タンス預金が「400万円」になったので、銀行に預けようと思います。税務署の指摘が不安なのですが、大丈夫でしょうか?
配信日: 2025.03.07

タンス預金している方のなかには、一定の金額が貯まった際に、現金を銀行に預け入れようと考える方もいるのではないでしょうか。本記事では、タンス預金について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
タンス預金を銀行に預けたらどうなる?
タンス預金とは、銀行などの金融機関に現金を預けず、自宅などで保管することを指します。タンス預金の対象となる保管場所は、タンスだけではありません。引き出しやクローゼット、金庫のほか、貸金庫や会社などで保管している場合もタンス預金に該当します。
タンス預金は違法?
タンス預金に違法性はありません。違法になり得るのは、所得税や相続税、贈与税を申告せずタンス預金する場合などです。税金を支払わない行為は脱税行為に該当します。
一方、適切な税務処理がされていれば、タンス預金していても問題はないといえます。
タンス預金を利用して脱税するとどうなる?
タンス預金を利用した脱税で多いのは、贈与税や相続税の支払いを逃れようとするケースです。贈与税や相続税の支払いを正しく行わない場合、相応のペナルティーが課されるおそれがあるため注意が必要です。
贈与税や相続税は、申告期限までに正しい税額を申告する必要があります。期限内に申告しなかった場合には、無申告加算税が課せられます。ただし、期限から1ヶ月以内に申告するなどの一部の条件を満たせば、無申告加算税は課されないでしょう。
また、税金を申告していても、申告された税額が少ない場合には、過少申告加算税が課されます。さらに、意図的に税金の支払いを免れようとした場合には、重加算税が課されます。基本的な税率は無申告の場合で40%、過少申告で35%です。
なお、税金を正しく申告していても、納付が遅れると延滞税が発生します。納税の必要が生じた場合は、期日までに速やかに対応しましょう。
タンス預金のメリット
以下に、タンス預金を行うメリットをまとめました。
・金融機関が破綻しても被害にあわない
・現金の用意がしやすい
・引き出し手数料がかからない
ここから、項目ごとに解説します。
金融機関が破綻しても被害にあわない
預金保険制度により、金融機関が破綻した場合でも、金融機関ごとに預金者1人当たり1000万円までの元本と破綻日までの利息が保証されます。
ただし、1000万円を超えた分は失う可能性があります。一方、タンス預金であれば、金融機関が破綻しても資産を守ることが可能です。なお、複数の金融機関に1000万円を下回る額を預金しておけば、金融機関の破綻対策になります。
現金の用意がしやすい
金融機関に預けている場合、現金を用意するためには銀行やコンビニなどに出向く必要があります。
コンビニは24時間営業していることもありますが、銀行は営業時間が決まっています。近くにコンビニがなければ、現金をすぐに用意できないこともあるでしょう。その点、タンス預金であれば、現金を用意する手間が省けます。
引き出し手数料がかからない
口座から現金を引き出す際には、手数料がかかることがあります。一方、タンス預金であれば、現金を用意する際に手数料はかかりません。
タンス預金のデメリット
以下に、タンス預金を行うデメリットをまとめました。
・利息がつかない
・災害や盗難などで資産を失うリスクがある
・資産の保管場所を忘れる可能性がある
ここから、項目ごとに解説します。
利息がつかない
金融機関にお金を預ければ利息がつきますが、タンス預金であれば利息は一切つきません。長期間タンス預金していても、お金が増えることはないでしょう。
災害や盗難などで資産を失うリスクがある
金融機関に資産を預けていても、災害や盗難などで資産を失うリスクはありますが、タンス預金よりはリスクが低いでしょう。
資産の保管場所を忘れる可能性がある
長期間タンス預金していると、保管場所を忘れる可能性があります。資産が減るわけではありませんが、見つからない場合は資産が減ることになります。
適切な状態のタンス預金は預け入れても問題ない
適切な税務処理が行われていればタンス預金に違法性はなく、タンス預金していたお金を銀行に預けても問題はないでしょう。ただし、タンス預金を利用して、所得税や贈与税、相続税などの税金の支払いを免れる行為は違法です。これらの行為は脱税です。
タンス預金には、金融機関の破綻時に被害にあわないことや、現金を用意しやすいことなどがメリットですが、利息がつかないことや、災害や盗難などで資産を失うリスクが高いことなどはデメリットといえます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー