収入がないのに「住民税」の納付書が届きました。「収入が0円」でも支払わなくてはなりませんか?

配信日: 2025.07.03 更新日: 2025.07.04

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収入がないのに「住民税」の納付書が届きました。「収入が0円」でも支払わなくてはなりませんか?
収入がないのに税金を払わなくてはならないことに対して、納得のいかない方は多いでしょう。しかし、住民税は収入が0円でも支払わなければならないケースがあります。
 
本記事では、住民税の基本的な仕組みと、収入が0円でも支払わなければならないケースについて解説します。
 
※本記事で「収入」とは支払われた金額の全額をいい、「所得」とは収入から必要経費や所得控除額を引いた額をいいます。
堀江佳久

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

住民税の基本的な仕組み

1. 住民税とは?
 
住民税は、住んでいる都道府県および市区町村に納める税金です。
 
税金は、私たちの生活に必要な身近な行政サービス、すなわち教育、福祉、消防・救急、ゴミ処理といったサービスに使われています。これらは、市区町村や都道府県によって提供されています。つまり住民税は、その地域に住む人たちなどが広く負担を分かち合うもの(地域社会の「会費」)という位置づけです。
 
2. 税金の仕組み
 
住民税は、前年の所得に対して課税される税金です。そのため、たとえある年(その年の1月~12月)の収入が0円であっても、前年に収入があった場合は、その収入に基づいて計算された住民税が課されます。一方で所得税は、その年の1月~12月までの収入から計算されるため、当該期間に収入がなければ所得税はかかりません。
 

「収入が0円」でも支払わなければならないケース

本章では、1月~12月までの収入が0円でも、住民税を支払わなければならなくなる、具体的なケースを紹介します。
 
1. 今年の収入は0円でも、昨年アルバイト、パート、正社員などで収入があった場合。昨年の収入に基づいて住民税が計算されるので、納税通知書が送付されてきます。
 
2. 上記の1と同じく今年の収入は0円でも、昨年に年金収入、不動産収入、事業所得などがあった場合。これらの所得も上記同様に住民税の課税対象となりますので、納税通知書が送付されてきます。
 
なお収入が0円であった場合は、所得も0円となります。
 
3. 昨年まで家族の扶養に入っていた方が、今年扶養から外れた場合。自身の所得に対して、住民税が課されることがあります。
 
4. 誤って課税された可能性がある場合。収入が0円で、上記のいずれのケースにも当てはまらない場合は、住民税額に誤りのあるまま、納税通知書が送付されている可能性も考えられます。その場合には、住所地の市区町村に相談窓口がありますので、相談することをお勧めします。
 

まとめ

住民税は、前年の所得に対して課される税金です。そのため、たとえ今年(1月~12月まで)の収入が0円であっても、前年に所得があった場合などは、その所得に基づいて計算された住民税が課されます。
 
なお、送付されてきた納税通知書の詳細には、課税対象となった所得の種類や金額などが記載されているので、まずはその内容を確認しましょう。次に、納税通知書の内容に疑問がある場合や、前年の所得が全くないにもかかわらず納付書が届いた場合は、住所地の市区町村の税務担当窓口に相談するようにしましょう。
 

出典

国税庁 税の学習コーナー
財務省 身近な税 Q 住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?
 
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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