益が出た場合も、確定申告しなければいけません。投資による利益は給料とは別に雑所得として扱われるため、確定申告が必要な会社員の条件の(2)に該当します。
 
本業以外に投資をするときは、いくら利益が出ているかしっかりと把握しておきましょう。
 

年の途中に退職して年末調整を受けていない

年の途中に退職して再就職していない人の場合、在籍していた会社から年末調整を受けることができません。そのため会社に代わって、自分で給料分の確定申告をする必要があります。
 
また、年の途中に退職して、自分で事業を始めた場合も注意してください。その場合は事業による所得に加えて、退職前にもらっていた給料分も確定申告しなければいけません。
 

会社員でも確定申告が必要な場合がある! 自分が当てはまっていないかチェックしよう

生活用品の販売による所得は、基本的に課税対象になりません。一部の例外はあるものの、安心して販売してください。ただし、アルバイトや副業で20万円を超えて稼いでしまうと、確定申告が必要です。今回紹介したパターンに当てはまっていないか改めて確認して、該当したら忘れずに確定申告をしましょう。
 

出典

国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法

国税庁 No.1500 雑所得

 
執筆者:増田賢人
2級FP技能士

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