更新日: 2023.03.24 その他税金

車の税金の「減免制度」って?「エコカー減税」「グリーン化特例」「環境性能割」などについて解説

執筆者 : 田邉史

車の税金の「減免制度」って?「エコカー減税」「グリーン化特例」「環境性能割」などについて解説
車に関する税金が多くて納めるのが大変だという人は多いのではないでしょうか。所有していると自動車税や軽自動車税、取得時には自動車税環境性能割、車検時には自動車重量税がかかります。
 
しかし、環境に優しい車を取得または所有していれば、税制面でさまざまな優遇が受けられ、納税額を抑えることが可能です。
 
本記事では、環境に配慮している車に優遇される税金制度について解説します。車の購入や買い替えを検討する際の参考にしてください。
田邉史

執筆者:田邉史(たなべ ふみ)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

エコカー減税とは?

エコカー減税とは、排出ガス性能や燃費性能が優れている車に、性能に応じて「自動車重量税」を免税・減税する制度です。対象車は、電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車などです。2021年5月1日から2023年4月30日の期間に対象車を新規登録すると、図表1のような特例措置が受けられます。
 
天然ガス自動車は、2018年排出ガス規制に適合していなければなりません。
 
グリーンディーゼル車については、2020年度燃費基準達成の車両に限り、新車新規登録時に2030年度燃費基準を120%達成していれば、初回継続検査時も免税されます。
 
その他、ガソリン車やLPG車、ハイブリッド車は2020年度燃費基準達成の車に限り、図表1のように達成率に応じて税金が軽減されます。
 
新車の新規登録時に免税を受けた車は、初回の継続検査(車検)も免税されます。ただし、車検証の有効期間が満了するになる日から15日経過するまでに車検証の交付を受けた場合に限られます。
 
【図表1】


 
国土交通省 エコカー減税の概要
 

グリーン化特例とは?

グリーン化特例は、排出ガス性能や燃費性能の優れた車の「自動車税」や「軽自動車税」を軽減します。電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車が対象です。ただし、天然ガス自動車は2009年排出ガス規制NOxを10%以上低減している、または2018年排出ガス規制に適合している必要があります。
 
2021年4月1日から2023年3月31日までに新車新規登録を行った場合、翌年度分について特例措置が図表2や図表3のように適用されます。
 
グリーン化特例における自動車税については図表2、軽自動車税については図表3のとおりです。
 
【図表2】(自動車税)


 
国土交通省 グリーン化特例の概要
 
【図表3】(軽自動車税)

 
国土交通省 グリーン化特例の概要
 

自動車税環境性能割とは

自動車税環境性能割とは、自動車を取得した場合に燃費性能に応じて課税される税金です。2021年4月1日から2023年3月31日までに車を取得したとき、登録者は図表4、軽自動車は図表5のような特例措置が適用されます。
 
電気自動車や燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車は、無条件で非課税です。天然ガス自動車やクリーンディーゼル乗用車も対象となりますが、条件があるので注意してください。
 
天然ガス自動車は2009年年排出ガス規制NOx10%以上の低減または2018年排出ガス規制に適合していること、クリーンディーゼル乗用車は2009年排出ガス規制または2018年排出ガス規制に適合していることが条件となります。
 
ガソリン車やLPG車、ハイブリッド車は2020年燃費基準を達成している車に限られます。さらに、2005年排出ガス規制を75%低減または2018年排出ガス規制を50%低減していることが条件です。その上で、図表4や図表5のように、2030年度燃費基準の達成率によって課税率が変わります。
 
【図表4】(登録車)


 
国土交通省 環境性能割の概要
 
【図表5】(軽自動車)

 
国土交通省 環境性能割の概要
 

まとめ


 
エコカー減税とグリーン化特例、自動車税環境性能割は、うまく活用すれば自動車の取得や維持の費用が抑えられます。
 
対象車の要件がかなり細かく、分かりにくいのは確かですが、車の購入時には、その取得価格だけではなく、排気ガスや燃費の性能をチェックし、基準を満たしているかどうかしっかりと確認することが大切です。環境にも、そしてお財布にも優しい自動車ライフを送りましょう。
 

出典

国土交通省 エコカー減税の概要
国土交通省 グリーン化特例の概要
国土交通省 環境性能割の概要
 
執筆者:田邉史
二級ファイナンシャルプランニング技能士

ライターさん募集